歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
41 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 田谷 雄二, 添野 雄一, 島津 徳人, 青葉 孝昭
    1999 年 41 巻 6 号 p. 531-539
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • 池田 代子
    1999 年 41 巻 6 号 p. 540-547
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    われわれはこれまでに, ヒト口腔から分離したStaphylococcus epidermids S-19株がグルタミン酸のC末端側のペプチド結合を切断する27-kDaのセリンプロテアーゼ (GluSE) を産生することを報告した。本研究ではN末端アミノ酸配列に基づいてGluSEをコードする遺伝子のクローニングを試みた。その結果, クローニングの過程で, S. aureus V8プロテアーゼ (GluV8) と相同性の高い部分DNA配列 (a7領域, 443bp) が単離された。ホモロジー解析ではa7領域DNA配列は新規のものであり, GluV8とDNA配列で64.5%, アミノ酸配列では57.4%の相同性が認められた。さらに, 同領域にはGluV8のHis-119, Asp-171の2つの活性アミノ酸残基が保存されており, GluV8と同様の機構によりグルタミン酸のカルボニル基側で加水分解が起こるものと推定された。また, サザンプロット解析では本遺伝子の1コピーが染色体DNA上に存在することが示された。さらに, 口腔由来菌株を含むコアグラーゼ陰性staphylococci (CNS) 87株についてGluSE遺伝子の保有状況をPCRで検討した。その結果, S. epidermidis分離株の本遺伝子の保有率は100% (65/65) であり, うち72.3% (47/65) の分離株がGluSEを産生した。一方, S. aureusS. capitis, S. haemolyticus, S. hominisおよびS. warneriを含むCNS分離株には遺伝子の保有を認めなかった。以上の結果からGluSE遺伝子はS. epidermidisに遍在的に, かつ種特異的に存在することが示唆された。
  • 祐川 励起, 伊藤 一三
    1999 年 41 巻 6 号 p. 548-555
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    マウス切歯縫合の形成過程を光顕とSEMで観察し, この縫合の組織学的基本構造について考察した。切歯縫合を構成する切歯骨と上顎骨は骨形成に伴って近接し, その骨間部に細胞が密集した。その後, 両骨縫合面に骨梁が形成されて嵌合が生じ, 骨間部では膠原線維束が形成された。嵌合形成に伴って線維束の一端は骨梁表面 (縫合面) に埋め込まれ, その走向が修正された。形成の完了した縫合は強い嵌合を示し, 線維束の走向は規則的であった。この時期の線維束は一端が束となって縫合面に埋入し, 他端が縫合中央に向かうにつれて分枝していた。そのため, 縫合中央部は両側からの線維束の分枝が交錯し, 分枝と分枝の間に線維芽細胞が散在していた (plexsus layer)。また, plexus layerの両側には分枝前の線維束と維合面の改造に関与する細胞が存在していた (adaptive layer)。
    縫合面のSEM観察では, 縫合面に埋入する類円形の線維束残余物と骨形成と骨吸収による改造形態が認められた。
    以上の結果から, 切歯縫合の組織学的基本構造は縫合中央部のplexus layerとその両側のadaptive layerの3層構造であり, 骨と骨の連結は相対する縫合面からの線維束分枝の交錯によると思われた。
  • 木場 秀夫, 小方 頼昌, 宮本 泰輔, 大場 茂夫, 吉田 仁夫, 山本 浩嗣
    1999 年 41 巻 6 号 p. 556-569
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的はビーグル犬の大腿骨に形成した骨欠損部にPDGF-BBまたはbFGFを局所投与し, 両成長因子の初期骨形成に対する効果を明らかにすることである。術後2日, 1週, 3週, 7週で屠殺し, 骨の創傷治癒過程を病理組織学的に対照群と比較観察した。その結果以下の所見を得た。
