蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
43 巻, 3 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 43 巻 3 号 p. Cover1-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 43 巻 3 号 p. App1-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 43 巻 3 号 p. App2-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 43 巻 3 号 p. App3-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 駒井 古実
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 151-181
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Andrioplecta属は1968年, ObraztsovによりLaspeyresia pulverula Meyrickを模式種とする単型属として創設された.その後,その属はほとんど注目されず,わずかにRazowski(1977)が世界のハマキガ科の属のカタログのなかでとりあげただけである.著者によるアジアのヒメハマキガ類の分類学的研究の中で,本属の上記の模式種以外に5新種を含む11種が追加されることが明らかになった.本論文ではこの属の再記載,種の記載,再記載を行うと共に,属の分類学的位置と単系統性,種間の系統関係についての考察を行った. Andrioplecta属はヒメハマキガ亜科(Olethreutinae), Grapholitini族に所属し,その中でStrophedra属ともっとも近縁である.これら2属はa)雌の後翅の翅刺は2本, b)雌交尾器のductus bursaeは細くて,ほとんど全体が硬化する,という2つの新形質を共有している. Andrioplecta属の単系統性は1)前翅の後縁1/3に黒褐色の斜横紋をもつ,2)雄後翅はRs脈を欠く,3)後翅のR_1脈は中室の1/2-2/3から出て,Sc脈と融合する,4)雌交尾器のcorpus bursaeの後腹面部からbulla seminalisがでる,という4つの固有新形質により証明される.種間の系統関係は図15に示した. Andrioplecta Obraztsov 1. oxystaura (Meyrick), n. comb. 以下の3種では前翅の黒褐色の斜横紋は明瞭で長い.開張:9-10mm.次種に酷似する.次種と同様雄交尾器tegumenの側面部に耳状のフラップをもつが,次種とはcucullusの外面から生じる1-2本の刺を有すること, aedeagusに3-4本のcornutiを有することで区別できる.雌では次種と区別できない.分布:タイ,中国. 2. suboxystaura Komai, n. sp.開張:10-11.5mm.分布:タイ. 3. phuluangensis Komai, n. sp.上記2種に似るが本種のほうがやや大型(開張:12.5mm).雄は未発見.分布:タイ. 4. pulverula (Meyrick)開張:10-13.5mm,本種は後翅の中室に細長い白色斑を有すること,前翅の黒褐色の斜横紋は不明瞭で通常後縁に達しないことで,他種と区別できる.幼虫はナラ類に寄生するタマバチのゴールを食する.分布:インド北部,朝鮮,日本. 5. moriutii Komai, n. sp.開張:11.5mm.前翅基部に小黒点を有すること,後翅に大白斑をもたないことで,他種から区別できる.雌は未発見.分布:タイ. 6. rescissa (Meyrick), n. comb.開張:14mm.次種に似る.本種と次種の雄後翅には,大きな白斑がある.次種とは前翅肛角付近の黒褐色紋と斜横紋とが接近していること,雄後翅の外縁は曲がりくねることで区別できる.幼虫はCynometra cauliflora (マメ科)の種子を食する.分布:ジャワ. 7. leucodora (Meyrick), n. comb.開張:13mm.幼虫はカイガラムシの一種を食する.分布:フィリピン. 8. subpulverula (Meyrick), n. comb.開張:12-14mm.前翅のほとんど全面にまばらに黄土白色点が散布されること,斜横紋が大変不明瞭であることで,他種から区別できる.幼虫はParashorea属, Dipterocarpus属(フタバガキ科)の種子を食する.分布:ジャワ,マレーシア. 9. shoreae Komai, n. sp.開張:雄,12-13mm,雌12.5-14mm.次の4種と近縁である.雄交尾器のaedeagusの前背部に略卵形の骨片をもつのが特徴である.幼虫はShorea属, Dipterocarpus属(フタバガキ科)の種子や実生を食する.分布:タイ,マレーシア,ボルネオ. 10. sp. A 開張:14mm.前種と区別できないが,標本の状態の悪い雌1頭に基づく上に,前種の分布域とは遠く隔たっているので同一種にしなかった.分布:日本. 11. sp. B 開張:11.5mm.明らかに新種であるが,標本の状態がよくないので,命名しなかった.雄交尾器はA. shoreaeに似るが, aedeagusの前背部には略卵形の骨片を欠いている.雌は未発見.分布:タイ. 12. dierli Komai, n. sp.外見はA. pulverulaに似るが,後翅中室の白色斑を欠いている.幼虫はShorea属(フタバガキ科)の種子を食する.分布:ネパール,インド北部.
  • 井上 寛
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    N. coffeata (ルソンとミンダナオ)とN. semililacina (台湾)という新種を記載した.後者は,張, 1989,台湾蛾類図説(1):113でN. lilacina (Moore)として雌雄の原色写真が示されている. N. semililacinaは,外観ばかりでなく,雄交尾器の形態がlilacinaとかなり大きな差異がある.
