歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
39 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 井出 吉信, 上松 博子
    1997 年 39 巻 2 号 p. 79-90
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Junko Matsuyama, Takuichi Sato, Etsuro Hoshino
    1997 年 39 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    小児の歯垢から分離した細菌を, palatinose, palatinit, erythritol, maltitolを加えた培地中で培養し, それらの代用糖からの歯垢分離細菌による酸産生性を検討した。3名の歯垢から優勢菌として分離された146株のうち, 95株 (65%) がActinomycesであり, 3例すべてにおいてActinomycesが最も多くを占めていた。146株中, palatinose分離菌48株 (33%) で, そのほとんどがActinomycesであった。palatinit分解菌は17株 (12%), erythritol分解菌は2株, erythritol分解菌は0株であった。これより, 歯垢中には, 糖アルコールの1種である palatinit, erythritol, maltitolを分解する細菌に比べて, palatinoseを分解する細菌が多いことが示された。
  • Shoko Ito-Kuwa, Yasunori Nakamura, Shigeji Aoki, Kenjirou Nakamura, Va ...
    1997 年 39 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 二つのグループの若い女性健常者を対象としてスワブ法により1~3週間間隔で3回, 口腔酵母の分離を試み, 分離頻度と菌種を調べた。対象としたグループは新潟地区にある歯科衛生士専門学校女子学生78名 (DHグループ) と看護学院女子学生31名 (NTグループ) であった。DHグループでは, 3回の分離で酵母検出者の平均割合は29%で, 78名中30名から合計69株が分離され, そのうち61株 (88%) はCandida albicansであった。調べた78名のうち15名 (19%) からは3回連続して酵母が分離されたが, それらはすべてC. albicansであり, 本酵母種は健常者口腔に永続的に生息していることが明らかになった。一方, NTグループでは, 3回の分離で酵母検出者の平均割合は41%で, 31名中17名から合計38株が分離された。そのうち32株 (84%) はC. albicansであった。31名のうち9名 (29%) からは3回とも酵母が分離されたが, これら9名中8名からはC. albicansが分離された。これらの結果は, 若い健常女性においてはC. albicansが口腔酵母の中で最も優勢な種類で, 安定して継続的に口腔内に生息していることを示している。
  • 摂食期間と舌神経切除による影響の検討
    青木 一之, 相山 誉夫
    1997 年 39 巻 2 号 p. 107-123
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    パンクレアチン摂取後の顎下腺腺房細胞の構造の変化を光顕および電顕観察によって調べた。また, パンクレアチンによる腺房細胞の構造変化が味覚を介して行われるか否かを調べるために味覚神経の切除も合わせて行った。4%の割合でパンクレアチンを配合した粉末飼料をSD系ラットに与えた。
    腺房細胞は, パンクレアチン混合飼料を1週間与えた動物において著しい増大を示した。腺房細胞に含まれる大多数の分泌果粒が, ムコ多糖類を含むと思われる芯様構造物を有するようになった。パンクレアチン食停止後, 腺房細胞は2週間で大きさを減少する傾向を示し, 3週間で元の大きさに回復した。味覚を除去するために舌の基部で舌神経を切除したのちパンクレアチンを与えたラットの腺房細胞は, 舌神経を切除しないで与えたものよりも増大した。また, 過剰な唾液を分泌するようになった。舌神経切除後パンクレアチンを与えたラットの腺房細胞がよりいっそう増大する理由は明らかでないが, パンクレアチンは血流を介して顎下腺に作用することと, 舌神経切除が顎下腺を支配する自律神経の機能を乱すことによるのかもしれない。
  • Shosei Matsumoto, Akira Yamane, Shigeo Ohshima, Akifumi Togari, Michit ...
