知能と情報
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22 巻, 3 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
目次
巻頭言
特集:「交渉と合意形成」
解説
解説
報告
書評
用語解説
一般論文
原著論文
  • 市橋 秀友, 野津 亮, 本多 克宏
    2010 年 22 巻 3 号 p. 358-367
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    ファジィc平均法は適当な目的関数を設定してそれを最小化することでデータ集合を複数のクラスターに分割する方法である.したがって,最適化するための簡単なアルゴリズムが導出できるような目的関数を工夫することが重要である.その一つとして,正則化(ファジィ化)のために目的関数にエントロピー項を追加する方法が宮本により提案されている.我々はエントロピー項に対してK-L情報量の項と共分散行列の行列式の項を目的関数に追加することで,ガウス混合モデルと類似のアルゴリズムを提案している.K-L情報量の項から逆にエントロピー項を削除してメンバシップ値について線形化すれば,最適解は端点に得られる.このことから,宮本は楕円状のクラスターを得るためのハードクラスタリング法を提案している.本論文では,さらにメンバシップ値を区間 [a b] に制約することでセミハードクラスタリングのアルゴリズムを提案する.そしてクラスタリング結果を識別器に用いてその性能をベンチマークデータで比較する.識別器には,K-L情報量正則化FCM法や修正FCM法を考慮して,標準ファジィc平均法の目的関数に定数を加え,そこから導かれるメンバシップ関数にセミハードクラスタリングでの共分散行列を用いる.識別性能を最適化するためのパラメータ探索には粒子群最適化法(PSO)を用いる.提案識別器の識別精度はSVMにほぼ等しく,k-NNに比べて優れた結果が得られた.
  • 友部 博教, 中村 嘉志, 沼 晃介, 須永 剛司, 西村 拓一
    2010 年 22 巻 3 号 p. 368-376
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    実世界に人々が集まり議論や創造的活動をするワークショップでは,活動プロセスの詳細を参加者や主催者にフィードバックし,自己や活動全体のリフレクション(振り返り)を誘発することが重要であると考える.そこで本論文では,ワークショップにおける活動を,時間配置と構造配置による表現を融合することによりリフレクションを支援する仕組み“ワークショップリフレクター”を提案する.ワークショップ中に記録した写真やビデオを時間配置で表現する“タイムラインリフレクター”と,ワークショップ中のイベントをカードとして表現し構造配置する“カードリフレクター”を開発した.そして,ワークショップ中に記録したデータをタイムライン上でリフレクションしながらイベントを切り出し,切り出したイベントをカードとして2次元上に構造的に配置していくことで,活動プロセスをリフレクションする仕組みを実現した.また,評価実験により時間配置による表現と構造配置による表現のリフレクションの効果を比較した.その結果,活動プロセスの変遷のような時間的な変遷を捉える場合には時間的配置による表現が効果的であり,活動プロセスの関係性や構造化を振り返る場合には構造的配置が効果的であることがわかった.
  • 打田 裕樹, 吉川 大弘, 古橋 武, 平尾 英司, 井口 浩人
    2010 年 22 巻 3 号 p. 377-389
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    近年,インターネットの普及を背景に,ブログやレビューなど,Web上で個人の日記や意見を気軽に書き込むことができる環境が整ってきている.本研究では,このように個人が発信するWeb上での自由記述情報を用いることで,製品などに対する評価解析を行うためのシステム構築を目指す.従来の評価解析システムでも評価表現の抽出や呈示がなされているが,個々の製品に対しての評価表現を把握することが目的であり,製品間の評価の比較や同製品での評価の時系列変化を把握する上では,不十分であると考えられる.本システムでは,MDSによりユーザレビュー間の関係性を把握した上で,文章中の語句どうしの関係を可視化するテキストマイニング手法HK Graphを用いて,ユーザが興味を持った対象商品に対するレビュー内容の視覚的な把握支援を行う.本論文では,Webユーザレビューから抽出された評価語句に基づいて,レビューにおける評価内容の時系列変化・類似性を視覚的に把握する手法を提案する.
  • Jun YONEYAMA
    2010 年 22 巻 3 号 p. 390-395
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    This paper is concerned with output feedback control design for a fuzzy system with immeasurable premise variables. It is well known that Takagi-Sugeno fuzzy model describes a wide class of nonlinear systems especially when its premise variables include immeasurable functions. However, when it comes to control design of such a fuzzy system with immeasurable premise variables, a conventional parallel distributed compensator (PDC) is not feasible because it shares the same premise variables as those of a fuzzy system. In this paper, we introduce an output feedback controller with the estimate of the premise variables of an original fuzzy system. We then formulate the stabilization problem for a fuzzy system with immeasurable premise variables. Our control design method is based on a set of strict LMI conditions. No tuning parameter is necessary a priori to solve LMI conditions. Our method includes tuning matrices for control gains in a controller and hence they can be chosen to optimize the control performance of the system. Numerical examples are finally given to illustrate our control design method.
  • 矢野 均
    2010 年 22 巻 3 号 p. 396-403
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    本論文では,階層構造を有する複数の意思決定者がそれぞれ多目的線形関数を持つ階層的多目的線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定手法を提案する.提案手法では,多目的計画問題に対するパレート最適解の一般化概念であるΛ極点を用いて,一般化Λ極点を定義する.各意思決定者がそれぞれ階層構造における優位性を表す決定力係数を設定すると同時に,各意思決定者のメンバシップ関数間のバランスを表す基準メンバシップ値を設定すれば,対応する満足解候補が一般化Λ極点集合の中から求められる.同時に得られるトレードオフ比の情報を参考にして,決定力係数や基準メンバシップ値を逐次更新することにより,最終的に,各意思決定者の階層構造のみならず意思決定者の選好を反映した満足解が導出される.提案する対話型アルゴリズムの妥当性を検討するために,仮想的な二人の意思決定者が含まれる階層的2目的線形計画問題に適用する.
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