土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
76 巻, 5 号
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土木計画学研究・論文集 第38巻(特集)
  • 川井 涼太, 金 利昭
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1081-I_1092
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,我が国特有の自転車利用者の経路選択特性及び自転車通行空間の整備形態を考慮した上で,自転車利用者の快適性に着目した自転車交通ネットワーク計画の評価指標を提案することを目指す.まず,自転車利用者の経路選択特性を把握することを目的として,Webアンケート形式の経路選択SP調査を実施した.次に,Webアンケート調査から得られた経路選択データを用いて自転車利用者の経路選択モデルを構築した.最後に,自転車利用者の経路選択に影響を与える要因のパラメータを推定し,変換式を用いて自転車利用者が感じるストレス度を距離に換算することができるMRS値を算出した結果,自転車ネットワーク路線を選定する際に活用することができる自転車利用者の快適性を考慮した評価指標を提案した.

  • 北村 清州, 水田 哲夫, 中村 俊之, 佐藤 仁美, 森川 高行, 中菅 章浩, 南川 敦宜
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1093-I_1106
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    低速自動運転車両等を用いた新たなモビリティサービスによる公共交通網再編の試みが各地で進められている.低速自動運転車両のようにラストマイルを担うモビリティサービスの設計には,数百m単位の精度で需要を把握する必要がある.本研究では,高蔵寺ニュータウンを対象とし,PT調査データと携帯電話から得られた位置情報データを組合せ,250mメッシュ単位の交通手段別OD表を作成した.さらに,選好意識調査データと組合せて新たなモビリティの需要予測モデルを構築し,250mの解像度で低速自動運転車両の需要推計に適用した.携帯電話の位置情報活用により,PT調査等数kmゾーン単位の既存データのみでは困難であった詳細解像度での需要推計手法を構築し,新たなモビリティの導入検討や本格運用に向けたシステム設計への活用を可能とした.

  • 松中 亮治, 大庭 哲治, 金尾 卓実
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1107-I_1116
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,全国192路線4,401駅を対象に,1990年時点の鉄道運行頻度と,1990年から2015年までの25年間における年齢階級別人口の社会増減率との関連性を定量的に分析した.その結果,いずれの年代においても,期間の開始時点で10~19歳の年齢階級は,鉄道運行頻度が高いほど5年間の社会増加率が高いということを明らかにした.また,25年間の社会増減率については,1990年時点で0~19歳の各年齢階級において,鉄道運行頻度が高いほど社会増加率が高いことを統計的に示した.さらに,25歳以上の各年齢階級においても,駅勢圏人口の違いを考慮することによって,鉄道運行頻度が高いほど社会増加率が高い傾向にあることを統計的に明らかにした.

  • 松中 亮治, 大庭 哲治, 齋藤 航
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1117-I_1126
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,日仏における地方鉄道の運行本数とその経年変化を明らかにすることを目的に,両国の地方鉄道駅における1980年と2019年時点の運行本数を統一した基準でデータベース化した上で,両時点の運行本数,運行本数の変化率を比較分析した.その結果,1980年における1日当たりの平均運行本数は,日仏それぞれ12.7本,5.4本,2019年は19.3本,12.6本であり,地方や駅勢圏の人口密度を考慮しても両時点において運行本数は日本の方が多いことを明らかにした.また,運行本数変化率の平均は日本で1.39,フランスで2.00であり,地方鉄道の運行本数は両国ともに増加傾向にあるものの,その伸びはフランスの方が大きく,また日本の駅勢圏人口密度が少ない駅では,本数の増加率が小さいことを示した.

  • 植村 洋史, 松中 亮治, 大庭 哲治
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1127-I_1135
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,1981年から1990年に廃止された地方鉄道の駅と存続している地方鉄道の駅を対象に,30年4時点分の駅勢圏人口パネルデータや廃止前の鉄道に関する様々なデータを構築したうえで,地方鉄道の廃止が駅勢圏人口に及ぼす因果効果を,差分の差分法によって推計した.まず,欠損しているデータを多重代入法で補完したうえで傾向スコアを推定し,層別化を行ったうえで分析した.その結果,地方鉄道の廃止によって4-8%程度の駅勢圏人口への負の平均処置効果が確認され,地方鉄道の廃止が駅勢圏人口に負の影響を及ぼすことを統計的に明らかにした.また,鉄道の廃止による駅勢圏人口への影響は,鉄道廃止前の地域特性によって異なる可能性があることが示唆された.

