日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
12 巻 , 3 号
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
総説
  • 杉原 厚吉
    2008 年 12 巻 3 号 p. 173-177
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    学術雑誌に投稿された論文の査読・編集のあり方を反省し,スムーズな査読を実現するために何ができるかを考える.学会が発行する論文誌は,読者に対しては,新しい研究成果や分野の動向を知らせる役割をもち,著者に対しては,研究成果の発表の場を提供する役割をもつ.したがって,査読・編集作業は,有用な研究成果を,できるだけたくさん,できるだけ早く掲載することを目指すべきである.この原則に立って眺めたとき,査読者・編集者のすべきこと,してはいけないことが見えてくる.たとえば,掲載に値するか否かは,投稿された論文の現在の形そのものに対して判断すべきであって,その論文をより良くするための助言は,あくまでも査読のついでに得られた参考意見として扱うべきであるなどである.

    このような観点から,査読者と編集者それぞれのあり方を整理するとともに,スムーズな査読へ向けての少し大胆なアイデアも提案する.

原著
  • 千葉 由美, 市村 久美子
    2008 年 12 巻 3 号 p. 178-186
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究では,摂食・嚥下障害看護に対して認定看護師と看護師が行っている実践についてアンケート調査し,比較・検討することを目的とした.

    【対象】対象は,2007年に実施の国内某学会主催による看護職集会への自由参加者である.総数156名分配布し,回収された64名分を解析した.

    【方法】参加者に対し自記式質問用紙(無記名)を集会開始前に配布し,調査主旨を説明した上で,任意で回答を得た.集会の終了時に指定の場所に提出してもらった.調査内容は対象者の基本属性,摂食・嚥下障害患者への関わりの有無,多職種との連携,栄養サポートチームへの参加,口腔ケアの実施状況,摂食・嚥下障害に関する観察・評価の実施,学習ニーズや希望などであった.認定看護師資格の有無2群(認定あり群,認定なし群)と各調査項目をχ2検定にて比較検討した.統計ソフトはSPSSver14.0を使用した.

    【結果】回答者の性別は女性63名(98.4%)で,平均年齢は38.1±8.2歳,平均勤務年数は13.6±7.2年であった.認定看護師の“認定あり群”14名 (21.9%),“認定なし群”50名 (78.1%) であった.両群で比較し,“認定あり群”で有意に回答率が高かった項目は,摂食・嚥下障害患者の年齢層で「青年期」,全身所見の「低栄養」「浮腫」のほか,先行期の「視覚・聴覚」,準備期・口腔期の「味覚・嗅覚」「口唇の開閉」「咀嚼運動」「唾液分泌」「舌運動機能」「口唇音」「舌尖音」「奥舌音」「顔面神経の所見」「顎関節」「舌咽・舌下・迷走神経の所見」「裏声」「PAP,PLP適応」の13項目,咽頭期の「嚥下時間」「甲状軟骨挙上距離,時間,ピッチ」「顎の前方運動」となっていた.学習の必要性は,「すこし感じる」「かなり感じる」が全体で95%以上と高かった.

    【考察】摂食・嚥下障害看護は,認定の資格の有無に関係なく看護師もベッドサイドで必要となる技術が多い.観察や評価の実施率の違いは,これまでに受けた実践の教育が影響していたと思われる,摂食・嚥下障害看護は,今後の現任教育の課題のひとつであると考えられた.

  • ―嚥下障害患者への臨床応用の可能性―
    浦上 祐司, 後藤 義朗, 生駒 一憲
    2008 年 12 巻 3 号 p. 187-196
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】摂食・嚥下障害の評価として嚥下造影(VF)・嚥下内視鏡が汎用されているが放射線被曝や機器がないといった点等で普及しているとは言いがたい.そこで我々は嚥下音を基礎としその波形を画像化し評価するVideo Sound Image法(以下VS)を考案しその臨床応用の可能性を検討した.

    【対象・方法】健常成人男性の輪状軟骨気管直下気管外側付近に加速度トランスデューサーを設置し汎用超音波診断装置で波形を表示させデジタル記録し,同時にVF・VSのモニター画像をDVカメラで撮影した.嚥下試料は30%希釈硫酸バリウム液の他,ゼリー,トロミ水,米飯等,各種食物形態を使用した.また,空嚥下・喉頭挙上を保持した嚥下等を行った.VSとVFの画像を比較しながら食塊の位置と波形の出現について検討し,波形の面積Aを持続時間 t で除したA/t,およびその変動係数を求めた.

