知能と情報
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19 巻, 5 号
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目次
巻頭言
インタビュー
特集:「人工知能的方法論を用いた知的画像処理」
特集論文: 人工知能的方法論を用いた知的画像処理
原著論文
  • Aryuanto SOETEDJO, Koichi YAMADA
    2007 年 19 巻 5 号 p. 457-465
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    Traffic sign recognition system is an intelligent vision system to recognize traffic signs on the road. This paper describes a new approach on red color thresholding for traffic sign recognition system. To extract red color from an image, a thresholding method based on the CIE-RGB chromaticity diagram was proposed. A g-r histogram of the image was developed by subtracting the normalized red of RGB color from the normalized green one. A threshold value is selected automatically by analyzing the g-r histogram. To evaluate the proposed method, comparison to the other red color thresholding methods was made using tested images taken from real environments with varying illuminations and backgrounds. From the experiment, our proposed method resulted in the thresholding quality with average score of 0.630 and average execution time of 0.038 seconds which is the best performance among the others.
  • 小原 拓文, 金川 明弘
    2007 年 19 巻 5 号 p. 466-475
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    現在,高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)の研究開発が盛んに行なわれている.その中で,道路標識の検出・認識の方法について多くの研究が行われている.本論文では,階層型ニューラルネットワークと自己組織化マップを用いて道路標識を認識する方法の開発を目的とする.階層型ニューラルネットワークはカラー画像から色を検出するために用い,自己組織化マップは,色・形状・テクスチャそれぞれの特徴から標識を分類するために用いる.形状特徴量には改良型P型フーリエ記述子を採用した.その結果,SOMによる正解率・処理時間・パターン分類後のマッチング回数それぞれ,既提案手法を上回る結果を得ることができ,最も効率的であることがわかった.
  • 内海 ゆづ子, 岩井 儀雄, 谷内田 正彦
    2007 年 19 巻 5 号 p. 476-487
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    顔認識の特徴量としては,様々なものが利用されているが,その代表的なものとしてGaborウェーブレット特徴量がある.Gaborウェーブレット特徴量は,出力特性が生物の視覚特性と似ており,Eigenface等,他の顔認識手法と比較して良好な性能を示している.しかし,顔認識の特徴量として,Gaborウェーブレット特徴量が最適であるか明らかではない.そこで,本研究では,Gaborウェーブレット以外の様々なウェーブレット(Haar, French hat, Mexican hat, Daubechies, Coiflet, Symlet, O-spline)を用いて特徴抽出を行い,どのウェーブレット特徴量が顔認識に最適であるかを調べた.ウェーブレットのスケールを固定したもの,スケールを可変にしたものの認識率を AR Face Databaseを用いて比較を行った.さらに,スケール可変ウェーブレットを8方向に回転させ特徴抽出を行い,認識を行った.その結果,スケール可変ウェーブレットで8方向から特徴抽出を行った場合,全てのテスト画像において Haarウェーブレットが Gaborウェーブレットより高い認識率を示すことが明らかになった.
  • 中田 豊久, 伊藤 日出男, 國藤 進
    2007 年 19 巻 5 号 p. 488-498
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    位置に基づいた情報サービスを提供するために,赤外線によってユーザの持つ携帯端末に情報を送る研究が行われている.この通信方法の機器構成を大きく変えることなく,ユーザから環境側装置への情報のアップロードを実現するために,反射する赤外線の強さを制御する方法を提案する.環境側ではユーザに提供する情報を赤外線にのせて照射する.携帯端末には赤外線をよく反射する反射材を装着し,その前に液晶を配置する.その液晶を ON/OFFすることによって反射材からの反射光の強さを制御する.その反射光の強さの変化は,環境側の赤外線カメラによって認識され,信号として解釈される.このようなアップロード方法における課題は,液晶 ON/OFFすることによる反射光の変化が,携帯端末の位置や向きが変わることによる反射光の変化よりも小さいことである.よって固定化されたしきい値によって画像から液晶ON/OFFを判定することは困難である.そこで,本研究では動的にしきい値を決定することを提案する.まず携帯端末からある決められた信号パターンの同期信号を送信する.環境側では,その同期信号をベイジアンネットワークによって認識する.ある信号が同期信号であると判定された場合には,その画像から液晶 ON/OFFを分離するしきい値を決定する.この提案手法を,同期信号の認識精度についての従来の機械学習アルゴリズムとの比較を行い,高精度で同期信号を認識できることを明らかとした.
