農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
19 巻, 3 号
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  • 伊田 黎之輔
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 3 号 p. 81-88
    発行日: 2012/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では5斜線刈取りによる水稲収量簡易速決診断法の一環として,収量査定株の選定用に供する平均1株穂数群の全株を除去した後,平均1株穂数±1の穂数株群から稈長測定株1株を選別して,稈長・節間長を測定する方法を考案した.全穂数株群に対する平均1株穂数±1の穂数株群の最長稈長の平均偏差は小さく,標本としての問題はみられなかった.稈長測定株の最長稈長および平均稈長は試験区(母集団)における最長稈長を一定の精度で推定可能な指標であった.しかし,稈を構成する各節間の伸長パターンは稈の生育型による違いが生じる可能性があるため,最長稈の節間長のみではなく,全稈の節間長を測定して平均節間長として示した方が測定法上勝ると考えられた.すなわち,本測定法は稈長測定株1株の全稈について2mm以上の伸長節間を0.1cm単位で測定し,各節間長の平均値を平均節間長としてこれらの合計を平均稈長として表示するものである.年次,品種を異にしても平均稈長の母分布は例外なく正規性を示し,各節間長の大半においても母分布の正規性が認められた.
  • 本田 智巳, 圖師 一文, 和島 孝浩, 森 太郎, 北野 直子, 松添 直隆
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 3 号 p. 89-93
    発行日: 2012/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    人工受粉およびホルモン処理により着果させたナス果実の総ポリフェノール含量,クロロゲン酸含量,アントシアニン含量,および抗酸化活性を測定し,ナス果実の種子形成がポリフェノール含量および抗酸化活性に及ぼす影響について検討した.その結果,種子形成がナス果実のポリフェノール含量および抗酸化活性に及ぼす影響は,品種や果実の成熟で異なることが明らかになった.本研究で用いた品種では,ホルモン処理により種子を形成させないことで'民田早生'の未熟果において,クロロゲン酸および総ポリフェノール含量の増加,それに伴う抗酸化活性の上昇が期待され,'筑陽'の未熟果ではアントシアニン含量の増加に伴う着色程度の向上が期待された.
  • 松山 康甫, 松久保 哲矢
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 3 号 p. 95-102
    発行日: 2012/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    茶園うね間土壌は肥培管理上最も重要な土壌でありながら,作業路としても使用されている.そのため,現在も踏圧軽減の工夫がなされている.大重量の機械を導入する場合の踏圧への影響を明らかにするために人工土層及び茶園において実験を行なった.その結果,以下のことが明らかとなった.人工土層において土圧変換器を用いた測定によって人間の歩行でも下層に圧力が伝わることを示した.茶園うね間のように同じ場所を走行すると履帯区で第2層(地下20cm)まで,軽量車輪区で第4層(地下40cm)まで踏圧による圧縮がみられた.土壌硬度は轍中心より横に履帯区では10cm,軽量車輪区では20cm以上で高くなることが分かった.圃場実験での土壌硬度についてみると,履帯区は第1層(0〜10cm)では21mmと高い区が見られ,2層(10〜20cm)では19mm以下であった.車輪区は軽量車輪区で23mm,重量車輪区で26mmであった.更に重量車輪区は3層(地下30cm)まで,高い踏圧が見られ固相率も3層(地下30cm)まで高くなっていた.収量は,重量車輪区を除き履帯区及び軽量車輪区が歩行区と同じか,それ以上の収量であった.供試した鹿児島県薩摩半島の火山灰土壌では,車両重量7〜8kN(≒700〜800kg)の走行装置が履帯であれば,適度な踏圧により収量が向上する効果が得られた.
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