  • 石丸 達也, 喜多 秀行
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1137-I_1146
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    「買物難民」「通院難民」と呼ばれる人々が増加している.生活に必要なサービスを供給する施設の再配置,また拠点間を結ぶ公共交通サービスの計画的な整備はこれらのひとつの解決策であるが,それにより保障される活動機会の大きさを適切に評価するための手法は必ずしも確立されていない.そこで本研究では,生活に必要なサービスを対象に,これらのサービスの多様性の概念に,サービスを獲得できる拠点までのアクセシビリティモデルを組み込むことで,各拠点に持たせるサービス機能とそこへのアクセスのしやすさを同時に考慮しうる活動機会の評価モデルを提案し,実際の地域に構築したモデルを適用し事例分析を行うことでモデルの有用性を検討した.

  • 大矢 周平, 中村 一樹, 板倉 颯
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1147-I_1153
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    自動車依存の限界はより顕著となり,公共交通を中心とした移動を安全で快適に行える都市空間の再整備は急務である.この中で,公共投資が難しい財政制約下では,複数の交通システムを繋ぐネットワーク整備の有効性も求められる.特に,駅周辺の歩行環境の質は,公共交通の利用意向に影響し得る.しかし,複数の交通手段による移動において,手段間の移動の質の相互関係は明らかでない.そこで本研究では,交通手段の組み合わせと移動の質の関係を把握する.まず,交通手段別の移動の質の評価手法について整理する.次に,移動ログデータを収集し,交通手段別に移動の質を評価するアンケートを行う.最後に,交通手段の組み合わせ別に前後の移動の質の評価との関係を分析する.この結果,交通手段の組み合わせにより移動の質の評価が異なることを示した.

  • 澤井 勇人, 喜多 秀行
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1155-I_1170
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    地域公共交通計画は,生活を営む上で最低限必要な移動を地域社会として保障する一種の相互扶助計画であるが,ニーズや効用等の個人間比較ができない情報だけでは誰が相対的に劣悪な環境におかれているかを互いに認識できない.先に著者らは,相対比較が可能な活動機会指標に基づく地域公共交通計画の策定支援手法を構築したが,この手法には,活動機会を維持・拡大するためのサービス拡充に必要な費用負担を考慮していないという課題が残されていた. そこで本研究では,活動機会の拡大という受益とそのための負担の組合せを計画代替案として住民に提示し,公共的判断に基づいて各住民が最も望ましいと考える代替案を選択する,という手法への拡張を行う.現実的な状況を設定して実施したウェブ調査実験を通じ,本手法の有用性を確認することができた.

  • 武藤 慎一, 佐々木 邦明, 小野 裕士, 白石 和也, 渡邊 寛人
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1171-I_1184
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    2027年の品川駅-名古屋駅間のリニア中央新幹線の開通に際し,山梨県には山梨県駅(仮称)が設置される予定である.しかし,現JR甲府駅とは直線距離で6.8kmほど離れており,現在は直通のバス路線もない地域である.そのため,アクセス交通整備が必要である.これに対し,山梨県ではバスによる直行アクセス交通は検討されているものの,経済効果や住民の利便性等を含めた評価がなされていなかった.そこで本研究では,応用一般均衡型都市経済(CGEUE)モデルを用いて,地域住民の利用も考慮に入れたリニア中央新幹線山梨県駅からの多様なアクセス交通整備の経済効果を計測した.その結果,リニア中央新幹線利用者と地域住民の利用による総合的な経済効果の最も高いルート案を提示することができた.