  • 大嶋 千紘, 董 芳艶, 畠山 豊, 廣田 薫
    2007 年 19 巻 5 号 p. 499-513
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    デジタルカメラで撮影した夜景画像における暈領域(halo region)を画像修復するために,Image Inpainting手法に基づくアルゴリズムを提案する.提案手法は2つの処理で構成されている.初めに、光源周囲に不規則に広がる暈領域を“光源らしさ”に基づくファジィ集合として認識する.次に,その領域周囲の画素情報から更新すべき画素情報を取得することで,光により薄くなった背景を復元する.さらに,画像修復処理の性能を向上させるために,暈領域の階調補正処理手法を提案する.市販のデジタルカメラで撮影した入力画像と修復処理後の画像に対して3次元“光源らしさ”グラフを比較し,暈領域が 30%程度縮小されると共に,背景が実時間で復元されていることを PC上で確認している.
  • 前田 陽一郎, 石川 雅史
    2007 年 19 巻 5 号 p. 514-523
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    画像処理の分野において適切な閾値を求め色抽出処理を行なうことは,物体認識等において極めて重要である.一般に,様々なノイズを含む実環境では,場所や照明条件により色情報の閾値が極端に変化する.こういった外乱の影響を受けやすい環境において,対象物を抽出するための適切な閾値を正確かつ高速に求めることは,容易ではない.そこで本論文では,全方位カメラで撮影した画像に対して,人為的に選択した対象物の楕円形状内の閾値情報を基に,対象物の領域のみを抽出できるような閾値の自動調整手法を提案する.本手法では,人為的に選択された領域の色情報を基に,適切な閾値を探索するために色抽出における閾値の遺伝的アルゴリズム(GA)による自動調整が行われる.本手法の有効性を検証するため,選択領域の色情報で抽出した場合とGAによる特定物体のみを抽出するため学習を行った場合とで,性能の比較実験を行った.これについても報告する.実験結果より,提案した色抽出手法が人間による色抽出に比べて性能と高速性の点で優れていることが確認された.
  • 岡 望実, 亀山 啓輔, 寅市 和男
    2007 年 19 巻 5 号 p. 524-536
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    近年,画像データベースの検索の際に,画像の特徴を用いて得られる画像間の類似度をもとに検索を行う画像内容検索(CBIR)に関する研究が行われてきている.CBIRでは,共通した客観的定義の存在しない「類似度」が用いられる.この「類似度」は様々な方法で決めることが可能であり,また,ユーザの主観によって異なるものである.この類似度の多様性ゆえに,CBIRにおいてはユーザの類似度基準に合わせた検索の実現が必要となる.本研究においては,検索結果に対する評価基準を用いて,類似度評価アルゴリズム中のパラメータを最適化することで,画像の類似度評価をユーザの要求に適合するよう改善する枠組みを提案する.提案する枠組みでは,検索結果に対する評価基準 J を定め,Particle Swarm Optimization を用いて,J を最小化することで最適化を行う.本研究の提案手法の有効性を検証するシステムとして,2値画像の輪郭を特徴とする画像の内容検索システムを用いた.そして,検索結果の類似度ランキングに対してユーザのフィードバックに基づいて計算される評価基準関数 J を定め,類似度評価アルゴリズム中のパラメータ最適化を行った.第一実験では,提案した枠組みにより最適化を行い,評価基準にあった検索結果が得られるようになることを確認した.第二実験では,2つの異なる評価基準 J を定め,それぞれの評価基準 J について最適化を行い,要求される基準の違いにより最適化後のパラメータが異なることや,検索結果に要求に応じた違いが出ることを確認した.以上により,提案した枠組みを用いて,評価基準 J を適切に定め,それに基づいてパラメータ最適化を行うことにより,ユーザの類似度基準に合わせた検索システムを実現できることを確認した.
  • 大橋 剛介, 久森 隆史, 望月 圭太
    2007 年 19 巻 5 号 p. 537-545
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    画像内容検索に関する研究は,画像認識の応用研究の一つとして,盛んに行われ成果をあげてきているが,カラー情報,形状,テクスチャ情報などによる low-levelな画像特徴量と high-levelなユーザの主観のギャップであるセマンティック・ギャップを埋めることは未だ画像検索研究の大きな課題として残されている.そして,情報検索の分野で成果をあげている,ユーザとシステムが対話的に検索をすすめていく適合性フィードバックが画像内容検索にも導入されてきている.そこで,本研究では,筆者らが既に提案しているスケッチ画像検索を応用した適合性フィードバック画像検索を提案し,セマンティック・ギャップを埋める手法を開発することを目的とする.本手法は,ユーザの検索意図が含まれている入力スケッチを有効に利用しようすることで,セマンティック・ギャップを埋めようとしている点に特徴がある.Corel Photo Galleryの 6,500点の画像データセットに対して,適合性フィードバックを用いたスケッチ画像検索を試みたところ,従来は検索が困難であった画像に対しても検索が可能になり,本手法の有効性を確認した.
