地理科学
Online ISSN : 2432-096X
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74 巻, 4 号
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研究ノート
  • ――岩手県立岩泉高等学校小川校の全日制転換を事例として――
    梶田 真
    原稿種別: 研究ノート
    2019 年 74 巻 4 号 p. 201-217
    発行日: 2019/12/28
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    山村における全日制普通高校の設置は,地域子弟の高校皆進学化の実現において重要な役割を果たした。本稿では,岩泉高校小川校を事例として,全日制転換後,子弟の進学行動がどのように変化していったのかを考察した。小川校の全日制転換は,小川地区の子弟の高校進学の道を大きく広げたが,少子化による地元子弟数の減少に加え,小川校以外の高校に進学する傾向が強まっていったことにより,小川校の生徒数は急減し,真っ先に廃校となった。地元での教育機会の創出を地域の発展に結びつけていくことができない点は多くの山村にとって困難な課題であり続けている。

  • ――京阪神大都市圏を事例とした小地域分析――
    郭 凱鴻
    原稿種別: 研究ノート
    2019 年 74 巻 4 号 p. 218-234
    発行日: 2019/12/28
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    2000年代以降の全国の外食産業再編期は,零細な単独店が大幅に減少し,従業者規模(1店舗当たり従業者数)の大きなチェーン店が増加したと考えられる。本研究では,京阪神大都市圏を対象地域として,飲食店の立地特性とその変化の要因を,小地域である 500 mメッシュの店舗数と従業者規模で明らかにした。

    その結果,京阪神大都市圏の郊外では,従業者規模の大きな地域が広範囲にわたるようになった。そして,飲食店の立地が卓越していた中心市では,店舗数が大幅に減少した。また,「店舗数」と「従業者規模」を被説明変数とする負の二項分布回帰分析の結果から,事業所と夜間人口が集中した地域において,飲食店の店舗数が多くなるが,これらの地域での飲食店の従業者規模は必ずしも拡大するとはいえない。これに対し,再編期の主要商業集積地における従業者規模の拡大傾向は,複数の駅がある地域と大規模なSCで認められた。これは,複数の駅がある地域での単独店が多く減少し,大規模なSCの出店によるチェーン店が増加したためと推測される。

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