農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
4 巻, 1 号
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  • 早田 保義, 井上 興一, 近藤 悟, 桧垣 慶史
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    ロックウール耕における培養液の窒素濃度を変化させてミニトマトを栽培し,窒素濃度の違いがミニトマト果実の収量,品質に及ぼす影響について,特に果実糖度との関係について調査した。1.果実の生体重量は窒素濃度処理間における差は認められなかったが,収穫が進むにつれ果実重量は全ての処理区で減少し,小果となる傾向を示した。2.収穫率は,収穫中期に1/4倍区で60%に達したが,2倍区では29%であり,低窒素区で果実の収穫期が早まる傾向を示した。3.果実糖度は収穫中期までは各処理区間に大きな差はなかったが,収穫後期の低窒素処理1/2倍区の糖度がもっとも高い値となった。果実の酸含量は,収穫後期に,低濃度区で低下した。その結果,糖酸比は低濃度区の果実が著しく高まった。4.果実の窒素含量は,低窒素区が標準区及び2倍区に比べて低下した。特に,糖度が明らかに増加した1/2倍区の果実窒素含量が最も低い値となった。5.葉部の窒素含量は,上位葉では窒素濃度処理による差は認められなかった。一方,下位葉では標準区及び2倍区では一定の値であったが,低窒素区では著しく減少した。6.窒素濃度処理期間中における各処理区の培養液窒素濃度の変化は,標準区及び2倍区では比較的安定した値であったが,低窒素区では処理期間中を通じて徐々に減少し続け,高濃度区のおよそ1/5倍となった。
  • 田野 信博
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    当研究室では,今後の科学的農業を展望する上で不可欠な気象情報を取り上げ,1995年の秋以来,パーソナル・コンピュータによる気象衛星「ひまわり」直接受信システムを導入して雲画像の収集を行っている。本報では,農家レベルで自前の気象予報システムを確立するための先行的研究として,GMS気象観測システムや導入システムの概要を紹介し,我が国の気象を代表する冬場のシベリア高気圧と夏場を前にした熱帯性低気圧及び梅雨前線の活動を示す3つの受信雲画像について総観的な解析を加えた。結果を要約すると,本システムはスケジュールに応じた自動受信機能により比較的簡単に気象情報を入手でき,気象変化の大要が把握できると結論された。今後,(1)雲画像の解析を容易にする気象無線模写通報(JMH)の天気図や予報図との重ね合わせ,(2)可視及び赤外画像の重ね合わせによる雲の識別や鉛直構造の解析,(3)防災や農作業面での早期対策を可能とする動画による台風の追跡,(4)降雪地帯の農作業対策として雲画像と天気図による降雪量分布型の予測,(5)赤外画像の計測温度とアメダス観測システムによる地上温度との相関関係等について明らかにして行きたいと考えている。
  • 望岡 亮介, 今堀 義洋, 黒岡 浩, 村井 泰広, 原田 久
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    '巨峰'のジベレリン処理に伴う脱粒及び穂軸の硬化の軽減について,低濃度(12.5ppm)ジベレリン処理における合成オーキシンのエチクロゼート混用効果を検討した。前期処理(花穂の5分咲き時)でジベレリンにエチクロゼートを添加する場合,50ppm混用区では摘粒効果が強すぎた上に,果汁の糖/酸比及び果皮のアントシアニン含量は低下したが,5または10ppm混用区では果実肥大の効果が高く,果実品質も優れた。穂軸の直径及び硬度はエチクロゼート5または10ppm混用区で小さくなり,脱粒も軽減された。
  • 金本 繁晴, 柴田 恒彦, 山下 律也
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    米の外観と食味評価による管理システムの体系化は,米の生産過程,販売過程,加工(精米,炊飯)過程における品質の向上と経済効果を目指したものである。ほぼ当初の目的を達することができると思うが,さらなるデータの蓄積によりそのソフトの精度を上げる必要がある。しかし,生産過程における技術改善方法と営農支援情報により,米の品質向上がみられたとしても精米加工や炊飯加工の技術的問題で品質が低下する場合がある。いかに管理システムと米の加工,炊飯技術とを符合させるかが今後の課題である。
  • 金本 繁晴, 笠田 正明, 山下 律也
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    米質計を開発する目的で試作した実験機を玄米に適用した結果,若干の問題を残すものの,かなり高い仕分け精度が得られたので,実用機として利用できるものと思われる。この仕分けの成果は,玄米食味の管理のほか,生産者毎のデータとして営農指導支援システムの構築に役立つものと思われる。しかし,営農指導支援システムの構築のためにはこの米質計の測定結果に土壌データや栽培・収穫データを補充することが必要である。第2報では,近赤外線センサを使用して米の中に混入する石・ガラス・金属・樹脂などの無機物の異物除去を対象とした選別機を検討する。
  • 金本 繁晴, 柴田 恒彦, 山下 律也
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1997/04/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    異物選別に利用できる技術を確立すべく,まず選別材料の分光特性の測定を行い,光学フィルタの波長選択を行ってから,NIRセンサの選択を終え,試作機に組み込み実用化試験を実施した。実用機において流量150kg/h・chの条件下で,選別率95%以上の精度を得ることができた。当初の目標はほぼ達したが,解明できなかった波長域800〜1050nmが残っているので,この点について今後解明する必要がある。
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