  • Santoso HANDRI, Kazuo NAKAMURA
    2007 年 19 巻 5 号 p. 546-555
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    Intelligent surveillance systems capable of discriminating pedestrians in the street are one of the main application areas of computer vision. This paper proposes a method to discriminate pedestrian images into several classes by using pedestrian shape features and artificial neural networks. To overcome the difficulty of pedestrian identification due to shape variation over time, several video-image processing and intelligent discrimination methods were adopted and developed. At the front end, image and video processing was performed to separate the background from the foreground images. The pedestrian shape features were extracted by Fourier transform, and then feed-forward neural networks with back-propagation learning algorithms were employed to discriminate among several classes of the moving pedestrian images, i.e., pedestrian, cyclist, or other non-pedestrian objects. The experimental results demonstrated the capability of the proposed system to discriminate pedestrians in a real life pedestrian environment. On average, discrimination accuracy was achieved in 82% and 87% using the complex number and the centroid distance function method, respectively.
  • 佐竹 聡, 今井 倫太, 川島 英之, 安西 祐一郎
    2007 年 19 巻 5 号 p. 556-569
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,位置センサを取り付けたオブジェクトを実世界で検索するシステムBrownieを開発する.本論文の目的は,探し物が過去置かれていた場所をカメラ画像内にマークすることで検索を行うランドマーク指定検索の実現である.ランドマーク指定検索には,ランドマークの消失とランドマークの入れ替えという2つの課題が存在する.ランドマークの消失は,ユーザが記憶したランドマークオブジェクトがカメラ画像内に存在しない状況でランドマーク指定検索に対応する課題である.ランドマークの入れ替えは,ランドマークオブジェクトをユーザが取り違えた状況でランドマーク指定検索に対応する課題である.両課題を解決するため,本論文では Atumeyeフレームを提案する.Atumeyeフレームは,人間がランドマークを記憶するときに周辺に存在する別のランドマークとの相対関係も記憶するという考えに基づく.Atumeyeフレームではオブジェクトと周辺に存在するランドマークオブジェクトが随時記録される.Atumeyeフレームは,位置センサから得られたオブジェクトの位置をカメラ画像に投影し,ランドマークオブジェクト同士の重なりを検出することで周辺に存在するランドマークオブジェクトを決定する.ユーザの指定するランドマークオブジェクトを確定できないランドマーク消失時において,マークされた領域から検索目標の周辺状況を推定することでAtumeyeフレームはランドマークの消失に対応する.マークされた領域からランドマークオブジェクトを確定できた場合,検索目標の周辺状況を推定した検索も同時に発行することでランドマークの入れ替えに備える.評価実験の結果 Atumeyeフレームは平均して 76.7%の検索成功率を示した.
  • 荒川 薫
    2007 年 19 巻 5 号 p. 570-578
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    画像や音声のように突発的変化を有する信号にランダム雑音が重畳した場合,原信号波形をできるだけ忠実に復元する手法として,拡張成分分離型非線形ディジタルフィルタを提案する.このフィルタは,同目的で著者らが先に提案した ε-フィルタ及び,成分分離型非線形ディジタルフィルタの拡張型に相当し,先のものより効果的な信号復元をおこなうことができる.特に,先のフィルタが階段状変化信号と連続的変化信号のどちらか一方にのみ有効であったのに対し,拡張成分分離型フィルタは両タイプの信号に対して同程度に良好な特性を実現するものである.本稿ではさらに,この拡張成分分離型フィルタがニューラルネット構造を有することに着目し,この最適設計をバックプロパゲーションアルゴリズムに基づく手法で行う方式を提案する.計算機シミュレーションでは,階段状変化信号及び連続的変化信号の両者に対して本方式の出力誤差二乗平均が総合的に小さく,その効果が定量的に示された.さらに本フィルタを顔画像美観化処理へ適用し,その有効性を示した.
実践研究論文
  • 杉町 敏之, 北川 悦司, 田中 成典, 古田 均
    2007 年 19 巻 5 号 p. 579-591
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2008/01/25
    ジャーナル フリー
    3Dモデルは,シミュレーションやプロダクトモデルの表現方法としての利用や物体認識における活用など,その応用分野は広く,その重要性は非常に高い.しかし,3Dモデルの作成には,未だ甚大なコストを必要とする.そのため,素早く,簡単に,しかも安価に3Dモデルを創り上げるための様々な研究が行われてきたが,その汎用的な手法は確立されていない. そこで,本研究では,前述の要求を満たすために,デジタルビデオカメラで撮影されたデジタル動画像から写真測量技術を用いた3Dモデルの自動生成を試みた.特に,被写体のオブジェクトの特徴点追跡に関する既研究の課題に取り組んだ.具体的には,テンプレートマッチング法の処理速度と移動と回転における精度の問題に関して,Harrisオペレータを利用したオプティカルフローによる動物体解析法を提案し,その問題の解決を行った.
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