知能と情報
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15 巻, 2 号
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
目次
巻頭言
特集
解説
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
  • 川村 誠
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 187-
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では、感性情報の一つである色彩の印象を対象とした主観的評価モデル構築手法の提案を目的とする。感性情報は個人の経験や知識に依存するため、個人に応じたモデルを構築する必要がある。また、個人の感性評価モデルを構築する場合、相当数の評価データが利用者に要求されることから、実用性の点で利用者の負担を考慮したモデル構築手法が必要となる。提案手法では、利用者が色彩の印象を絶対判断と比較判断で評価することにより、利用者個人の主観的評価モデルが構築される。さらに、利用者の負担を考慮した比較判断改善方法が考案され、提案手法に導入される。構築される主観的評価モデルとSD法とエキスパートの知識を元に構成した標準モデルとの比較評価、構築される主観的評価モデル同士の比較評価の結果から、提案手法が主観性を反映した評価モデルを構築可能であることを示した。さらに、比較判断改善手法を導入することで利用者の負担を緩和することができる実用的な手法であることを示した。
  • Kenneth James Mackin
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 187-
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文ではマルチエージェントシステムにおいてエージェントが協調的行動を行なうために有効なエージェント通信を自律的に学習する手法の提案を行った。この手法を用いることによって、システム設計者は対象のドメインの通信に必要な知識を事前に把握する必要から開放される。本論文で提案する手法は、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programming)学習方法を核に、フェロモンコミュニケーション等その他の機能を組み合わせ、エージェント通信の学習を行う。各エージェントは構築されたエージェント通信プロトコルを利用し、エージェントの協調的行動を計画する。多数のエージェントが相互通信により交渉を行う電子市場をモデルにしたソフトウェアでシミュレーションを行ない、提案した手法の有効性を検証した。
リレートーク
一般論文
原著論文
  • 橋本 節雄, 小島 史男, 久保田 直行
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 190-198
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,知覚に基づくロボティクスのための知覚システムについて議論を行うことである。移動ロボットの知覚システムに遺伝的プログラミング(GP)によって生成される関数を適用し,環境から得られる量的な情報に対して,それらを特徴付ける質的な情報を抽出する。この変換を行う関数を生成することにより,環境との相互作用の中からその知覚システムを,環境,およびロボット自身の持つ身体的特徴などに基づき自ら獲得することを試み,移動ロボットの障害物回避問題に適用することで,その有効性について検証する。
  • 三田村 保, 若林 高明, 大堀 隆文, 栗原 正仁
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 199-208
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    ファジィ構造モデリングとは,対象問題を構成要素集合とその上に定義されるファジィ二項関係に注目し,有向グラフ等を用いて解析する手法である。代表的な手法としてFSMがある。著者らは柔軟かつ効率のよいファジィ構造モデリングとして「FISM/fuzzy (Fuzzy Flexible Interpretive Structural Modeling)」を提案している。FISM/fuzzyに要求される機能の一つに,合意形成支援機能がある。合意形成とは,異なるグループが作成したファジィ構造モデルを比較し,各グループの意見の相違点を明確にし,相違点を重点的に議論し,効率良くかつ論理的矛盾を含まないように合意モデルを作成することである。本稿ではFISM/fuzzyを用いて,二つの異なるファジィ可到達行列モデルから1つの合意モデルを形成するための,合意形成支援機能について述べる。さらにそこで用いられる比較行列の定義とその性質,および合意交渉戦略について考察する。
  • 沈 永新, 坂和 正敏, 加藤 浩介, 西崎 一郎
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 209-218
