知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
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25 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
目次
巻頭言
挨拶
解説
報告
書評
用語解説
  • 佐伯 幸郎
    原稿種別: 用語解説
    2013 年 25 巻 4 号 p. 130
    発行日: 2013/08/15
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー

    SDNは,ソフトウェアによりネットワークのパケットフローの制御を行う仕組みであり,OpenFlowあるいはProgrammable Flow が代表的な技術である.通常のネットワークスイッチは,L2スイッチでのブリッジやVLAN処理,L3スイッチでの IPヘッダによるルーティング,L4でのネットワークアドレス変換(NAT)やロードバランサなど,ネットワークのそれぞれのレイヤにおいて定められたパケット処理が行われるだけだが,SDNでは,L2, L3, L4など様々なレイヤを統合して扱い,それらの転送のためのルールをSDNコントローラで定義・制御する.各スイッチはSDNコントローラで定義されたルールを読み込み,それに従いパケット転送を行う.またコントローラとスイッチは,互いにフロールールや転送可否の問い合わせをOpenFlow などのプロトコルを用いてやりとりする.OpenFlow の場合,これらのルールはプログラミングを用いて定義するが,その言語としてCやRuby が用いられている.SDNを用いることで,VLAN 数の限界の克服,仮想サーバが大規模かつ複雑に存在するような場合における複雑なロードバランサの構築,複雑なマイグレーションなどが,フロールールを定義することで行えるようになる.また,知能化の観点からはソフトコンピューティングなどを適用した複雑な転送ルールを定義することも可能であろう.

  • 畠山 豊
    原稿種別: 用語解説
    2013 年 25 巻 4 号 p. 130
    発行日: 2013/08/15
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー

    機械学習分野におけるDeep Learningは,ニューラルネットワークと同じようなネットワーク構造を持つ学習アルゴリズムの一つである.Deep Learningでは通常のニューラルネットワークよりも階層数を多くしているモデルの総称であり,非線形関数に対する表現力が高くなっている.多層パーセプトロンのBack Propagation学習では,実際には層の数が大きいと誤差が拡散し隠れ層の学習が効果的に行えないが,Deep Learningでは一層ごとにUnsupervised Feature Learningで重みを決定し,逐次,次の層に対しても同じように行っていくGreedy Layerwise Unsupervised Pre-Trainingを行う.これらの研究は,2000年代後半より HintonやBengio らが精力的に研究し,近年画像認識などの応用分野において,LSVRC 2012での非常に高い認識率の達成や,Googleによる大規模画像認識への応用など,高く注目されるようになった.実際のアプローチは,Boltzmann Machineのエッジの状態を隠れ層と可視層の間にのみエッジを限定した Restricted Boltzmann Machine( RBM)などが重み学習に用いられる.また,Deep Learning の特徴として,全てのデータに教師ラベルを付与する必要がない点も,大規模データに適用する際には有用である.

会告
特集:「インテリジェント・スマートフォン」
論文概要
学会から
編集後記
特集論文: インテリジェント・スマートフォン
実践研究論文
原著論文
  • 坂上 裕都, 高間 康史
    2013 年 25 巻 4 号 p. 796-805
    発行日: 2013/08/15
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,すれちがい通信を用いた避難行動時の情報共有システムを提案する.災害発生時には被害状況を迅速に集約することが重要であるが,避難行動中は携帯端末などの操作は困難であること,広域ネットワークが利用できない場合も想定されるなどの問題があり,各避難者が発見した情報を共有・集約することは困難である.提案手法では,Bluetoothのデバイス検索を利用したすれちがい通信を採用することにより,広域ネットワークを利用しない情報交換を実現する.また,発信メッセージの自動選択手法により,端末操作なしで情報共有を可能とする.本論文では,実装したプロトタイプシステムを示すとともに,発信メッセージ自動選択手法の情報伝播特性をマルチエージェントシミュレーションにより示す.
  • 村上 龍希, 景山 陽一, 西田 眞
    2013 年 25 巻 4 号 p. 806-818
    発行日: 2013/08/15
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
     ビデオチャットにおいて,カメラから得られた映像を加工することなく相手に送信した場合,人物の背景情報(オフィスなどの部屋の内部)に含まれる個人情報も同時に相手に送信される.その対策として,オブジェクト(前景となる人物領域)のみをリアルタイムに抽出し,目的に応じて背景情報を任意の画像や映像に差し替える方法が有効である.また,差し替え画像に風景画像を用いた場合,背景の差し替えによって「風景画像の示す場にいるような映像」を送信可能である.しかしながら,前景と新しい背景の間に色味の差が生じることによって,背景差し替え映像に違和感を感じる場合がある.この色味の差異は,画像取得時における光源色の色温度の差に起因して生じる.そこで本論文では,色温度特徴に着目し,背景差し替えの違和感を軽減する方法を提案する.
     提案手法は3つのステップから構成される.はじめに,前処理として人物領域の抽出に用いる動的背景差分法の初期値を設定した.また,カメラ画像と差し替え画像の色温度推定を行い,色温度変換行列を生成した.次に,背景差分結果を用いて取得した人物領域に対して色温度変換を施した.最後に,色温度変換結果と差し替え画像を合成し,背景差し替え画像を取得した.
     被験者14名を対象とした評価実験の結果,提案手法は色被りのある風景画像を用いた背景差し替え映像の違和感を軽減可能であることを明らかにした.
ショートノート
  • 雨宮 智浩, 前田 太郎
    2013 年 25 巻 4 号 p. 819-825
    発行日: 2013/08/15
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,スマートフォン環境で動作する,心肺蘇生法(CPR)における胸骨圧迫動作の推定・教示システムの開発を行った.Android携帯端末に内蔵されたセンサ群によって胸骨圧迫動作のリズムや押し込み量を推定し,視聴覚・触覚的フィードバックを提示した.開発したシステムによるリズムと押し込み量の推定誤差をCPR練習用マネキン上で計測し,スマートフォンの装着方法や推定アルゴリズムを条件として比較評価した.また,適切な胸骨圧迫動作を教示する方法としてスマートフォンによる聴覚および触覚提示でリズムをフィードバックする手法の有効性について検証した.
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