    術後2日の対照群では軽度の血餅および炎症細胞の浸潤は認められるが, 未分化間葉細胞の増殖, 毛細血管の拡張増生などの治癒の所見は全く認められなかった。術後1週においては骨芽細胞様細胞の増生がみられたが, 骨基質の形成はほとんど認められなかった。成長因子投与群 (PDGF群およびbFGF群) では術後2日において毛細血管の増生, 未分化間葉細胞の増殖が認められた。さらに術後1週においては未分化間葉細胞の増殖, 線維の形成が著明であり, 骨基質の形成も認められた。
    新生骨梁の形成は対照群では, 術後3週に窩洞壁および骨髄側 (窩底部) から細い線維性骨が形成されはじめ, 窩洞の約半分を満たしていた。窩洞全体に新生骨梁の形成が観察されたのは術後7週であった。成長因子投与群では術後3週で細い線維性骨が窩洞全体に観察され, 術後7週では太い骨梁と層板骨が認められた。術後3週および7週における骨梁の石灰化をテトラクローム染色で比較すると, bFGF投与群はPDGF投与群より多くの石灰化を伴った骨梁が認められた。
    以上の結果から, イヌ大腿骨に形成した骨欠損部へのPDGFおよびbFGFの局所投与は初期骨形成を促進したと考えられた。また, bFGFはPDGFよりさらに骨欠損の治癒に対して効果が認められた。
  • 尾之上 さくら, 橋本 修一, 今井 敏夫, 丹羽 源男
    1999 年 41 巻 6 号 p. 570-585
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    アルカリ性ホスファターゼ (ALP) は, 細胞表面のグリコシルホスファチジルイノシトール (GPI) アンカー型タンパク質の一つであり, 骨芽細胞の石灰化と密接に関わっている。本研究では骨芽細胞様細胞株MC3 T3-E1のALP活性量におよぼす培養環境の影響を明らかにするため, この細胞をさまざまな播種密度と継代頻度で培養した。MC3T3-E1細胞を6, 500cells/cmcm2の播種密度で週1回継代培養すると, 130日以上たってもこの細胞 (W1/HD) は高いALP活性と石灰化能を保持していた。しかし1, 300cells/cmcm2の播種密度で, 週2回継代培養すると, この細胞 (W2/LD, W2/HD-LD) は培養50日以内にもとの細胞のもつALP活性と石灰化能のいずれも90%以上を失ってしまっていた。これら形質変化した細胞を130日間培養すると, ALP活性とコンフルエント時の敷石状形態を失ったW2/LDやW2/HD-LD細胞の細胞集団倍加時間とタンパク質生成能はいずれもW1/HD細胞の場合に比べてそれぞれ有意に短くまた低くなった。一方, W2/LDとW2/HD-LD細胞ではもう一つのGPI-アンカー型タンパク質である5'-ヌクレオチダーゼの活性もALP活性の場合と同様にW1/HD細胞の酵素活性の1/10以下にまで減少していた。しかしW2/LDやW2/HD-LD細胞の酸性ホスファターゼとβ-グルクロニダーゼ活性はW1/HD細胞に比べ逆に有意に増加していた。培養環境により誘導されるこれら細胞の形質変化は, 培養した培地中の生物学的因子や電離放射線の照射に起因するものではなかった。
    これらの結果から, MC3T3-E1細胞は高頻度・低密度の播種による継代培養を行うと, MC3T3-E1細胞の骨芽細胞様の特性からGPI-アンカー型酵素活性と石灰化能が特異的に失われることが示唆された。
  • Masato Matsuo, Hitoshi Terada, Masaru Saito, Yoshiaki Kishi, Kazuto Ta ...
    1999 年 41 巻 6 号 p. 586-590
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Pao-Li Wang, Takashi Kanehira, Kiyoshi Ohura, Hiroshi Tani, Yoshinori ...
    1999 年 41 巻 6 号 p. 591-595
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Mikiyo Odajima
    1999 年 41 巻 6 号 p. 596-601
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/06/11
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