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,0-1決定変数をもつ上位レベルおよび下位レベルの意思決定者がそれぞれ複数の目的を持つ多目的2レベル0-1計画問題に焦点をあて,意思決定者の選好に関する部分的情報を考慮した対話型ファジィ計画法について述べる。提案法では,各意思決定者の目的関数に対するファジィ目標を導入した後,上位の意思決定者の各ファジィ目標を規定するメンバシップ関数が設定された最小許容度以上となるという制約の下で,下位の意思決定者の各ファジィ目標に対するメンバシップ関数と設定された志望水準の差が最も小さい解が遺伝的アルゴリズムを用いて求められる。得られた解に対する上位DMと下位DMの集約された満足度の比は,意思決定者の選好に対する部分的情報を利用することによって評価され,満足度の比が決められた条件を満足し,上位レベルの意思決定者がその解に満足すれば,対話は終了し,そうでなければ,最小許容度や志望水準を更新することによって満足解を探索する。
  • 高木 英行, 印具 毅雄, 大西 圭
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 219-229
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,適応度ランドスケープを単峰性関数で近似することによって遺伝的アルゴリズム(GA)の収束を高速化する手法を提案する。最適化問題の適応度ランドスケープは,最も粗く近似したとき,単峰性曲面となる。このとき,近似する単峰性曲面の頂点座標は,実際の探索空間内でも最適解近傍にあることが期待できる。さらに,近似に用いる過去の探索点の選び方を2つ提案する。適応度ランドスケープを近似する単峰性曲面として2次関数を用い,7つのベンチマーク関数とロボット制御器設計問題で評価した結果,提案手法はGA収束高速化に寄与することが示された。
ショートノート
  • 岡本 渉, 田野 俊一, 井上 敦, 藤岡 亮介
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 230-238
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文においては、自然言語対話システムを構築するのに必要な、4ステップの推論方法を提案する。本方法においては、推論QA is F is γ ⇔ Q'''(m'A) is mF is m''γにおいてファジィ量限定詞Q'''を求める(ここで、Q, Q''':ファジィ量限定詞、A:ファジィ主語、m, m, m'':修飾子、F:ファジィ述語、γ:真理値限定詞とする)。我々は、2個のタイプのQに対し、4個のステップの手続きによりQ'''が求められることを示す。これら2個のタイプとは、単調非増加のタイプ(FEW)と単調非減少のタイプ(MOST)である。最初のステップでは、推論QA is F is γ ⇔ Q'(m'A) is F is γを行う。ファジィ主語をA→m'Aに変形し、ファジィ量限定詞Q'を得る。2番目のステップでは、推論Q'(m'A) is F is γ ⇔ Q''(m'A) is mF is γを行う。ファジィ述語をF→mFに変形し、ファジィ量限定詞Q''を得る。3番目のステップでは、推論Q''(m'A) is mF is γ ⇔ Q(m'A) is mF is TTを行う。ファジィ量限定詞をQ''→Qに変形し、真理値限定詞TTを得る。4番目のステップでは、推論Q(m'A) is mF is TT ⇔ Q'''(m'A) is mF is m''γを行う。真理値限定詞をTT→m''γに変形し、ファジィ量限定詞Q'''を得る。上記4ステップにて、ファジィ主語、ファジィ述語、真理値限定詞に同時に変形を加えた場合の推論結果をファジィ量限定詞として得る。
  • 呉 志賢, 本多 克宏, 市橋 秀友
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,ファジィクラスタリングを用いた,局所的マイナー成分のニューラルネットアプローチによる抽出法を提案する。さらに,抽出されたマイナー成分を用いて,データ集合における欠測値の推定を行う方法も同時に提案する。欠測値の推定は,マイナー成分ベクトルを法線とする超平面を求めて,データ点を超平面に射影することで行う。提案法は,データの部分構造を考慮した簡便な欠測値の推定法である。
  • 阿萬 裕久, 矢鳴 虎夫, 山田 宏之, 野田 松太郎
    原稿種別: 本文
    2003 年 15 巻 2 号 p. 243-249
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2017/05/29
    ジャーナル フリー
    オブジェクト指向ソフトウェア開発において,クラス設計は最も重要な課題である。そのため,クラス設計に対して客観的な評価や予測を与えるためのソフトウェアメトリクスが研究されている。そういったメトリクスによる評価を受けて,設計者や開発者はクラスの設計に変更を加えることもある。しかしそれによって,逆に評価の低いクラスを作り出してしまう恐れもある。それゆえ,そのクラスにおいて重要な位置にある構成要素,すなわちクラスメンバ-メソッドや属性-を把握しておくことは有用であると考えられる。そのようなクラスメンバをクラス構造の複雑さという観点から検出するため,ファジィグラフの連結構造分析法を用いた手法が提案されているが,その有効性についてはこれまで議論されていなかった。本論文では,その手法の有効性を確認するため,多数のクラス設計に対して擬似的な変更を施し,それに伴う複雑さメトリクス値の変化を調べるという実験を行った。その結果,片連結ならびに強連結に関して強化点となっているようなクラスメンバについて,上述の分析法は有効であることが確認された。
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