Crambus virgatellus WILEMANナカグロツトガ最近BLESZYNSKI氏は雄交尾器の構造により本種をCalamotrophaに移された.しかし,雄交尾器はもとより,一般外部形態及び雌交尾器についても詳細に調べると,本種はCrambusに入れられる.Crambus pseudargyrophorus OKANOニセシロスジツトガ(新称)外観ではCrambus argyrophorus BUTLERシロスジツトガに似ているが,やや大形,前翅の白色縦条の下縁にある歯状突起は強く,亜外縁線の直前で前縁部に白色短線を現わし,外縁部は一層白色を帯びる.雄では白色縦条と亜外縁線との間に更に白色の条斑を現わす.交尾器ではナカグロツトガに近い.秋田県鹿角郡八幡平村及び岩手県紫波郡山王海で採れた.Crambus kuzakaiensis OKANOフトシロスジツトガ(新称)シロスジツトガやニセシロスジツトガに似ているが,前翅はやや幅広く,地色は白色,白色縦条はやや幅広く,その下縁に歯状の突起を欠く.交尾器にも明瞭な差異がある.岩手県下閉伊郡区界及び盛岡市上田で採れた.Calamotropha kikuchii OKANOキクチツトガ(新称)外観ではCalamotropha paludella HUBNERナカモンクロスジツトガに似ているが,前翅の外縁上に黒点を列べ,雄の後翅には黄色の毛塊を具える.雄交尾器ではCalamotrobha fulrilineata OKANOフタキスジツトガによく似ている.青森県下北群尻労町桑畑山で採れた.貴重な標本を提供された朝霧康雄氏,井上寛氏及び菊地正之氏に篤く御礼申上る.
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