発色剤を添加していないロースハムスライスの表面に発生した黄色スポットから, 乳酸球菌と乳酸桿菌が優勢に分離された.
これらの球菌127株と桿菌74株を, 新鮮な無添加ロースハムに塗抹し, 4℃および20℃に置いたところ, 球菌34株で黄変が認められた.したがってこれらの乳酸球菌が, ハムの黄変に密接に関与していると推測された.
黄変乳酸球菌34株と非黄変乳酸菌11株を同定したところ, すべて
Leuconostoc属であり, 大多数が4℃で発育した.また, アミグダリンとマンニットの分解能の違いからA, B, Cの3群に分類された.
Leuconostoc B群は,
L. pseudomesenteroides JCM 9696
Tと糖分解の性状が一致した.黄変株27株と非黄変株2株がB群に属した.
Leuconostoc A群はアミグダリンを分解し, 黄変株6株と非黄変株一株が含まれた.
Leuconostoc属C群はアミグダリンを分解し, マンニットを分解しなかった.そして黄変株一株と, 非黄変株8株がこれに属した.
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