  • Marjan KHALEGHI, Hirokazu KATO, Yuuki OONO
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1185-I_1196
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    In rural areas of Japan, known for depopulation issues, convenient mobility and accessibility depend on private cars. This trend has also been a burden for maintaining public transport, which is also vital for nondrivers like children. Hence, local authorities are taking actions to promote public transport among children, specifically for their non-school trips. However, many factors affect the use/choice of public transport for non-school trips among children, which need to be investigated from children’s perspectives. This study focuses on junior high school students (12-14 years) who are less mobile than high school students in Japan’s rural areas. This research aims to uncover the underlying factors affecting their travel behavior for non-school trips. Nineteen focus group volunteers (1st/2nd grade) were recruited from the two junior high schools of the two distinctive areas of Minamiise town in Mie Prefecture. Interviews were conducted in two groups (nine and ten participants/group). A translator and a Japanese researcher were present in both sessions, and the collected interview contents were analyzed qualitatively. In non-school trips, ‘distance,’ ‘parental influence,’ ‘children’s experience,’ ‘having friends as companions,’ and ‘social support’ seemed to be amongst the most critical factors influencing children’s travel behavior. These factors thoroughly affected self-autonomy and children’s confidence in taking active and public transport modes. Physical characteristics of their living areas, such as safety perception, also appeared to be important in shaping a negative attitude towards walking and cycling. As for public transport, the high cost of trips, non-frequent operation, and individuals’ insufficient knowledge of using the service were some of the underlying barriers. Moreover, the authors found a positive relationship between earlier school ending time and more non-school trips on weekdays. Finally, there was a significant difference in public transport usage for non-school trips between the two town areas.

  • 赤木 大介, 神田 佑亮, 諸星 賢治
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1197-I_1208
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    近年の我が国は,災害時や過疎地等の条件不利環境下における公共交通の運営が課題である.また,様々な移動手段・サービスを合わせて1つの移動サービスとする「Mobility as a Service(MaaS)」という概念が注目されている.このMaaSが,公共交通の課題解決に期待されているが,地域特性や交通データの整備状況等に応じて内容は変えていく必要がある.過疎地は,公共交通のサービス水準が低い,利用者が少ない,公共交通が住民に一般化していない,高齢者が多い等の点を衡量する必要がある.本研究では,過疎地に適したMaaSモデルの構築・実装を行い,利用者の意見から評価を行った.本研究で実装したMaaSは,利用者からの評価は高く,地域活性化の新たな手法を導き,今後の過疎地版MaaSの方向性を示すことができた.

  • 薦田 悟, 尾崎 拍夢, 四辻 裕文, 喜多 秀行
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1209-I_1223
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    公共交通計画の策定支援手法は住民のニーズに着目したものが多いが,公共交通のサービス水準が低い地域では住民が環境に適応し限定的なニーズを形成する認知的適応が生じる可能性があり,ニーズではなく“なにができるか”という活動機会に着目することが重要である.著者らは先に,活動機会に着目した地域公共交通の計画方法論を提案したが,モデルの変数や解が抽象的であり,実用段階には至っていなかった.そこで本研究では,抽象的な概念に留まっていた資源や資源利用能力を入手が容易なオープンデータと対応づけ,「基本的潜在能力の水準」を定めるのみでそれを実現するための計画をGIS上で策定する実用的な手法を再構築した.地点別の活動機会水準をGIS上で視覚化し住民の合意形成に活用するなど,事例分析を通してその有用性を確認した.

  • 中道 久美子, 川崎 智也, 花岡 伸也, 呂 田子, 萩野 保克, 剣持 健, 岡 英紀
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1225-I_1234
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    東京都市圏は日本の産業・経済の中心であり,かつ大消費地でもある.物流施設の立地は物資全体の流れに影響するため,適切な立地誘導の実現が重要である.工場,物流施設,店舗等の施設種類が同じでも,配送先が異なれば,上流・下流といったサプライチェーン上の位置も異なり,立地場所にも影響を与える.本研究では,1) 東京都市圏の物流施設をサプライチェーンの観点から類型化し,その地理的特性の基礎分析を行うこと,2) その結果から説明変数を設定し,サプライチェーン類型別に立地選択分析を行うことを目的とする.分析の結果,サプライチェーン類型によって立地要因に大きな違いがあることが分かった.また,本研究で独自計算した変数「複数配送先の重心への距離」が最も立地に影響を与え,特に工場で配送距離・重量が考慮されるといえる.

  • 柿元 祐史, 中村 英樹
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1235-I_1243
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    我が国の道路ネットワークは概成しつつあるが,本来発揮すべきサービスを十分提供できていない道路も多い.これらの解決には,道路ネットワークの機能的階層化によって各道路が発揮すべきサービス目標を明確にし,実道路の性能との乖離を明らかにすることが必要であると考えらえる.そこで本研究では,実道路の性能照査を行うことを目指し,任意の道路ネットワークの性能目標設定手法を提案することを目的とする.仮想の起点・終点間に,それぞれラインホール,および一般道路を用いる2つの経路を仮定し,ラインホールを用いる経路が最短時間または最小コストとなる道路ネットワークの必要条件を求めた.この必要条件を性能目標として,実道路を対象としたケーススタディにより性能目標を明らかにし,これらと実道路の性能の実態との乖離を明示した.

