本研究の目的は,感性評価における評価者と評価対象,および評価語の三者の関係を同時分析する解析法の開発である.われわれはTensor SOMを用いて評価者マップ,評価対象マップ,評価語マップの3つを同時生成するとともに,マップを彩色することで三者の関係を可視化した.本手法で風景画像集合を解析したところ,各画像がどのような印象を持つか,また評価者によって印象がどのように変わるかを可視化できた.さらに本手法の産業への実応用をめざして解析ツールを開発し,自動車のインストルメントパネルデザインに関する感性・嗜好解析を行った.
携帯端末における歩行者向けの道案内システムの多くは地図を利用するものであるが,ユーザ自身が地図空間を現実空間にマッピングする心的操作が必要になるため認知的負荷が高い.本論文では,現実空間内で行動指示をおこなうことが可能な,擬人化エージェントを利用したAR道案内システムを開発する.また,エージェントの道案内指示ジェスチャを生成する視点について,地図をみるような上空からの俯瞰視点であるSurvey Perspectiveおよび案内者が経路を辿っていくような主観的視点であるRoute Perspectiveの比較・検討をする.参加者22名による2つの視点による理解度の調査の結果,Survey Perspectiveによるジェスチャを使用した道案内では,Route Perspective によるジェスチャを使用した道案内に比べ,理解度が向上する傾向にあることを確認した.また,参加者12名によるSurvey Perspectiveにもとづく道案内システムを用いて道案内実験を行った結果,有効性を確認した.
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