日本食品微生物学会雑誌
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13 巻, 4 号
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  • 宇田川 俊一
    1997 年 13 巻 4 号 p. 151-157
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
  • 鮫島 隆, 竹下 和子, 三木 為雄, 有原 圭三, 伊藤 良, 近藤 洋
    1997 年 13 巻 4 号 p. 159-164
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    食肉製品の変敗・酸敗原因菌として分離された乳酸菌3株 (L. viridescens PSC-Y510101, L. mesenteroides PSC-Y539901, E. faecalis PSC-Y520101) に対する亜硝酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウムの影響について, ソーセージの系で調査した.その成績は以下のとおりであった.
    1. 食肉製品中での乳酸菌の増殖速度は, 亜硝酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウムを含まない系ではL. mesenteroidesが最も速く, 10℃ で9日目に生菌数は9.1×105cfu/gとなった.また, L. viridescensE. faecalisは, 保存9日目の生菌数はそれぞれ1.7×105 cfu/g, 7.4×104 cfu/gであった.
    2. 亜硝酸ナトリウムを200ppm添加すると, いずれの乳酸菌も増殖は遅れ, 1.0×105 cfu/gオーダーに達するまでの期間は, 添加しないものに比べてL. viridescensでは9日, L. mesenteroidesでは4日, E. faecalisでは15日延長した.
    3. 乳酸ナトリウムの添加量の増加に伴い, いずれの乳酸菌の増殖も遅くなり, L. viridescensとL. mesenteroidesの生菌数が1.0×105 cfu/gオーダーに達するまでの期間は添加しないものに比べて, 1%の添加で2~3日, 2%では8~9日延長された.一方, E. faecalisは1%の添加でも30日目になっても1.2×104 cfu/gであり, 2%の添加では30日間生菌数の増加は認められなかった.
    4. 亜硝酸ナトリウムと乳酸ナトリウムを併用した場合には2%乳酸ナトリウム添加で
    L. viridescensおよびL. mesenteroidesの生菌数の増加が顕著に遅れた. E. faecalisは, 乳酸ナトリウムの1%添加で30日間保存しても生菌数は1.8×102 cfu/gであった.
    5.供試したソーセージの残存亜硝酸根は42.3~46.2ppmであった.また, 乳酸ナトリウム含量は1%添加区で0.95~0.96%, 2%添加区で1.94~1.97%であり, pHは5.69~5.72であった.
  • 小原 直弘, 鈴木 正人, 岡田 早苗, 内村 泰, 小崎 道雄, 駒形 和男
    1997 年 13 巻 4 号 p. 165-171
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    グルジア由来の凍結乾燥ケフィア粒およびそれを用いて調製したケフィアから乳酸菌の分離を行い, それぞれの乳酸菌叢を検討した.その結果は以下のとおりであった.
    1.総計103株の分離株から選択した7代表株は, それぞれW. confusa, L .kefirおよびL. kefiranofaciensと同定された.L. kefiranofaciensと同定された4株の内3株は, 多糖産生能が無く, 表現形質からはL. acidophilus (GKL5, GKL7) およびL. delbrueckii subsp.lactis (GKL9) と同定されるべき性質であった.
    2.W. confnsa (GKL1) はケフィア中で優勢であったにもかかわらず, ケフィア粒からは1株も分離されなかった.また乳酸球菌はいずれの試料からも分離されなかったことと合わせ, 凍結乾燥前のケフィア粒の培養条件から乳酸球菌が淘汰され, その空白に混入した生育の早いW. confusaが乳中で優勢を占めたと推定した.
    3.ホモ発酵桿菌L. kefirgranumおよびヘテロ発酵桿菌L. parakefirが分離されなかったことから, ケフィア粒により, その構成微生物叢に差異があることが認められた.
    4.ケフィア粒より分離されているL. acidophilusおよびL. bulgaricusなどのThermobacteriumに属する菌種はL. kefiranofaciensの多糖非産生変異株またはL. kefirgranumに整理される可能性が認められた.
  • 工程管理手段としての洗浄度管理指標について
    沼間 雅之, 宮崎 雅雄, 梅原 健治, 倉田 浩
    1997 年 13 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    食品製造工程上の汚れ (主に残留蛋白質) を検出する洗浄度判定キットを用い, 各種食品の検出感度, 牛乳濃度と大腸菌数の増殖経時変化を調べた.フキトリマスターを用いると牛乳ではおよそ80mg/m2, 脱脂粉乳では2mg/m2, 固形チキンコンソメでは20mg/m2, 卵白においては4.2mg/m2の汚れ量の検出が可能であった.これは目視観察できる汚れ量のおよそ1/3から1/400であった.分光光度計を併用すればさらに検出感度は向上することがわかった.一方, 大腸菌はわずかな栄養源の存在下でも増殖する可能性が示唆された.すなわち菌が増殖するレベルまで汚れの残存 (清浄度) を管理するためには, 目視観察による判定では管理不十分と考えられた.
    以上の成績から, 製造工程の自主衛生管理のための洗浄度モニタリグの極めて有効な手法の一つとして市販の洗浄度判定キット (フキトリマスター: コニカ) の使用を提案する.
  • 神保 勝彦, 平井 昭彦, 仲真 晶子, 小久保 彌太郎
    1997 年 13 巻 4 号 p. 179-184
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    畜水産食品中の残留抗生物質改訂簡易検査法の検出感度, 特にAG系とPE系抗生物質に対する検出感度を高くする目的で, 試験菌および検査用平板培地について検討した.
    1) 試験菌の感受性は, AG系抗生物質に対してはB. megateriumB. subtilis, PE系およびTC系抗生物質に対してはB. mycoides, ML系およびPC系抗生物質に対してはM. luteusが高い感受性を示した.
    2) AG系抗生物質に対してはB. subtilisの二層平板培地, PE系およびTC系抗生物質に対してはB. mycoidesの二層平板培地, ML系およびPC系抗生物質に対してはM. luteusの二層平板培地がそれらの単層平板培
    2) AG系抗生物質に対してはB. subtilisの二層平板培地, PE系およびTC系抗生物質に対してはB. mycoidesの二層平板培地, ML系およびPC系抗生物質に対しては
    M. luteusの二層平板培地がそれらの単層平板培地より高い感受性を示した.
    3) 抗生物質を添加した食肉からの検出は, AG系, PE系およびPC系抗生物質では二層平板培地による新簡易検査法が改訂簡易検査法に比べて約2倍高い検出感度を示した.しかし, TC系およびML系抗生物質に対しては両者の差は認められなかった.
  • 特集
    1997 年 13 巻 4 号 p. 185-219
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
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