知能と情報
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17 巻, 2 号
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目次
追悼
巻頭言
特集
解説
特集論文
原著論文
  • 牧野 真緒, 大島 千佳, Rodney BERRY, 樋川 直人, 西本 一志, 鈴木 雅実, 萩田 紀博
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 164-174
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では, 音楽の経験が乏しい子どもでも音楽的なイメージを広げ, 試行錯誤しながら創作できるシステム, The Music Table(ミュージック・テーブル)を提案する.美術においては幼児のうちから"お絵描き"や, "粘土遊び"をしながら主体的に創作して自己表現しているのに対して, 音楽ではなかなか自ら創作して楽しむことはできない.近年の計算機の発達に伴い, ユーザの頭の中でイメージが明確に音楽に変換されていれば、音を楽譜に変換したり, 演奏したりする支援は多数ある.しかし, 音楽創作の手がかりとなる, 音楽的なイメージをユーザに与え, 発想を広げる支援を包括するシステムはない.そこで本研究では, 音符の代わりに現実のキューブを使い, 子どもが積み木で遊ぶ感覚で音を簡単に配置することを可能にし, 個々のキューブに対応する音が常にループして出力することで, ユーザの音楽的イメージを高めるシステムを提案する.音楽経験が全くない6名を含む, 幼稚園児から中学生までの被験者17名による実証実験の結果, どの子どもも創作時間中, 始終キューブの操作を行い, 独創的なフレーズを創作することができた.ここから, The Music Tableは子どもに音楽創作のきっかけを与え, 積極的な自己表現に取り組むよう促すことができるエデュテインメントシステムといえる.
  • Uri Globus
    原稿種別: Article
    2005 年 17 巻 2 号 p. 175-183
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    This paper examines the nature of games and its relation to research, education and entertainment. We discuss the need and importance of having a better definition for the word 'game'. Ideally, such definition should be clear-cut, acceptable across various disciplines and coincide with common use of the word. We arrived at our definition by reexamination of some previous definitions and focusing on the distinctions between 'game' and closely related phenomena. It is suggested that 'game' may be defined as a partially ordered dynamic that has an element of tension ; the structure of games is always a result of conflicting desires. This definition gives insights regarding the value of games for research, education and entertainment. Particularly, we suggest that a measurement for the entertainment of games should be dependant on the number of simultaneous tensions experienced, their degree and duration. We denoted this new fuzzy measurement as tension space. Using this new measurement, seemingly different games can be compared. The tension space is dependant on the game skills and knowledge of a player. We suggest as well, that measuring the communication i.e. the information transferred in a game, is another promising direction for further research. Lastly, we examine the metaphor "life is a game" in light of our new findings.
  • 津田 耕平, Ruck THAWONMAS, 今野 優樹
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 184-193
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    新しい市場調査の形として, 掲示板などのオンラインコンテンツが注目を浴びている.販売後もコンテンツを変更しユーザーを留め続けなければならないオンラインゲームにおいても, ユーザーの要望を把握することは重要な課題となっており, そのために掲示板やチャットの文章が利用されることがある.本論文ではコメントの返信関係に注目することにより, 電子掲示板の文章中から話題を構成するキーワードを発見する新たな手法を提案する.
  • 保利 栄作, 斎藤 英雄
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 194-202
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    仮想空間におけるゲーム等の操作には, 3次元空間で自由に手を動かしながら対象物体等の操作を行うことが有効となる.本論文では, 胴体に装着したステレオカメラを用いたゲーム操作用3次元ハンドコントローラを提案する.本コントローラは胴体に装着されたステレオカメラにより得られる視差画像とカラー画像を利用して, 胴体の前に差し出された手の位置と姿勢, さらに, 背景に対する胴体の姿勢を推定する.そして, これらの推定量を利用して, 仮想3次元空間の操作に必要な「視点の移動」「視点の回転」「物体の操作」をすべて行うことができる.実験では, 本コントローラを複数の3次元コンテンツ(Quake, ビリヤード)の操作に使用し, その有効性を検討した.それらの実験から, 本コントローラが仮想3次元空間を直感的に操作できることが確かめられた.
  • 川村 秀憲, 角田 久雄, 山本 雅人, 高谷 敏彦, 大内 東
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 203-211
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本稿では, 人の呼びかけに反応して様々な動作を行うエンタテインメントバルーンロボットの開発と基礎的な実験について報告する.バルーンロボットにはワイヤレスCCDカメラとワイヤレスマイクが搭載され, 人の拍手を感知して回転動作や上下移動を行う.人の呼びかけに対しては, 確率的状態遷移機械を利用することによって, 不確実な再現性をともなった動作系列の生成を実現した.バルーンは空調などの外乱に容易に影響を受けるので, 連続的に動作可能な状態を維持することは困難であるが, 地面に置かれたランドマークを利用したホバリング制御に基づいて制御することによって長時間安定してインタラクティブな飛行を可能とした.実験を通して, 人とインタラクションをとりながら長時間飛行が可能であることを確認した.
  • 清水 紀芳, 小泉 直也, 杉本 麻樹, 新居 英明, 関口 大陸, 稲見 昌彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 212-221
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    従来ロボットは製造業等の現場において人の身代わりとして何らかの作業を行うという目的で研究が進められていた.これに対しUIとしてロボットを用いる概念がRUI-Robotic User Interface-として提案されている.本研究ではRUIを使用した, 身体性を持った保持型の力覚提示装置を提案する.また, RUIを通して情報世界とインタラクションするためのシステムの試験的な実装を行った.