  • 松本 修一, 本橋 泰樹
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1245-I_1252
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    自動車の「走る,曲がる,止まる」という機能に加えて,自動車の新たな機能の一つとして「繋がる」に注目が集まり,前方の車両をセンシングした運転支援システムの研究が著しい発展を見せている.一方で,これらの研究は高齢ドライバを対象にしたものが少なく,非高齢ドライバと同じように有用性があるという知見が十分得られていない.本研究では,ドライビングシミュレータを用い,非高齢ドライバと高齢ドライバに発進時において加減速情報を提供することの有効性を検証した.その結果,高齢ドライバに加減速情報を提供することで,1)非高齢ドライバよりも高齢ドライバのほうがデータのばらつきが大きい,2)非高齢ドライバ,高齢ドライバ共に発進遅れ時間が減少する,3)高齢ドライバは非高齢ドライバと比べて,情報に対する視認回数が多い傾向にある.

  • 吉田 光太朗, 中西 航, 朝倉 康夫
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1253-I_1261
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    道路線形,通行する車種やドライバーが多様な都市高速道路においては,多様な前方車両への追従挙動が観測されるため,異なる条件下の追従挙動の違いを分析,把握することは重要である.前方車両への追従挙動を分析した既往研究は数多くみられるが,用いられてきた車両軌跡データは取得時間が短いため同一区間内における時間帯別の追従挙動の変化に着目した研究は行われていない.本研究では長時間にわたって時間帯別に取得された車両軌跡データが含まれた Zen-Traffic Data を用いて Newell モデルのパラメータ推定により,時間帯別の追従挙動の差異を調べた.その結果,同区間であっても時間帯ごとに異なる追従挙動が観測されることがわかった.

  • 足立 国大, 鈴木 弘司
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1263-I_1272
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    無信号横断歩道における歩行者事故対策として,二段階横断施設の活用が進められているが,欧米諸国と比べると設置数は少なく,利用実態に関する研究の蓄積は十分とは言えない.本研究では,5か所の二段階横断施設において外部観測調査を行い,車両挙動と横断者挙動について分析を行った.その結果,横断者の待機位置が歩道端より交通島の方が車両の譲り挙動が発生しやすいことが明らかとなった.さらに,施設の設置箇所に着目すると,駅前に設置されている二段階横断施設では,車両の譲り挙動が発生しやすい一方で,自動車交通量が多く,かつ車両速度が高い場合には,車両の譲り挙動が発生しにくいことが明らかとなった.また,駅前に設置されている直線型の二段階横断施設では,横断者の安全確認が不十分で,危険な交錯が存在する可能性が示唆された.

  • 佐藤 公洋, 瀬尾 亨, 布施 孝志
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1273-I_1285
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    交通渋滞を緩和する施策として,1 日の中での交通需要の変動を考慮する動的混雑課金の有用性が提唱されている.また,課金主体と道路利用者間の情報の非対称性に対応するため,Trial-and-error 型の課金額決定手法が提案されている.本研究では,強化学習を用い,様々な環境に対応可能かつ課金額更新を速やかに行う Trial-and-error 型の動的混雑課金手法を構築する.具体的には,複数ボトルネックを有する動的交通ネットワークにおける出発時刻と経路の同時選択問題の時間帯別課金額を Q 学習により最適化する手法を構築した.更に,交通シミュレーションにより,既存研究との比較・環境変化への対応の検証を行った.その結果,時間帯別・ボトルネック別にほぼ独立に課金額を調整する分散制御型手法の有効性が確認された.

  • 齊藤 浅里, 下川 澄雄, 吉岡 慶祐, 花房 比佐友
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1287-I_1295
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    わが国の地方部での人口減少により,地方都市の過疎化や消滅が懸念される中,国土のグランドデザイン 2050 では,生活に必要な機能をコンパクトに集約し,それらを交通や情報のネットワークで連絡する「コンパクト+ネットワーク」の地域形成を提唱している.ここで道路交通でのネットワークを考えると,コンパクトに集約した拠点間をどの程度のサービスで連絡するのかが明らかでなければ,これの実現は困難である.本研究では,実データから明らかとなる現状の都市間サービスを踏まえ,実現可能な目標旅行時間を念頭に分析を行った.その結果,県を形成する都市間では,都市間距離が 50km で目標旅行時間が約 60 分であることを明らかにした.さらに,この目標を達成するために必要な幹線道路の整備量を,簡易なネットワークを用いて試算した.

