グルタミン合成酵素(GS),アスパラギン合成酵素(AS)活性の季節変化が,3月から10月まで温室で栽培されたアスパラガス品種'E414'と'ウエルカム'若茎の上・下部位を使って検討された.両品種・両部位において,GS,AS活性は,春先(3月から4月)の収穫初期で高く,4月に最高となった.GS活性は,より高い温度下(5月から8月)で減少し,低い温度下(9月から10月)で増大した.若茎上部の累積的なGS活性は,両品種において,下部の活性の約2倍高かった.他方,AS活性は若茎成長中の温度変化で徐々に減少した.若茎上部の累積的なAS活性は,'ウェルカム','E414'で各々下部の1/3,1/4であった.若茎の上部は,下部よりGS,AS活性が有意に高かった.両品種のうちで,'ウエルカム'は'E414'よりAS活性が高かった.若茎上部のグルタミンとアスパラギン含量は,両品種とも下部よりも相対的に高かった.GS活性はグルタミン,グルタミン酸,アスパラギン酸,アスパラギン含量との間に相関が認められなかった.しかしながら,両品種において,AS活性とグルタミン,アスパラギン酸含量との間に正の相関が認められた.
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