    【結果】VS波形は3つの波形群(Sa,Sb,Sc)が観察され,VS・VFの同時観察によりSaは口腔~喉頭蓋谷,Sbは喉頭蓋谷~食道入口部,Scは食道入口部を通過した直後にほぼ一致して出現していた.波形の由来についてはScは喉頭下降音の一部を成すことが示唆された.A/tについて比較したところ,Sbについてはいずれの食物形態においてもSa・Scよりも大きな値を示した,A/tの変動係数はSa・Scにくらべ,Sbが小さい傾向にあった.

    【考察】VS波形には再現性があり,嚥下動態を反映していると思われ,A/tの変動係数を求めることでVS波形の評価が可能になる可能性が示唆された.今後簡便で放射線被曝がない新しい摂食・嚥下障害の評価として期待される.

  • ―液体に添加する場合―
    出戸 綾子, 江頭 文江, 栢下 淳
    2008 年 12 巻 3 号 p. 197-206
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    嚥下障害者にとって水やお茶などの液体は,むせやすく誤嚥しゃすい食品であるが,脱水を予防するためには積極的な水分補給を行う必要がある1-4).液体によるむせや誤嚥を防ぐ方法の1つとして,とろみ調整食品を添加し,液体の物性を変化させる方法がある1,2,4).とろみ調整食品の数は,数十種類にも及び医療従事者や介護者は,何を基準に選んだらよいのか分からない.また,その適正な添加量や物性について検討した報告も少ない.

    そこで,現在主流となっている5-8)キサンタンガム系のとろみ調整食品10製品を水に添加し,かたさ,付着性,凝集性を測定し比較した.その結果,製品間で物性が異なった.物性が異なる要因の1つとして,とろみ調整食品溶解時にできるダマの有無が影響する可能性が示唆された.

    さらに,とろみ調整食品1種類を用いて,若年者と高齢者を対象に官能評価を行い,飲み込みやすい物性について検討した.その結果,液体にとろみづけを行う場合,とろみ調製食品添加濃度0.5~1.0%前後(かたさ115~128N/m2)に適正な物性が存在することが示唆された.また,25%以上添加すると10製品中7製品以上の製品においてべたつきが気になり飲み込みにくくなる物性(かたさ197N/m2以上)に達した.

  • ―頚部・体幹・下肢の姿勢設定における嚥下機能の変化―
    田上 裕記, 太田 清人, 小久保 晃, 南谷 さつき, 金田 嘉清
    2008 年 12 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    姿勢の変化が嚥下機能に及ぼす影響について検討した.対象は,健常成人21名(平均年齢:30.6±9.7歳)とした.研究の説明を十分に行い,同意を得た上で検査を行った.方法は,背もたれのない坐位をとり,頚部は制限せず自由とし,4つの姿勢条件を設定した.①姿勢(a):股屈曲90度,膝屈曲90度, ②姿勢(b):股屈曲135度,膝屈曲90度,③姿勢(c):股屈曲90度,膝屈曲0度(長坐位),④姿勢(d):両下肢挙上位,以上の姿勢条件にて,嚥下造影検査(以下,VF検査)および反復唾液嚥下テスト(以下,RSST)を行った.VF検査は,70%希釈バリウム液15ml を各姿勢にて,合図とともに随意嚥下させ,咽頭通過時間をLogemannの測定法に準じ測定した.同様の姿勢条件にてRSSTを施行し,触診法にて嚥下回数を測定した.尚,統計処理は,一元配置分散分析,Tukeyの多重比較検定にて検討した.結果は,VF検査,RSSTのいずれも一元配置分散分析において有意差が認められた (p<0.05).各群間の比較ではVF検査についてみると,姿勢(a)の咽頭通過時間は,姿勢(b)の咽頭通過時間と比較し有意な差はみられなかったものの,姿勢(c)(p<0.05)および姿勢(d)(p<0.01)の咽頭通過時間と比較し,それぞれ有意に低値を示した.また,姿勢(b)の咽頭通過時間は,姿勢(c)の咽頭通過時間と比較し有意な低値を示した (p<0.05).RSSTは,VF検査とほぼ同様の結果が得られた.摂食・嚥下障害に対し,下肢の肢位に関する報告は少ない.嚥下運動は,筋収縮を伴う一連の全身運動であり,頚・体幹・下肢のポジショニングによって嚥下に関与する筋の効率が変化する.以上の結果より,下肢を含めた姿勢の変化が嚥下機能に影響を及ぼしたことが推測された.頚部・体幹・四肢の相互関係を考慮した姿勢設定の重要性が示唆された.

  • 大岡 貴史, 拝野 俊之, 久保田 悠, 横山 重幸, 弘中 祥司, 向井 美惠
    2008 年 12 巻 3 号 p. 214-222
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究では,離乳期以前から離乳完了までの期間に経口摂取を一切行わない動物が通常の離乳を経た場合と同等の成長発達を得られる動物実験モデルの確立を目的とし,手術侵襲の軽減を図った胃瘻造設術の考案および経管栄養ラットの発育について観察・検討を行った.

