知能と情報
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15 巻, 3 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
目次
巻頭言
横断型学会連合
特集
解説
特集論文
実践研究論文
  • 臼井 優樹, 大潭 幸生
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 275-285
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    服飾という顧客の感性に大きく依存する分野のマーケティングでは、顧客ニーズの把握はデザイナーや販売員などの"勘"や"感覚"に依存していることが多く、新規なニーズの深い要因まで正確に把握する信頼性の高い手法が乏しい。まして、稀にしか出現しないチャンスを元にマーケティング部など一部のセクションで立案した開発や販売の方針がその不確実性を乗り越えて企業という組織全体の合意を得て機能するのは、極めて難しい。筆者らは、服飾生地メーカーで顧客の潜在ニーズを発見したいというデータマイニングツールのユーザーの視点に立ち、服飾開運商品という個人の主観や感覚を重視する商品の全社的な開発に至る暗黙的ニーズを発見するプロセスの研究を続けてきた。本論文では既存のデータマイニングツールを用い、それらの出力が生地開元首による暗黙的ニーズの発見にもたらす効果を実験的に評価した。その中で高い評価を得たKeyGraphを生地メーカーにおけるチャンス死児の目的に遥かする触視覚補完型に発展させ、このツールの利用を組織における戦略についての合意形成やモチベーションの獲得に到るチャンス発見プロセスの中で位置づけた。提案手法を用いて新しい顧客ニーズが発見され、それに基づいて企業戦略の新規な意志決定について合意形成に成功した。
原著論文
  • 網谷 重紀, 森 幹彦, 柴田 博仁, 庄司 裕子, 堀 浩一
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 286-296
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では広告会社との共同研究を通して、モーターショーなどの「実際のイベント設計の現場」を対象として知識獲得および知識創出を支援するための方法論およびシステムの構築にとりくむ。従来暗黙的な勘や経験で設計されてきたイベントであるが、近年企画者側が「なぜこのような方法で設計するのか」ということを出展者側に説明する必要性が生じてきた。しかし説明の手段は「勘と経験」ということに依存しているのが現状である。無論そういった勘と経験は非常に重要な財産であるが、それだけでは出展者側への説得力ある説明がでさていないのである。これまでのイベントの評価には主に5段階評価のアンケートの統計的な分析や、自由回答形式で来場者からコメントを集めるといった方法が用いられてきたが、プランナーたちによれば、実際にはこういったデータが得られても、そこから何を読み取って、どのように次のイベント設計に生かすことができるかわからないとのことである。実際のイベントのプランニングの現場や会場では数々の「実際の文脈に即した知識」が生まれるが、それを文脈なしに無関係な時点で提示されても役に立たないのである。そこで本研究では、従来の手法では抽出することが困難であった「文脈つきの知識」を可能な限り実際のイベント会場から抽出する方法論を提案しそこで得られた情報を企画者側に適切にフィードバックするためのシステムを提案・構築する。実際のイベントに我々が提案する方法論を用いて調査を行った結果、イベントプランナーが思いもよらない設計上の変数が数多く発見された。さらにそれらを元にプランナーが知識創出するという現象が観察され、本手法が有効であるという見通しが立った。この文脈つき情報の獲得から新たな知識を創出する過程を本研究では「知識の再構築」と呼ぶ。提案する方法論で獲得された大垣の情報から重要な事象を発見し、プランナーのReflective Thinkingを促し知識創出を支援するためのシステムKnowledge Nebula Crystallizer for Exhibition Planningを現在開発中である。本研究はプランナーの意思決定にとって重要な事象・状況についての情報を見出し、それをどう生かせるかということの理解を促進するという意味で、プランナーにとってのチャンス死児を目指したものである。文脈つきの知識によってどのような手法が来場者にどのような効果を与えるのかということが明確になり、出展者への説明能力が増すことが期待される。本研究では、「説得支援」という実務上の課題を解決することも大きな目標のひとつである。本橋では提案する方法論および従来の手法では得られなかった情報が獲得された例を示す。さらに得られた情報を活用するための現在開発中のシステムの概要を述べる。
  • 庄司 裕子, 堀 浩一
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 297-308
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では、オンラインショッピングにおいて顧客の意思決定を効果的に促進できる対話的システムを実現するための取り組みを行なっている。特に、従来のオンラインショッピングシステムでは対象としてこなかった、欲しいもののイメージが曖昧なところからスタートして徐々にコンセプトを明確化するような「コンセプト精緻化としての購買」を対象としている。本稿では、顧客のコンセプト精緻化過程を効果的に支援するための情報提供方法と、それを実現するためのインタラクションデザインの枠組みを提案する。具体的には、空間配置形式の情報提示による「気づきの支援」および、場面情報の提示による「理解と納得の支援」によってコンセプト精緻化型購買を支援するためのシステムS-Conartを作成し、評価実験を行なってその有効性を検討する。これらの評価実験を通じて、S-Conartを作成する上で採用した手法がコンセプト精緻化型購買の支援に有効であることを確認する。この実験結果は我々に、オンライン購買において顧客白身がチャンス発見を行なえる可能性を示唆するらのである。
  • 砂山 渡, 谷内田 正彦
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 309-317
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    WWW上には多くのリソースがあるため、それらから有用な情報を抽出することはごく当たり前のことになってきた。本稿では、注目キーワードを抽出するシステムを提案する。注目キーワードはユーザの興味に関連しWebページ中に新たに出現した単語である。すなわち、観点と時間が重要なファクターとなる。ある話題の主題は観点によって異なり、世界は時間によって変化する。このように、注目キーワードはWebページに表れる大衆のリアルタイムな意見を代表レユーザの観点を反映するため、未来の流行予測に役立つ。そのため、創造的なユーザは出力される注目キーワードを自身の活動に適用できる。
ショートノート
  • 松尾 豊
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 318-322
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    クラスタリングは,データマイニングおよびチャンス発見において重要なデータ解析技術である.階層的クラスタリングの最初の手法は1951年に遡り,それ以来,多くの手法が提案されている.しかし,何をもってクラスタとするかについては,今まで共通の合意はなく,アプリケーションに依存する.クラスタの評価は,一般的にクラスタを解釈できるかどうかにより行われることが多いが,この解釈性に焦点をあてた研究は少ない.本橋では,クラスタの解釈を容易にすることを目的とし,グラフ分割に基づく新しいクラスタリングのアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは,与えられたグラフから、ハブと完全グラフという特徴的な形のクラスタを抽出する.ハブは明示的な要因によるクラスタを表し,完全グラフは非明示的な要因によるクラスタを表す.本手法を用いた具体例を挙げ,その有効性について述べる.