  • 川崎 洋輔, 梅田 祥吾, 桑原 雅夫, 熊倉 大起, 大畑 長, 田中 淳, 南 航太, 鈴木 裕介
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1297-I_1309
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,状態空間モデルによる事故発生時の交通流率の推定手法を提案する.交通管制では,事故発生時の交通流率を把握することが重要である.首都高速道路では,車両感知器を密に配置しているため,事故発生時の交通流率が把握できる.しかし,全ての車両感知器を維持管理するには,コスト面で課題がある.一方,大量のプローブデータが,取得されており,活用法が模索されている.今後は,プローブデ ータを活用することで,現状の車両感知器を減らし,合理化を図ることが望ましい.しかし,プローブデ ータは,交通量の把握ができない.よって,本研究では,車両感知器,プローブデータおよび variational theory を用いた状態空間モデル (State-Space Model) を構築し,交通流率の推定を試みる.検証の結果,交通流率を精度よく推定することが出来た.

  • 大橋 幸子, 杉山 大祐, 小林 寛
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1311-I_1319
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,歩行者の横断の安全性の確保と車両の速度抑制の双方が望まれる無信号の単路部での活用を目的に,車両の速度を抑制する二段階横断施設の構造を示すこととした.研究では,二段階横断施設の構造のうち,車線のシフト形状と横断歩道部分のハンプ化に着目し,試験用の走路に複数のパターンの二段階横断施設を仮設して走行実験を行った.その結果,シフトを急にした構造は,シフトが急なほど高い速度の走行に対し速度を低下させたこと,低い速度の走行に対して速度変化が見られなかったこと,交通島の見つけやすさや通行位置の点で車線逸脱などの問題につながる変化はないことなどが分かった.また,横断歩道部分をハンプ化した構造は,高い速度での走行に対し大きく速度を低下させたこと,全ての走行で速度が低下したことなどが分かった.

  • 森 俊勝, 溝上 章志, 金森 亮, 松舘 渉
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1321-I_1330
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    近年,採算の見合わないバス路線が減便・廃止され交通不便地帯が増加しており,その対策としてオンデマンド型相乗りタクシーシステムの導入が期待されている.しかし,新しい交通サービス導入時には,対象地域に適したサービス設計検討のために事前の導入効果の評価が重要となる.本研究では,熊本市中心部を対象としてエージェントベースのメソ交通シミュレータとオンデマンド型最適配車・経路探索システムを連携したシミュレーションを行い,現状のタクシー需要を前提とした相乗りタクシーの導入効果を検証した.その結果,相乗り車両台数を増加させることで利用者の目的地到着までの時間が大幅に短縮されたが,車両の稼働率が下がった.この結果から各時間帯の需要を予測し,適切な配車数や相乗り人数の調整が必要であることが示唆された.

  • 濱本 徹, 屋井 鉄雄
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1331-I_1339
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    東日本大震災により運休したJR山田線の宮古~釜石の区間は2019年3月に三陸鉄道に移管された上で復旧した.しかし今後も2019年10月の台風19号のように災害に襲われる可能性があり,さらに沿線人口が減少する中で鉄路を維持するためには三陸鉄道や自治体の努力だけでなく沿線住民がマイレール意識を持ち,鉄道を支える必要がある.そこで本研究ではまず三陸鉄道の将来の経営状況の推定,三陸鉄道に関する報道の分析を行い多面的に三陸鉄道に関する知見を得た.そしてこれを踏まえて三陸鉄道,特に旧山田線区間のマイレール意識をインタビュー調査を通じて把握することを試みた.その結果旧山田線区間の沿線住民は北リアス線の沿線住民に比べてマイレール意識に大きな差はないが,三陸鉄道への意見交換会への参加意向のみは低い傾向にあることがわかった.

  • 瀬藤 乃介, 谷口 綾子, 石田 東生
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1341-I_1351
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,小学校・中学校・高校での通学手段・経験が,大学生の歩行量,様々な交通手段の抑制意図および利用意図・態度に与える影響を計測し,その関係性を明らかにすることを目的に,筑波大学の新入生対象のアンケート調査 (n=1395) を行った.その結果,1) 小学生・中学生の時に徒歩通学をしていた男子大学生の歩行量が多いこと,2) 過去に公共交通による通学を行っていた大学生は公共交通の利用意図が高いこと,等が統計的有意に示された.これにより,過度な自動車依存抑制や歩行量増加による健康増進には,子どもの頃に公共交通や徒歩での移動を習慣付けるための施策が重要である可能性が示唆された.