  • 井上 寛
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 187-189
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Cadiou & Kitching, 1990の研究でA. placida semiplacida Inoue, 1990マルモンホソバスズメという台湾亜種は種に昇格され,インド北東部,ネパール,ミャンマー,中国南部に分布していること,タイ国北部に別の1新種A. montanaが分布していることが明らかとなった.ネパールのplacidaは,インド北西部の原名亜種とくらべ,雄交尾器のharpeと第8腹板の突起に安定した差があるので,本文でnepalplacidaという新亜種として記載した.なお, D'Abrera, [1987], Sphingidae Mundi: 55, fig.のOxyambulyx placidaはsemiplacidaである.
  • 山本 晃, 竹井 慎
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 190-192
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ミンダナオ島北東部ディウアタ山系のヒロンヒロン山よりEuploea blossomaeの1新亜種subsp. hilongensisを記載した. E. blossomaeはフィリピン群島のおもだった島々から6亜種が知られている.ミンダナオ島からはsubsp. sibulanensis Jumalon, 1971 (基産地,アポ山)が記載され,これまで同島の地理的に隔たった他の山地に産するいずれもがsibulanensisとされていた.新亜種hilongensisはsibulanensisに近似するが,後翅の表・裏面ともに外縁紋列を現わす点で異なり,容易に区別できる.
  • 高波 雄介
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    これまでに知られたスラウェシ島(周縁の小島を含む)産のRapala属のシジミチョウは5種と考えられ,これらに与えられたと思われる種小名は14を数える.このうち♂♀共にその表面が青紫色を帯びるRapala manea manea (Hewitson, [1863])とRapala varuna olivia H. H. Druce, 1895の2種に対しては,それぞれ単数の種小名が亜種名として当てがわれている.一方,♂表面に赤橙色斑を持ち♀表面が紫色を帯びないRapala dioetas (Hewitson, [1863]), Rapala ribbei (Rober, 1886), Rapala enipeus (Staudinger,1888)の3種に対しては,それぞれ複数の種小名がある.これらの一部は再検討された(Takanami, 1989)が,依然不明確のままに残されたものがあった.今回,1新種を含めてこれらを整理する機会を与えられたので,手持ち資料の範囲でまとめた. Rapala ribbei (Rober, 1886)♂表面の赤橙色部は発達し,特に後翅では黒縁はほとんど糸状になる.♂後翅表面第7室基部の半円形の性斑に加え,第6脈基部には比較的大きい三角形の第二性斑を現す.♀表面の地色は暗褐色で,輪郭の不明瞭な黄燈色部を前後翅に現すものから,これを全く欠くものまで変異の幅が大きい.一般に南部の産地の♀は黄橙色部が発達し(ribbei),中北部の産地のものは黒い個体(colossus)が多い.普通他のスラウェシ産Rapala各種に比べ大型だが, irregularisのような小型の個体も見られる.スラウェシ本島各地から得られているが個体数は多くない. Rapala dioetas (Hewitson, [1863])♂表面赤橙色部は,普通前翅の中室下半部から第1b室基半部にかけて,後翅の第2-4室基半部に現れるが,特に後翅ではenipeusに比べ発達が悪く,小型の個体においてはしぼしば消失する.また中にはenipeus同様,表面橙色部が目だって黄橙色になる個体もあり,後模式はまさにその型である.♂後翅表面第7室基部の性斑は半円形のやや明るい灰褐色で,第6脈基部にはenipeusやribbeiに見られるような第二性斑は普通現れないが,大型の個体には稀に微かに認められる場合がある.♂前翅裏面後縁部の毛束は灰褐色のものが多い.♂交尾器phallus尾端部の形状は丸く,開口部の中央に大きな鉤爪状突起が1個ある.♀は通常くすんだ黄橙色斑を前翅表面に現し,その広がりは♂よりもやや狭く輪郭はぼやける,スラウェシ島全域に広く分布し, Banggai島産にbangkaiensis,南部Salayar島産にnoachisなどの名があるが,同じ産地内の個体変異の幅が大きく,地理的な亜種は認め難い. Seitzにより図示されたzyldaも記載文はないが,恐らく本種と考えられる(Corbet, 1942). Rapala enipeus (Staudinger, 1888)♂表面赤橙色部はdioetasよりも発達し,前翅ではdioetas同様に現れるが第1b室でやや大きく広がり,さらに後翅では第2-5室に幅広く現れ中室内にまで及ぶ.中には赤橙色部がribbeiのように後翅第6室内にまで広がる個体(bonthainensis)もある.またdioetas同様,♂には表面橙色部が著しく黄色くなる個体(cindy)がある.♂後翅表面第7室基部の半円形の性斑はdioetas同様だが,第6脈基部には小さいながらも特殊鱗の集まった筋状の第二性斑を持つ.♂前翅裏面後縁部の毛束はdioetasよりやや明るい黄褐色のものが多い.♂交尾器phallus尾端部の形状は頭方向に向かって右角が角張り,開口部の左右に大きな鉤爪状突起が1個ずつある.♀表面は一般に暗灰褐色だが,前翅第3室基部を中心に微かに黄橙色部を現す個体もある.dioetas同様スラウェシ島のほぼ全域から知られる. Rapala cassidyi sp. n.額部は白色.触角は33節.脚部はdioetas同様に黒地に白の横縞.♂表面地色は黒褐色.黄橙色部は著しく減退し,前翅第1b-2室および第3室の基部に中室下脈に沿って細長く直線状に現れ,後翅では第2-4室基半部に微かな橙色鱗粉の散布が見られるのみ.また前翅翅頂部及び前縁は白くなるが,これは近似のdioetasやenipeusには全く見られない特徴である.また♂後翅表面第7室基部の半円形の性斑は著しく小型で,dioetasなどと比較して面積比は約5分の1程度,幅は約1mm,またdioetas同様第二性斑を現さない.裏面色斑はdioetasとほとんど同じで地色は黄土色,前翅後縁の毛束は灰褐色.♂交尾器phallus尾端部の形状は,頭方向に向かって右側に筋が入り右角に短い突起を持ち,開口部左側には大きな鉤爪状突起が1個現れる.♀は未知.今のところスラウェシ島中北部からのみ得られている.本種は表面上dioetasあるいはenipeusの黒化型に見えるが,色斑のほか性標や♂交尾器にも安定した差異が認められ別種と判断される.