  • 森 博志, 星野 准一
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 222-232
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    CGアニメーションの制作現場では, 作品に対するイメージを定着させ, 様々なアイデアを統合するための道具としてストーリーボードが利用されている.しかしストーリーボードからアニメーションを制作するためには, 多くの手順を踏む必要がある.もしストーリーボードから自動的にアニメーションを生成できれば, 作業時間の短縮や作業工程の簡略化につながる.本稿では, ストーリーボードからアニメーションを生成する新しい手法を提案する.2次元的な線画から仮想人物の3次元姿勢を推定し, 蓄積された3次元動作を用いて欠落した動作情報を補うことで連続的な動作を生成する.また, 蓄積された動作を分析して, 特徴の異なる動作を再構成する手法を述べる.
  • 加藤 茂, 鬼沢 武久
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 233-242
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では、任意の順序で並べられた複数の絵情報から一貫性のある言語表現を生成するシステムの構築について述べる。システムへの入力は使用する絵に関する客観情報であり、出力は絵の内容やつながりを説明した言語表現である。本システムは、各絵の内容の推論を行う基本内容説明部、絵と絵とのつながりの関係の推論を行う接続関連説明部、絵全体の言語表現を構成する言語表現構成部からなる。基本内容説明部では、絵に登場するオブジェクトの行動の説明である行動記述の生成を行う。接続関連説明部は絵の間で起こった出来事の説明であるイベント記述の生成、一貫性の判断を行う。言語表現構成部は行動記述とイベント記述を合わせて絵全体の言語表現を構成し出力する。システムの評価を行うためにシミュレーション実験を行う。実験では数名の被験者がシステムを使用してデータの獲得を行う。そしてシミュレーションで出力された言語表現の評価を行っている。
ショートノート
  • 棟方 渚, 吉田 直史, 櫻沢 繁, 塚原 保夫, 松原 仁
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 243-249
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    近年, コンピュータシステムの急速な普及により, 老若男女, 多様なユーザ層がコンピュータを利用している.このようなIT技術の進展の中で, ユーザがコンピュータを道具として使用するばかりではなく, コンピュータがユーザの身体情報に基づいてユーザと相互作用することにより, 人と機械の間にコミュニケーションを生み出すような新しいインタフェースを開発する試みがある[1].しかし, 人の身体情報の意味が十分に理解されつくしてはいないこと, また, 相互のコミュニケーションを可能とするには両者が能動的であることが要求されるため, そこに新しいコミュニケーションを生み出すことは困難である.本研究では, 人の生体信号をゲームに取り入れることで人とコンピュータの新しいインタラクションの実現を試みた.数ある生体信号の中でも皮膚表面抵抗に着目した.実験では, プレイヤの皮膚表面抵抗の変動から心理状態の変化を読み取り, それをプレイヤに提示する一種のバイオフィードバック系を利用したゲームを作成した.このゲームは, プレイヤの皮膚表面抵抗の変動を測定し, その変動が大きいほど敵が多く現れ, ゲーム画面上のオシロスコープやインジケータにリアルタイムに皮膚表面抵抗の変動をプレイヤ自身へ提示する仕組みとした.実験はこのゲームのバイオフィードバックの構成法やゲーム画面等の状態を変え, プレイヤの皮膚表面抵抗の変動を測定しそれらを比較した.比較は二通りの実験により行い, 一方はバイオフィードバックの有無によって皮膚表面抵抗の変動に与える効果を比較した.もう一方の実験では, ゲーム画面上に設けたオシロスコープやインジケータに, プレイヤの皮膚表面抵抗の信号を遅延させて表示し, リアルタイム表示の場合との変動の仕方を比較した.実験の結果では, バイオフィードバックがあるゲームと無いゲームではバイオフィードバックを使用したゲームの方がプレイヤの皮膚表面抵抗の変動が大きかった.また, バイオフィードバックを遅延させた表示のゲームよりもリアルタイムに表示させたゲームのプレイヤの方が, ゲーム中の皮膚表面抵抗の変動が大きかった.これらの結果から生体信号を用いたゲームにおいて, 生体信号をゲームの進行に反映させることの他に, ゲーム画面上のバイオフィードバックの表示を行うことが重要な要素であることがわかった.特に, 遅延表示の実験では, 表示を遅延したことに気付いた者はいなかったが, 変動量にはそれぞれ差がでたことから, リアルタイムにゲームの進行に反映させることや, バイオフィードバックの表示を行うことも重要であることがわかった.このような結果となったのは, ゲームを通じて無意識の自分自身を意識することが, 更に皮膚表面抵抗の変動を生じさせたからであると推測される.
  • 加納 政芳, 後藤 みの理, 加藤 昇平, 中村 剛士, 伊藤 英則
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 2 号 p. 250-255
    発行日: 2005/04/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    感性会話型ロボットIfbotは, 自らの感情と話者の感情を考慮に入れて会話するロボットである.Ifbotは, 自らの感情を表現するために数十種類の表情を持ち, これらの表情を表出しながら会話する.本稿では, Ifbotの生理的な現象による表情変化(生理系)と筋肉による表情変化(筋肉系)に着目する.まず, Ifbotの表情表出機構の各部位を生理系と筋肉系に分類する.つぎに, 恒等写像学習を用いて, 生理・筋肉各系における表情の特徴を感情空間に抽出する.そして, 得られた2つの感情空間を利用して2つの感情を混合した表情を生成する.
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