  • 角力山 柊, 佐藤 智晴, 菊池 輝, 泊 尚志
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1353-I_1360
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    「ながら運転」は運転操作に干渉を引き起こすとされているが,そのメカニズムの解明には未だ至っていない.これまで認知心理学分野では,心的資源の観点から二重課題干渉の説明を試みている.そこで本研究では,まず基礎的な心的資源の配分制御メカニズムについて検討した後,その心的資源の観点から「ながら運転」が運転操作へどのような影響を与えるかを考察し,実際にドライビングシミュレータ実験によって検証を行った.基礎実験は,個々人の持つ心的資源の総量が超過しない場合でも,配分制御が適切に行われなければ,干渉を起こすことを示した.実際の「ながら運転」では,運転と無関係な作業を並行して行った場合に,感覚モダリティに関係なく速度調整への心的資源の分配制御を抑制し,速度維持が困難になると示された.

  • 福山 大地, 田中 伸治, 中村 文彦, 有吉 亮, 三浦 詩乃
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1361-I_1369
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    近年我が国の自転車交通において,走行空間に関しては全国各地で整備が進められるようになったが,信号制御に関しては依然として議論が少ない.これは,複数の信号交差点を相互に連動させる系統制御においても同様である.本研究では,交通管理者が自動車と自転車双方の交通流を考慮した系統制御を行うための知見を得ることを目的とした.スルーバンド幅を用いた理論分析では,双方の速度に応じて双方ともに系統効果が高い系統制御となるための条件式が定まることを示した.交通流シミュレーション活用による実務への適用の検討では,ケーススタディにおいて系統制御方式の異なる複数のケースの結果を比較し,交通流全体で最適となりうる制御方式を示した.以上の 2 つの分析を踏まえ,最後に系統効果に影響を与える種々の要因に関する整理を行った.

  • 梅田 祥吾, 川崎 洋輔, 桑原 雅夫, 飯星 明
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1371-I_1387
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,冬季道路交通における異常事象が交通流に与える影響を小さくすることを目的として,プロ ーブデータと気象データを用いた状態空間モデルによって,異常事象の危険性を評価する手法を提案する.近年,大雪による立ち往生の影響で,道路交通網が長時間に渡って麻痺し,大きな影響を与えている.提案手法は,異常事象が発生する前にその危険性をアラート発信することが出来るため道路管理者の早期対応をサポートできる.具体的には過去のデータから推定する速度分布と状態空間モデルを用いて推定するリアルタイムの速度分布との乖離程度から,異常事象の危険性を逐次評価する手法を構築した.提案手法を実際に立ち往生が発生した際のデータ(56 事例)に適用した結果,多くの場面で異常事象が発生する前に危険性が高かったことを評価できた.

  • 小川 晃平, 福田 大輔
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1389-I_1398
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    センシング技術の発展に伴って多様な交通情報をリアルタイムで収集することが可能となり,それを用いた交通状態短期予測に関する研究が進展しつつある.しかし,観光地を対象とした交通量予測の事例は少なく,オーバーツーリズムの評価等への適用も十分ではない.本研究では,観光地の交通量を高精度予測するために,曜日や季節,天気,イベント情報などの多様な特性を包括的に考慮することが可能な多変量LSTMを用いた学習モデルを構築した.具体的には,鎌倉市中心部を対象に,交通量データ,降水量や社会イベント情報などの複数の入力を学習することで,市内中心部における交通量の60分先予測値を出力した.その結果,繁忙期である6月中旬の交通量予測において,平均絶対誤差率7.03%という比較的高い予測性能を有することが示された.

  • 海野 遥香, 友田 光子, 橋本 成仁
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1399-I_1408
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    我が国における生活道路での交通死亡事故は安定した減少傾向になっておらず,多くの死亡事故は身近な道路で発生している.近年,我が国では生活道路での安全対策を積極的に導入しているが,依然としてその整備水準が低いことから,生活道路での更なる安全対策が必要である.本研究では運転者の止まる意識に着目し,既存の安全対策が運転者の止まる意識に対してどの程度効果があるのかを検証することを目的として調査を行った.安全対策の効果を明らかにしたうえで止まる意識の低い個人特性を把握し,意識の低い人に対して効果的な対策は何かを分析した.その結果,意識の低い人に対しては止まれ標示の強調施策がより効果的であることが分かった.更に止まれ標示の強調方法に着目し,方法の違いによって止まる意識への効果に違いはあるのかを検討した.