  • 井上 寛
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 203-210
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ネパールからシャクガ科の4新種と1新亜種を記載し,属のシノニムと種のシノニムをそれぞれ整理した.Ctenognophos grandinarius (Motschulsky)ハガタキエダシャクに近縁なC. zelotypus Inoueのほかは,日本産の種と近縁な種は含まれていない.
  • 中村 正直, 吉安 裕
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ギンツバメAcropteris iphiata (Guenee)の幼虫と蛹の形態並びに習性について記載した.本種の幼虫はガガイモの葉を食するが,この植物が出す乳液を避けるためか,写真にみられる如く葉を分脈の間でほぼ円形に截り取る特異な喰べ方をする.最近,Minet (1983)は主として雄,雌成虫の鼓膜器官の特異な位置や形態の比較検討から,ギンツバメの属するツバメガ科Uraniidaeにフタオガ科Epiplemidaeを合一させた.この両科の幼生期の形態について比較した結果,幼虫では各胸節共V1を欠き,第1,2腹節のD2がD1に近接し,各腹節のL1が気門の腹方に位置し,SL2を有するなど,蛹では,同一の特異な刺毛式を示す他,下唇髪や小服鬚が現れず,前脚の基部が上唇の位置より頭方から認められ,後翅が腹中部で小さく現れ,また類似した構造の繭を造るなど多くの共通の形質を示すことが判明した.従ってMinetの取り扱いは幼生期の形態上からみても妥当なものと考えた.これらの形質の幾つかはまたシャクガ科の幼生期とも共通したものである.
  • Jacques Plante, 吉本 浩
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 217-220
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    インドの西ベンガル地方および中国,ネパールから,Aletia-placida群のキヨトウの2新種を記載した. Aletia legraini sp. n.インドの西ベンガル(Kurseon-Burbon, Darjeeling)の標本に基づく.雄交尾器はA. subplacida Sugiに似る. Aletia bicolorata sp. n.インドの西ベンガル(Kurseon-Burbon, Tindharya)とネパール(カトマンズ郊外Godavari)の標本を基に記載した.後翅内半が淡黄色を示す顕著な種である.陳(1982)によりLeucania modesta Mooreとして図示された雄(中国蛾類図鑑3, pl.92:2200)は本種かも知れない.なお本報では,Honeコレクションに基づき,中国からA. bani Sugi(ミカワキヨトウ)およびA. subplacida Sugiを記録した.いずれも大陸からの最初の記録となる.
  • 有田 豊
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 221-224
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    日本に後脚の非常に長い奇妙なモモブトスカシバが居ることは以前から知られていた.また,この種が蔓植物であるウリ科のゴキズルActinostemma lobatumの葉や果実に産卵することも知られていた(行徳,1964:2).この種は調査の結果,中国の上海から記載されたMacroscelesia longipes (Moore, 1877)であることがわかった.しかし後脚のtibial tuftの色彩がより茶色いことで原名亜種と異なることが明かとなった.そこで日本の個体群を新亜種として記載した.和名はアシナガモモブトスカシバ(新称)としたい.食草のゴキズルは池の周辺や河川に沿った所に生える植物なのでアシナガモモブトスカシバもそのような環境で見いだされる.
  • 刈谷 啓三
    原稿種別: 本文
    1992 年 43 巻 3 号 p. 225-230
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Geographical variation of Papilio lorquinianus Felder (C.) & Felder (R.) from the Moluccas, Indonesia, was reviewed and a new subspecies, Papilio lorquinianus boanoensis ssp. n., from the island of Boano, off the coast of western Seram, was added.
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 43 巻 3 号 p. App4-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 43 巻 3 号 p. App5-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 43 巻 3 号 p. Cover2-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 43 巻 3 号 p. Cover3-
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
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