Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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5 巻, 23 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • A.L. Tarentino, T.H. Plummer Jr, 中川 裕章
    1993 年 5 巻 23 号 p. 163-170
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ペプチド-N4-(N-アセチル-β-グルコサミニル) アスパラギンアミダーゼF (PNGaseF) は糖ペプチドや糖タンパク質の糖鎖の結合しているアスパラギンのβ-アスパルチルグルコシルアミン結合を加水分解するアミダーゼ/アミドヒドロラーゼの一種である。この酵素は糖鎖結合部位周辺のペプチドと、糖鎖の根元の構造を主として認識している。PNGaseFはどの様な構造の糖鎖も遊離し、ほとんどのアスパラギン結合型糖鎖の脱グリコシル化に使用できる。PNGaseFは糖タンパク質の構造や機能の解析、糖鎖構造解析、アスパラギン結合型糖鎖の生合成の研究に重要な道具であり、現在のバイオテクノロジーの研究の中で活用されている。PNGaseFは幾つかの販売業者から購入できるが比較的高価である。しかし、このレビューで述べられた一段階のちょっとした作業によってほとんどの研究室で大量の酵素が精製できる。
  • GM2/GD2ガングリオシドの発現を決定するβ1,4N-アセチルガラクトサミン転移酵素cDNAの単離と発現
    K. Furukawa, Y. Nagata, H. Shiku
    1993 年 5 巻 23 号 p. 171-179
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ガングリオシドの生物学的意義とその発現制御機構のよりよき理解のためには、その糖鎖構造の合成に働く糖転移酵素遺伝子を単離することが肝要である。β1,4N-アセチルガラクトサミン転移酵素遺伝子の発現クローニングと、その発現に関する解析結果につき報告した。CDM8ベクターを用いた真核細胞発現系によって単離されたcDNAから、そのタンパクが現在まで報告された糖転移酵素遺伝子に共通しているII型の膜タンパク構造を有することが推測された。これらのcDNAを適当な細胞にトランスフェクトした場合、新たにGM2, またはGM2とGD2が合成されることから、このcDNAが事実、 GM2/GD2合成酵素遺伝子に由来することが示唆された。この転移酵素遺伝子の構造及び機能の特徴につきまとめると共に、更なる糖転移酵素遺伝子の単離の重要性につき強調した。
  • R.J. Linhardt, J. Liu, X.-J. Han, 掛樋 一晃, 安枝 真一
    1993 年 5 巻 23 号 p. 181-192
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    オリゴ糖や多糖の分析は、オリゴ糖や多糖に起因する生物活性の発見とともにますますその重要性が認識されつつある。タンパク質や核酸など、その他の生体高分子は電気泳動を利用する分析法に大きく依存している。本論文ではキャピラリー電気泳動およびグラジエントポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いる構成糖分析、オリゴ糖マッピング、オリゴ糖および多糖のシークエンス分析について紹介する。今回紹介する方法は酸性多糖 (グリコサミノグリカン) や中性の糖タンパク質に由来するオリゴ糖に適用できる。糖質を電気泳動により分離する手段として、糖が本来持っている電荷、糖とキャリアー緩衝液中の荷電分子との錯体形成、および誘導体化により糖質に電荷を導入するという3種類の方法を利用することができる。蛍光標識などの最近開発された方法は、ミクロ分析が必要とされる高感度分析を可能にする。オリゴ糖の分析に必要とされる高い分離能はキャピラリー電気泳動や二次元ゲル電気泳動により達成される。分取グラジエントゲル電気泳動は構造解析用のオリゴ糖を純粋に得るために有用な手段となる。電気泳動を用いるオリゴ糖や多糖の完全シークエンス分析の将来についても述べる。
  • T. Kajimoto, T. Sugai, C.-H Wong
    1993 年 5 巻 23 号 p. 193-207
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    エネルギー代謝の過程で糖の分解をつかさどっているアルドラーゼは、その逆反応であるアルドール縮合をも触媒し、糖の合成に利用できる。これらアルドラーゼは、エノレート源に対し高い基質特異性を示すが、種々のアルデヒド類をアルドール縮合のアクセプター基質として受け入れる。現在知られている25種類のアルドラーゼの中でも、ジヒドロキシアセトンリン酸をエノレート源とするFDP-アルドラーゼやピルビン酸をエノレート源とするシアル酸アルドラーゼは比較的安価に市販されており、利用価値の高いアルドラーゼである。フルオロ基やアジド基を有するアルデヒドとそれぞれのアルドラーゼの要求するエノレート源とを、アルドラーゼの働きにより縮合させ、フルオロ糖、アザ糖の効率良い合成法がこの10年間で確立されてきた。言うまでもなく、生成してくる縮合体の立体化学は、酵素反応であるがゆえに厳密に制御されており、光学純度も極めて高い。これらのアルドラーゼの糖質合成における利用例を紹介する。
  • G. P. Kaushal, A. D. Elbein, 鈴木 慈郎, 西村 吉雄
    1993 年 5 巻 23 号 p. 209-218
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    アスパラギン結合型 (N-結合型) 糖鎖のプロセッシングに関与する特異的な糖水解酵素の阻害剤として、数多くの化合物が過去10年以上にわたって見い出されている。プロセッシングの過程のなかのグルコースやマンノースの除去を阻止するグルコシダーゼおよびマンノシダーゼの特異的阻害剤などがこれにあたるが、このような化合物は形の変わった糖鎖構造をもたらすことになる。これら化合物の多くは細胞培養で、糖タンパク質全体の機能に対してそれぞれの糖鎖部分がどれだけの役割を果たしているかを評価するのに広く用いられる。さらに、このような阻害剤は、多様な糖水解酵素をそれぞれ区別したり、これら酵素の精製の際にアフィニティーリガンドとして用いたりするのに有用な道具となっている。特に、α-マンノシダーゼ類に対して、上に述べたような使い方に適した強力でかつ特異的な阻害剤が知られている。このような阻害剤を用いれば、プロセッシングに関与するα1,2-結合特異的マンノシダーゼ (即ち、マンノシダーゼI)、GlcNAcMan5(GlcNAc)2基質からα1,3-およびα1,6-結合マンノースの両方を切り離すマンノシダーゼII、およびMan9-4(GlcNAc)2からα1,2-、α1,3-およびα1,6-結合マンノースのすべてを切り離す幅広い特異性のα-マンノシダーゼの三者をはっきりと区別することが出来る。このように、デオキシマンノジリマイシンあるいはキフネンシンはゴルジマンノシダーゼIを強く阻害するが、ゴルジマンノシダーゼII、アリルあるいはリソソームα-マンノシダーゼ、および広い特異性のマンノシダーゼを阻害しない。一方、スワインソニンおよびマンノスタチンAはマンノシダーゼIIを強く阻害するが、マンノシダーゼIあるいは小胞体α-マンノシダーゼには作用しない。加えて、新規阻害剤D-マンノラクタムアミドラゾンは化学合成された一般的なマンノシダーゼ阻害剤であり、他のα-マンノシダーゼに対する、有用でより特異的な阻害剤をデザインするのに役立つ手掛かりを与えるはずである。
  • G-タンパク質を介するレセプターのモデル系
    ダムレ S.P., 高橋 延行
    1993 年 5 巻 23 号 p. 219-223
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • リー Y.C., 川口 吉太郎
    1993 年 5 巻 23 号 p. 225-227
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 掛樋 一晃
    1993 年 5 巻 23 号 p. 229-230
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 久保 英夫
    1993 年 5 巻 23 号 p. 231-232
    発行日: 1993/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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