    1997 年 39 巻 2 号 p. 124-132
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    アスコルピン酸を生合成できない突然変異種のラット切歯歯根膜の機械的性質を, 0.2%のアスコルビン酸を含む飲料水を摂取させた群 (AsA群) とアスコルビン酸を含まない飲料水を摂取させた群 (non-AsA群) との間で比較した。アスコルビン酸血中濃度は, non-AsA群において, 2および3週間で著明な低下を示した。実験開始後3週間で, non-AsA群切歯歯根膜の最大勢断応力, 最大勢断歪, 剪断弾性率および破壊エネルギーはAsA群と比較して有意に低下した。組織学的検索より, non-AsA群における歯根膜の破断は主に歯槽骨側で起こっていることが示された。これらの結果から, 歯槽骨付近の歯根膜線維において活発なコラーゲン合成が行われており, non-AsA群においてはアスコルビン酸欠乏によるコラーゲン量の減少が, 歯根膜の機械的強度の低下を引き起こしている可能性が示唆された。
  • Flow cytometryによる解析
    西澤 聡, 沼部 幸博, 鴨井 久一
    1997 年 39 巻 2 号 p. 133-142
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    近年, 炎症の制御におけるPMNのアポトーシスの関与が報告されている。
    本研究では, 末梢血PMNと唾液PMNを対象とし, 周囲の環境とアポトーシス関連抗原の発現との関係を検索し, 口腔領域の免疫機構でのPMNのアポトーシス発現の可能性について考察した。
    健常者の末梢血と唾液からPMNを分離し, PBS, 血清, 唾液, 熱処理唾液, PMA, TNF-α, Fas抗体で3時間培養した。そしてその前後のPMNにおけるFas抗原およびLewis Y (Ley) 抗原の発現を, 間接蛍光抗体法を用い, Flow cytometryで検索した。その結果, 以下のことが示された。
    1. 末梢血PMNでは, 唾液, TNF-α, Fas抗体の刺激でFas抗原の発現が増加し, 血清, 唾液, TNF-α, Fas抗体の刺激でLey抗原の発現が増加する。
    2. 分離直後の唾液PMNでは, Fas抗原の発現は分離直後の末梢血PMNと同じ傾向だが, Ley抗原の発現は有意に高い。
    よって, PMNは終焉の時に, 唾液やサイトカインなどの影響を受け, アポトーシスが発現している可能性が示唆された。
  • Naoki Fujiwara
    1997 年 39 巻 2 号 p. 143-154
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    マウス臼歯のセメント質形成についてin vitroで研究するために, 新しい器官培養系を開発した。材料には生後14日齢マウス下顎を用い, 片側の歯槽突起を取り去り第一臼歯の一部を露出させた。培養器は中央に臼歯歯胚が入る程度の穴を開けたフィルターを持つ各セルと, それを入れる24穴マルチディッシュで構成され, 歯胚の露出部が下になるようにフィルターに載せ, 無血清完全合成培地で器官培養した。培地はそのつど調合し, 一日おきに交換した。培養全期間を通じ, 歯胚や歯周組織の立体構築は保たれていた。培養43日までに有細胞セメント質様の層が形成された。電子顕微鏡, X線微小分析により, 培養によって新たに形成されたセメント質様構造は石灰化していることが確認された。
  • Reiki Sukekawa, Ichizoh Itoh
    1997 年 39 巻 2 号 p. 155-163
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    マウス冠状縫合の正常な組織学的形態を観察し, 次に頭頂骨に2通りの切り込みを入れて縫合の機能を調べた; 1つは頭頂骨に の字の切り込みを入れて, 骨片の前縁だけで冠状縫合を介して前頭骨に連結するようにし, 縫合に外的作用が加わらないようにした。もう1つは頭頂骨に冠状縫合の走向に直交するように||の字の切り込みを入れて, 縫合に外的作用が加わるようにした。
    縫合の嵌合状態は頭蓋の外面と内面で異なっており, 前者は強いが後者は弱かった。縫合の矢状断面において, 頭頂骨の内板は前頭骨の外板と内板の間に嵌合していた。なお, 頭頂骨の外板の発達は悪かった。膠原線維束は縫合の上方半部では前後方向に走向しているが, 下方半部では走向が不明瞭であった。 の字切り込みの縫合は改造されて, 縫合全体の膠原線維束の走向が不明瞭となった。||の字切り込みの縫合はほぼ正常な縫合の組織学的形態を維持した。
    以上の結果は, マウス冠状縫合が上方半部が可動性を有し下方半部が支点となって, 関節のような機能をしていることを示唆している。
  • Mikiyo Odajima
    1997 年 39 巻 2 号 p. 164-169
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
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