知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
32 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
目次
巻頭言
特集:「人計測がもたらすしなやかな知能」
特集解説
一般解説
書  評
用語解説
会  告
学会から
編集後記
特集論文:人計測がもたらすしなやかな知能
ショートノート
  • 伊東 嗣功, 鈴木 亜暉仁, 石井 雅樹, 堂坂 浩二
    原稿種別: ショートノート
    2020 年 32 巻 2 号 p. 663-667
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル フリー

    脳波計測デバイスの小型化により,日常生活中の脳波計測による脳疾患の早期発見,注意散漫状態の早期検出も可能になりつつある.しかしながら,実際にウェアラブル脳波計測デバイスを利用した研究報告は近年増加してきているが,ウェアラブル脳波計測デバイスによる視覚的注意に関する研究報告は少ない.そこで本研究では,ウェアラブル脳波計測デバイスを用いて,提示画像に注意が向けられた際のデフォルトモードネットワークとα波の事象関連脱同期の関係性を解析した.実験参加者の安静状態と画像提示中のα波スペクトルを比較すると,安静状態よりも画像提示時にスペクトルの減少が確認された.α波スペクトルの減少は提示画像に注意が向けられた際に発現する事象関連脱同期と考えられる.さらに,安静状態と画像提示中の結合状態を算出した所,画像提示中の結合マップは安静状態と比較して前頭部と後頭部間の電極間で相関値が小さくなる傾向を示した.これはデフォルトモードネットワークの賦活状況を反映した外側側頭部の相関値の変化を捉えたと考えられる.

一般論文
原著論文
  • 澤崎 夏希, 遠藤 聡志, 當間 愛晃, 山田 孝治, 赤嶺 有平
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 32 巻 2 号 p. 668-677
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル フリー

    深層学習によって様々な分類問題が解決されているが,分類カテゴリ毎のデータ量が不均衡な問題を扱う場合,多くの課題がある.不均衡データへの対策として,少量カテゴリのデータ量を増加させ均衡化する手法がある.これをかさ増しと呼び画像処理分野ではノイズの付与や回転による方法が一般的である.最近ではGenerative Adversarial Network: GANによる画像生成手法を用いる場合がある.一方で,自然言語処理の分野では有効なかさ増し手法はいまだ確立されておらず,人手によるかさ増しが行われている.人手によるかさ増しではルールの設計など負担が大きく,機械的なかさ増し手法が必要となる.しかし,文章生成における機械的なかさ増しは画像生成に比べ不安定である.これは文章の特徴獲得の難しさが原因だと考えられる.そこで本論文ではグラフ情報に注目した機械学習による文章生成手法を提案する.CaboChaによって生成されたグラフ情報をGraph Convolutionにより畳み込み処理する.提案するGANにより生成されたかさ増し文章を3つの計算実験により評価し有効性を示した.

  • 生方 誠希, 柳澤 和輝, 野津 亮, 本多 克宏
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 32 巻 2 号 p. 678-685
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル フリー

    混合多項分布に基づくファジィ共クラスタリング(FCCMM法)は,文書解析などの個体×項目の共起関係情報の分析に有効であるが,クラスター数を事前に決定する必要があるため,種々のクラスター数で求められた解から最良なものを選択する妥当性評価が問題となる.本研究では,混合ガウスモデルにおけるクラスター数のロバストな推定手法の応用として,FCCMM法においてクラスター容量に対するペナルティを導入することで,不要なクラスターの逐次削除を通して,最適なクラスター数に自動設定する手法を提案する.

ショートノート
  • Wei-Fen HSIEH, Eri SATO-SHIMOKAWARA, Toru YAMAGUCHI
    原稿種別: ショートノート
    2020 年 32 巻 2 号 p. 686-690
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル フリー

    In human robot interaction (HRI), social robots are expected to equip with social skills to interact with people under diverse situations. The way human perceive robot is a crucial factor to influence the acceptability of robot. To investigate influential feature on robot behavior and understand human preference, this paper briefly presented robot impression analysis of cute and cool style greeting respectively. We modified the behavior on Pepper robot and recruited participants to evaluate the robot expression style. The results showed the relation between expression patterns and tendency which indicated a few groups of preference similarity in small sample analysis. Further classification of more impression preference group is highly anticipated. Undoubtedly, it is essential to personalize robot behavioral styles to satisfy individual necessity and maintain human robot communication.

総説論文
  • 秋山 英久, 中島 智晴, 五十嵐 治一
    原稿種別: 総説論文
    2020 年 32 巻 2 号 p. 691-703
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル フリー

    本稿では,RoboCup サッカーシミュレーション2Dを題材として,ゲームAIにおける局面評価の表現法と学習法を概説する.一般的に,サッカーゲームは動的環境下におけるマルチエージェントシステムの代表的な例として知られている.そこでまず,RoboCupサッカーシミュレーションをゲーム AI 研究における他のベンチマークテストと比較し,類似点や相違点について議論する.次に,サッカープレイヤが行動選択をするメカニズムとして行動連鎖の考えに基づいた探索法を示す.それは,チェスや将棋プログラムと同じように探索木と局面評価による状況の「読み」に基づいており,チームメイトとの協調行動を計画し,選択することが可能である.そして,行動連鎖生成で用いる局面評価モデルを機械学習の枠組みにより構築する方法を様々な事例をあげながら概観する.

feedback
Top