  • 白石 直之, 高橋 翔, 萩原 亨, 岡田 稔, 内藤 利幸, 宗広 一徳
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1409-I_1416
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    冬期のSAEレベル2以上の運転支援・自動運転導入にはドライバが危険を感じる走行環境の把握が必要である.本研究では公道において走行調査を行い,カーブ区間に着目し冬期道路環境でACC動作中にドライバがとった危険回避行動(調査参加者:6名)と,そのときの道路線形,路面のすべりやすさ,気象条件について検討した.走行調査の結果から道路線形と路面のすべり抵抗値,走行速度を組み合わせた条件を考え,道路線形が厳しい環境であってもすべり抵抗値が高い環境であればドライバの危険感が減少し,ドライバによる危険回避行動を減らすことができる可能性を明らかにした.また,道路線形が厳しい区間やすべり抵抗値が低い区間ではシステムが予め走行速度を低下させることでドライバに危険感を与えない走行が可能となることを示唆した.

  • 長谷川 正利, 中村 俊之, 粟生 啓之, 鈴村 雅彦, 森川 高行
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1417-I_1427
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    100年に1度のモビリティの大変革期としてCASEやMaaSによる技術開発が進められている.CASEの「S」であたるShare&Serviceは,現状で最も認知度や理解度が高く,普及が積極的に進められている.我が国でも全国各地で,タクシーを複数人でシェアする相乗りタクシーの実証実験が行われている.本研究では,地方都市おける相乗りサービスを享受するであろう利用者を対象に,サービスに対するニーズをアンケート調査を通じて分析した.AHPの分析手法を援用し,年齢層や地域によって求められるサービスの条件が異なること,加齢に伴い自宅までの送迎を重視するようになることを明らかにした.また,系列パターンマイニング手法を適用し,求められるサービスの優先順位の組み合わせについて検討した.

  • 河合 晃太郎, 谷口 綾子, 小西 信義, 宮川 愛由, 佐藤 真人
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1429-I_1439
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    近年,地方の過疎化に伴い,各地において地元店舗の衰退が進んでいる.このような問題に対して,個別的なコミュニケーションを用い,住民の地元店舗での買い物を促す行動変容施策が注目されてきている.本研究では,地元店舗の利用促進に向けたコミュニケーション施策を実施し,その効果検証と,地元店舗利用への意識に影響を与える要因を明らかにすることを目的とし,北海道豊頃町の住民対象のアンケート調査(n=257)を実施した.その結果,1) 買い物行動においてもCAUSEモデルと同様の心理プロセスモデルが存在すること,2) 地域愛着が地元店舗利用への意識にポジティブに作用すること,3) 本コミュニケーション施策による介入が地元店舗利用への意識にポジティブに作用することなどが統計的有意に示された.

  • 石川 翔大, 田中 皓介, 寺部 慎太郎, 柳沼 秀樹
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1441-I_1452
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    近年,全国各地で「地方創生」が叫ばれており東京圏への人口流入の是正を目指し,様々な政策が打ち出されているが,人口流入は是正に至っていない.より抜本的な政策を実施していくには,国民の理解が不可欠であり,本研究では,国民の東京一極集中に対する政策支持意識を理解するために,東京一極集中に対する人々の賛否意識に影響する心理要因を明らかにすることを目的とする.この目的の下,既往研究を踏まえて,全国国民を対象としてwebアンケート調査データ(N = 939)を用いて,人々の賛否意識とその規定因との因果関係を統計的に検証した.その結果,東京一極集中に対する賛否意識を規定する重要な影響要因として,「認知世論」「東京一極集中のメリット/デメリットの認知」「自由競争意識」「居住地」「学歴」が存在することが確認された.