    【方法】Sprague-Dawley(以下,SDと記す)ラットについて,生後7日(P7),P9,P11の時点で胃瘻造設を行った(各群N=6).胃瘻造設ラットはラット用ミルクの注入のみでP21まで飼育し,経口摂取は行わせなかった.実験期間を通してラットの体重測定し,P21においては安楽死させたラットの体長,頭部最大幅径,肝重量比(肝重量/体重)を計測した.

    【結果・考察】P21の時点では体重,体長および頭部最大幅径に関しては対照群のSDラットと同等の数値を示し,有意差はみられなかった.肝重量比については,胃瘻造設術後に早期から一定のラット用ミルクを注入したP9およびP11にて胃瘻造設を行った群のラットでは対照群よりも有意に高い値を示した,

    【結論】本術式および飼育方法は対照群とほぼ同等の発育が可能であり,離乳期における人工・経管栄養の研究モデルとして有用である可能性が示唆された.

  • 河﨑 寛孝, 本村 千春, 山田 理恵子, 藤田 聡美, 飯田 英子, 坪川 操, 山口 昌夫
    2008 年 12 巻 3 号 p. 223-232
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】摂食・嚥下障害患者の咽頭残留に対しては,窒息・肺炎等のリスクを軽減する為,さまざまな除去法を用いるがその効果を確認した報告は少ない.今回,市販の嚥下困難者用ゼリー(エンゲリード®アップルゼリー)を用いた交互嚥下を嚥下造影検査時に実施し,咽頭残留の除去効果について検討した.

    【対象と方法】対象は,粘度の異なる3種類の模擬食品(ハチミツ状,ヨーグルト状.液状)のうち,1種類以上で咽頭残留を認め,本ゼリーを摂取し交互嚥下を行った摂食・嚥下障害患者とした.咽頭残留除去効果は,模擬食品毎に,本ゼリー摂取前後の喉頭蓋谷,梨状窩残留の程度を,4段階スコア(多量残留,少量残留,付着残留,なし)にて,評価した.

    【結果】試験を実施した症例は28例であった(平均年齢:73.2歳,原因疾患:脳梗塞15例,脳出血7例,誤嚥性肺炎4例,その他2例). 模擬食品が大量残留し,梨状窩からの誤嚥が続いたため,試験を中止した症例が1例あった.本ゼリー摂取後,全ての模擬食品にて,喉頭蓋谷残留に対しては,60%~72%,梨状窩残留に対しては,75%~100%の症例で残留スコアの改善が得られ,統計学的有意差が認められた(Wilcoxon signed-rank test). 本ゼリーが原因と考えられる,むせ・湿性嗄声・酸素飽和度低下・発熱などの有害事象は発現せず,臨床上問題となる事例はなかった.

    【考察】本ゼリーを用いた交互嚥下は,粘度の異なる3種の模擬食品すべてにおいて,喉頭蓋谷および梨状窩残留の除去に高い効果を示した.このことから,本ゼリーを用いた交互嚥下は,多様な粘度をもつ嚥下調整食品の経口摂取によって生じる,咽頭残留の危険性を軽減する方法として有用であることが示唆された.

短報
  • 山田 香織, 小口 和代, 才藤 栄一, 沢田 光思郎
    2008 年 12 巻 3 号 p. 233-239
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    急性期総合病院において,2006年4月~10月に施行した嚥下内視鏡検査(VE:Video Endoscopic evaluation of swallowing)を調査した.VE総施行数は172件,133名,平均年齢75.3歳(26–96歳),入院主病名は脳卒中が57名(42.8%)で最多,次に肺炎が多かった.初回VE目的は「直接訓練の適応判定」が66.2%で最も多かった.VE施行症例数の多かった脳卒中と肺炎は,初回VEを中心にその特徴を分析した.

    脳卒中群では,発症から初回VEまでの期間は中央値23日,初回VE目的は「直接訓練の適応判定」が78.9%であり,脳卒中群以外に比し有意に高かった (χ2検定 p<0.05).初回VE前後の食事変化は,VE前が絶飲食,VE後に直接訓練となった者が最多であった.

    肺炎群(1.入院主病1名が肺炎,2.肺炎,脳卒中以外の疾患で入院し,初回VEまでの2ヶ月以内に肺炎を発症した者)は38名,平均年齢は80.4歳,肺炎群以外に比し年齢は有意に高かった (t検定 p<0.05).既往に脳卒中が52.6%,肺炎が28.9%にみられた.初回VE前後の食事変化は,VE前後共に絶飲食に留まる者が最多であった.