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
  • 川本 一彦
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 326-
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    多数決決定と無作為抽出に基づく確率的アルゴリズムを用いて,数十枚の方向から撮影された画像情報を統合し,対象物の全体的な3次元形状を再構成する手法を提案する.提案手法は,いすべての画像上の投影像からその一部分を無作為に選ぶ,2)それらに矛盾しない部分的な3次元形状を仮説として再構成する、ことを繰り返し,最終的に多くの観測データが支持する仮説を統合して全体的な形状の再構成を行う.提案手法の特長は,多数決決定により,多視点画像上での見え方の違いや隠蔽により生じる解の多義性を解消し,無作為抽出により,数十枚の画像情報を現実的な時間で処理できる点にある.本論文では,提案手法が凹凸を合む形状にも適用できること(第2章),対象物が点だけでなく直線や平面から構成されているときのアルゴリズムの具体的な設計(第3〜4章),多視点ではなく1台のカメラによる時系列計測への適用(第5章)について議論している.
  • 片上 大輔
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 326-
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文は,進化ロボティクスにおけるオンライン学習を実現する手法を提案しその有効性を検証するものである.第1章「序論」に続き,第2章「進化ロボティクスの各手法」では,進化ロボティクスで使われる代表的な手法を説明し,その利点と問題点について述べている.第3章「遺伝的プログラミングによるオンライン学習」では,進化ロボティクス一般に生じる状態空間の偏りを利用して,遺伝的プログラミングの交叉にバイアスをかける手法を提案しその有効性を確認している.第4章「対話型進化ロボティクスによるオンライン学習」では,人間とのインクラクションを通じて初期段階の学習の改善する手法を提案し,提案手法の有効性を確認している.また,対話型進化ロボティクスにおける2種類の観測方法を提案し,その違いにより教示効果に大きな遺いが出ることを確認している.第5章「結論」では,得られた成果をまとめ,本手法が有効であると結論づけている.
リレートーク
一般論文
原著論文
  • 松村 雅明, 松本 忠, 茂呂 征一郎
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 3 号 p. 329-341
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,If-then形式のプロダクションルールからなる推論エンジンのルール構造の一修正法を提案している.このルール構造の修正によって、推論エンジンの汎用性を高めることが出米ると考えられる.そこで、ルール構造を明確にモデル化でき,その修正も容易であるファジィペトリネット(以下FPNと略する)を用いたルール構造の修正法を考えた.この手法では,まず,推論エンジンをFPNモデルによって表し,このFPNモデノトIュで誤差逆伝播法を用いた学習を行う.そして,この学習結果を用いる,簡単なand, or結合間の構造変換規則を提案している.筑後に,簡単なルールベース意思決定システムにおける本提案手法の適用例を示し,この手法の有用性と問題点を示している.
  • Hugang MAN, Shuta MURAKAMI
    原稿種別: Article
    2003 年 15 巻 3 号 p. 342-350
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    In order to design an Adaptive Fuzzy Control System based on the Lyapunov synthesis approach, the fuzzy systems can be viewed as some fuzzy approximators to approximate the unknown functions in the control system. To enhance the quality of the control system, obviously, it needs to tune all parameters in the fuzzy approximators so that the approximation can be improved. On the other hand, fuzzy rules with triangular membership functions in the precedent of the fuzzy rules are used in many industrial control systems. However, how to stably tune the parameters involved in the triangular membership function is still an open problem. The goal of this paper is to design a controller for a class of nonlinear systems using triangular fuzzy functions. The adaptive laws to tune all the parameters in the system are developed. It is shown that the proposed adaptive controller guarantees tracking error, between outputs of the considered system and desired values, to be asymptotically in decay.
  • Tsutomu YAMAZAKI, Ken-ichiro MURAMOTO
    原稿種別: Article
    2003 年 15 巻 3 号 p. 351-360
    発行日: 2003/06/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    Since measuring the electrolyte density is impossible for sealed lead-acid batteries, it is difficult to accurately estimate the residual capacity in any non-standard condition. A popular application like the electric bicycle is therefore problematic because discharge conditions are extremely variable but at the same time an accurate residual capacity estimate is desired. To solve this problem, neural networks were developed to perform this estimation using externally measurable electrical parameters. This is the first neural network implementation to perform this task. It was also found that this solution works reliably even under changing environmental conditions. Moreover, this network solution can estimate the deterioration state of the batteries in just 30s. As a result of this study, a battery checking system using two independent neural networks was developed to estimate the deterioration state and residual capacity of sealed lead-acid batteries in near real-time. This kind of system has large potential in a vast range of battery applications.
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