光学的手法を用いた血糖計測法は, 携帯型血糖モニタリングシステムや携帯型人工膵島の計測部門として, 一最適のシステムと考えられる。著者らは, 減衰全反射(ATR)プリズムを組み込んだカルコゲナイド光ファイバーをフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)に導入し, 口唇粘膜との接着圧を一定とし, より高精度の非侵襲的血糖計測法の開発を試みた。その結果, in vitroにおいて, 1080cm
-1の頂点吸光強度とブドウ糖濃度との間には高い相関を認めた。さらに, in vivoにおいて, ATRプリズムと口唇粘膜との接着圧を一定とした場合, 1080cm
-1の頂点吸光強度(Y)と血糖値(X)との問にはY=(0.3X+8.0)10
-5, r=0.95と高い相関を認めた。以上, ATRプリズムを口唇粘膜に一定圧で接着させることにより, 高精度の計測が可能となり, 本システムを用いた非侵襲的血糖計測法の有用性が示唆された
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