    VE後一定期間の発熱者は肺炎群で多く,特に唾液誤嚥疑いの絶飲食例に多くみられた.肺炎群の発熱例は年齢も非常に高く,脳卒中や肺炎の既往が多かった.脳卒中群では直接訓練者に発熱が多かった.直接訓練以上での発熱ではVE再検査や嚥下造影の併用も重要と思われる.

    肺炎で入院し,既往に脳卒中や肺炎がある場合は,重度の嚥下障害が多かったため,このような症例には初期より慎重に対応する必要がある.経口摂取の安全性の確認や嚥下訓練を進める上で,検査室確保がいらないVEは,移動困難例が多い急性期病院では非常に有用であった.

  • 岡田 澄子, 才藤 栄一, 重田 律子
    2008 年 12 巻 3 号 p. 240-246
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】嚥下機能障害の程度と実際の摂食状態が一致しない高齢摂食・嚥下障害症例を経験することは多い.今回,嚥下機能障害が軽度にも関わらずST初診時に経管栄養または点滴により栄養を摂取していた高齢患者について,初診時所見と摂食・嚥下訓練の経過を後方視的に調査し,高齢患者の諸特徴と摂食・嚥下リハビリテーションの帰結との関係を検討した.

    【方法】対象は,初診時に1)65歳以上,2)脳卒中慢性期,3)非経口,4)嚥下機能障害が軽度であり,かつ直接訓練の開始が可能であった30名.退院時に補助栄養手段が不要となった「良好群」,補助栄養手段を必要とした「不良群」に分類し,初診時の全身状態,肺炎の既往,活動状態,精神状態,意欲,訓練経過所見として発熱回数と1食あたりの摂取量変化を比較した.

    【結果】良好群20名,不良群10名であった.発症後期間は良好群で長かった.活動状態は2名が準寝たきり,他は全て寝たきり状態,精神状態は27/30名で認知症であり,両群で差を認めなかった.意欲は不良群で有意に低かった.認知症重度でかつ意欲低下重度の場合でも半数は経口摂取を再獲得できていた.訓練経過をみると良好群では15名(75%)が10日以内に摂取量の目標値に到達したのに対し,不良群では到達したものはなかった.発熱回数は不良群でやや多い傾向であったが有意な差はなかった.

    【考察】嚥下機能に比し摂食状態が不良な高齢患者は,寝たきり状況にあり,認知症を伴っていて,低意欲であった.こうした状態であっても2/3の患者で経口摂取の再獲得が可能であり,摂食・嚥下訓練の意義は大きいと考えられた.一方,不良群では全例に重度な意欲低下があり,直接訓練を実施しても摂取量の増加が見られなかった.易感染性に十分配慮しながら10日程度の直接訓練試行を行うことで栄養摂取方法や訓練方針決定の手がかりが得られると考えられた.

  • ―初診時の実態―
    髙橋 摩理, 萩原 聡, 日原 信彦, 向井 美惠
    2008 年 12 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    2003年9月から2006年12月までの2年3ヵ月間の地域療育センター新患患児1258名のうち,摂食・嚥下外来を受診した小児72名の実態調査を行った.

    初診時年齢は1歳代が26名と最も多く,ついで2歳代が19名と多かった.センター診療各科から摂食・嚥下外来への紹介患児の割合は5.7%であった.リハビリテーション科からの紹介は新患患児の44.9%を占め,リハビリテーション科における摂食機能療法の需要の高さが伺われた.

    対象児の原疾患は脳性麻痺など脳原生運動疾患の小児が半数以上を占め,運動障害を伴わない精神発達遅滞は8名であった.粗大運動発達は未定頸が最も多く,摂食・嚥下機能評価結果は嚥下機能獲得不全・捕食機能獲得不全が多かった.

    対象児の粗大運動発達と摂食・嚥下機能との関連では,粗大運動発達が未熟な小児は摂食・嚥下機能も未熟であった.このことより,小児の摂食・嚥下機能の向上には全身状態を把握し粗大運動の発達を促すとともに,安定した姿勢で摂食が行えるように椅子や介助法の工夫を行い,指導する必要性が示唆された.

    対象児の摂食・嚥下機能と日常摂取している食物形態の関連では,獲得している摂食・嚥下機能では処理困難な食物形態を摂取している小児が多く,保護者に小児の口腔機能を認識してもらい,機能に適した食物形態の指導の必要性が提示された.

    今回の結果から,小児の摂食・嚥下機能の発達を促すためには様々なアプローチの必要性が示唆された.地域療育センターは診療だけでなく,訓練,通園療育なども行っている.包括的な摂食機能療法を行うためには,多職種が専門性を生かして連携が可能な地域療育センターの機能が重要と思われる.

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