  • 関原 敏裕, 柿元 祐史, 中村 英樹, 井料 美帆
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1453-I_1463
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    わが国の幹線道路では,信号交差点等の影響により旅行速度が依然として低く,本来求められる交通機能が十分に発揮されていない.この問題を解決するため,道路構造や交通運用の差別化を図りトリップの利用特性に応じた道路の役割分担を促す,道路の機能階層化が重要である.本研究では,3階層の道路ネ ットワークにおける道路・交通運用条件が,各階層の利用特性に与える影響を把握する.そして,道路ネ ットワークの機能階層的な利用を表現する指標を設定し,これを用いて道路ネットワークが機能階層的に利用されるための必要条件を検討した.その結果,IC間隔が短いほど階層間の自由速度の差別化が必要となる等,国内で課題となっている中位階層の幹線道路が明示的に利用されるための道路・交通運用条件の範囲を示すことが可能となった.

  • 伊藤 昌毅, 諸星 賢治, 太田 恒平, 森山 昌幸, 神田 佑亮, 藤原 章正
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1465-I_1475
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    2018 年に発生した西日本豪雨の被災地では多くの道路や鉄道が寸断され,住民や訪問者の移動に困難が生じた.バスや鉄道などは運行を確保にできる限りの手を尽くしたが,Web や乗換案内アプリケーションでは正確な案内が出来ておらず,公共交通の利用は困難であった.本論文では,災害時に公共交通情報を地域住民や訪問者に届ける方法を論じ,西日本豪雨における実践を通じて有効性を示す.情報を一箇所に集約することは災害時には現実的ではないため,それぞれの交通事業者が出来る範囲で情報発信を行い,乗換案内などからリンクを張るという自律分散的な情報提供を実現した.時刻表通りの運行が困難な状況で役に立つバス運行実績情報や代行バスの位置情報といったリアルタイム情報を提案手法でまとめ,総合的な交通情報の把握を可能にした.

  • 山田 敏之, 安部 遼祐, 田邉 勝巳
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1477-I_1484
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,近年の東京圏における働き方の変化を踏まえて,働き方が鉄道通勤の時刻選択に与える影響を実証的に分析する.まず,鉄道通勤者を対象に実施したアンケート調査の結果から,行政主体の時差通勤やテレワークを促す取り組みの期間前と期間中における通勤行動や多様な働き方制度の利用状況などを示す.次に,混雑路線の通勤者を対象とした出社時刻選択モデルの推定結果から,時差通勤利用の通勤者は,早出と遅出に分散,フレックス制利用の通勤者は,混雑路線によって傾向が異なることを示す.最後に,このモデルを用いて,鉄道通勤者の多様な働き方の制度利用率が高まると,混雑路線のピーク時の通勤者数は確かに減少するが,制度利用率が現状の2倍でもこの値は最大で3%程度の減少に留まることを示す.

  • Yonas M. EMAGNU, Xin ZHANG, Miho IRYO-ASANO, Hideki NAKAMURA
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1485-I_1495
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    Crossing pedestrians is one of the critical factors in proper estimation of turning vehicle capacities at signalized intersections. Although individual pedestrian walking speeds and consequent pedestrian platoon maneuver are influenced by traffic signal settings, crosswalk length and bidirectional interactions of pedestrian flows, the existing capacity estimation methods of left-turning vehicles did not consider these impacts. This study aims to propose a method to estimate the expected pedestrian presence-time that pedestrian platoon occupies the conflict-area, considering the characteristics of pedestrian platoon maneuvers. Referring to the existing method to estimate time-dependent pedestrian presence probability distributions, this study re-estimated the parameters of the model using the additional database with higher pedestrian demand conditions. The model revealed that the increase of opposing pedestrian flow significantly reduces spatial variation. This model was applied to calculate expected pedestri

  • 鵜飼 健太, 福田 大輔
    2021 年 76 巻 5 号 p. I_1497-I_1506
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

    ドライバーに不完全な交通情報を提供したときにハンチングという交通量の振動現象が生じることが知られている.Iwase et al.1) はこれを回避する情報提供方式である自己実現シグナルの概念を提案した.しかし,単純な解析モデルを用いた考察に留まり,人間が実際にシグナルを受けて経路選択した場合の効果は未知である.本研究では,小規模室内実験を実施して自己実現シグナルによるハンチング抑制の現実的妥当性を検証した.簡単な仮想ネットワークにおける室内実験環境を構築し,被験者が集団で経路選択ゲームを行う実験から得たデータを解析し,部分的ながらもシグナルによるハンチング抑制効果があることを確認した.次に,実験データの代表的な経路選択規範を模擬した数値シミュレーション分析を行い,選択行動とシグナル効果の関係性を明らかにした.

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