蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
58 巻, 3 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 58 巻 3 号 p. Cover1-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App1-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App2-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App3-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App4-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App5-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 中谷 貴壽, 宇佐美 真一, 伊藤 建夫
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 253-275
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    日本列島に分布する高山性生物が,いつどのようなプロセスを経て大陸から渡来したか,また第四紀の気候変動に適応して列島内でどのような分布の変遷を経たかについては,古くから多くの考察がなされてきたが化石の残りにくい生物についての研究は少ない.最近の分子情報に基づく研究では高山植物エゾコザクラとヨツバシオガマに関するものがある.いずれの種も本州に南北2系統が存在しその境界は東北地方にある.このような分布状態を形成したプロセスとして,南系統は本州中部山岳地域を温暖期のレフュジアとして残存しその後の寒冷期に新たな系統が再度大陸から渡来して北系統となったというシナリオが提唱されている(単一レフュジアモデル).しかし移動力を有する動物では,気候変動など環境条件の変動によく追随して移動できるため,植物とは違ったシナリオが存在する可能性がある.本州の複雑な山岳地形やそれに基づく微気象などから,日本列島に複数のレフュジアが存在した可能性が考えられる.すなわち温暖期に複数のレフュジアに避難することで地理的に隔離された結果遺伝的に特化した個体群が,その後の氷河サイクルに反応して分布を拡大・縮小することで複数の系統として今日に至っているというシナリオである(複数レフュジアモデル).このような可能性を調べるためには,調査対象生物は次のような特性を備えていることが必要である.(1)環境の変化に反応して好適な環境へ容易に移住できる移動能力を備えていること.(2)個々の個体は通常はあまり移動を行わず,生まれた集団にとどまっていることで,個体群としては系統地理的情報を継承していること.(3)生息可能な環境が地理的に狭くても継続して生息できること.(4)離散的ではあっても現在広域に分布していること.ベニヒカゲはこれらの条件を備えており,第四紀氷河サイクルの気候変動によく追従して分布を拡大・縮小すると共に,その歴史的変遷の履歴を集団の遺伝的構造に残している可能性が高いと期待される.ミトコンドリアDNA (mtDNA)のND5の一部(432bP)およびCOIの一部(510bp)の塩基配列を決定し,これらを結合した配列(942bP)に基づいてハプロタイプを検出した.分析したサンプルは北海道産119個体群147個体,本州産170個体群276個体,合計289個体群423個体である.その他参考用としてモンゴルハンガイ山脈産,ロシアアムール地域産各2個体を用いた.検出されたハプロタイプは,北海道産22,本州産25,合計47タイプであり,統計的最節約法により系統関係を推定すると,大陸産,北海道産,本州|産の3つのクレードに分岐し,それらの集団間の塩基置換は非常に大きく,一つのネットワーク樹に結合しない(Fig. 3).サンプル収集地点を北海道12,本州17の地域に分けて,AMOVAにより分散分析を行うと地域間の分散比率が有意に大であり,遺伝子流動が制限され集団間に地理的な隔離があることを示唆している(Table 2). Nested Clade Phylogeographical Analysis (NCPA)により集団に起こった過去の遺伝的イベントを解析した.Inference key (Templeton,2004)によると,日本列島におけるベニヒカゲの分布変遷の歴史は,異所的分断と連続的な分布の拡張または分散の複数回の繰返しであることが示唆される(Table 3).本州集団の4-2, 3-4, 2-8, 1-21の各クレードが全て統計的に有意と推定されているので,これらについて歴史的プロセスを追ってみると(Table 3),地理的に分化していない単一の遺伝的特性を有する集団が,温暖期な間氷期に異所的な2集団に分断される(クレード4-2).その内クレード3-3の集団は本州東北部に主として分布する北方系統であり,クレード3-4は中部地方に分布する南方系統である.次の氷河期に北方系統(クレード3-3)はrange expansion,南方系統(クレード3-4)はdispersalと推定されるように両系統は共に分布を拡張した.南方系統では分散に続いて,クレード2-7, 2-8, 2-9において過去の分断とそれに続く分布の拡張,または地理的距離により制約された遺伝子流動が生じた.クレード1-21では,引き続いて最新の分断が生じ,現在の分布域にみられるような分断分布が成立した.地理的に隔離された二つの集団間では遺伝的に異なるハプロタイプが固定される.その後の環境条件改善に適応して分布が拡大すると,再び集団が出会って(二次的接触)二つのハプロタイプの混生状態が生じる可能性がある.筆者らは二次的接触の痕跡と思われる広域分布型ハプロタイプの混生地を発見することができた.すなわち次の二箇所である.(1)北海道西部系統の分方城である幌延町中間間に東部系統のハプロタイプ(HD000)が分布する.(2)谷川連峰の一部で本州北部系統と南部系統が分布する(Fig. 6).また同系統内の広域分布型ハプロタイプの二次的接触跡として次のような場所がある.(3)飛騨山脈の白馬岳以北に妙高山系のハプロタイプ(CH110)が分布し,逆に妙高山系の一部に飛騨山脈のハプロタイプ(CH120)が分布する.(4)上位地域の岩菅山に妙高山系のハプロタイプ(CHHO)が分布する.これらは温晩期に飛騨山脈,妙高山系,上世山系に隔離された集団内で,それぞれ別のハプロタイプが固定され,その後の寒冷期に分有を拡大した結果二次的接触を生じ,その複の温晩期に再び隔離され相手側の集団内に一部の個体群が残存している状態であると解釈される(Fig. 7).(5)朝日連峰南西端に焼石山系のハプロタイプ(NS150)が分布する.NCPAによる解析と二次的接触の具体的事例から,次のような分布変遷プロセスが示唆される.つまり,温暖な間氷期には北海道,本州ともに2ケ所のレフュジアが存在し,長期にわたり隔離された結果,北海道東部・西部,本州北部・南部のそれぞれ2系統の広域分布型ハプロタイプが生じた.次の寒冷期に分布を拡大した結果二次的接触を行い,後氷期になって再び分断され現在に至っている.二次的接触の痕跡の発見は,氷河サイクルに適応して分布拡大,縮小を繰返した直接的な証拠であると解釈される.日本列島における高山性生物の由来については,大陸からの複数回にわたる渡来というシナリオだけではなく,列島内の複数地域がレフュジアとして機能することで,複数の系統に分岐したケースも多いと思われる.本研究では氷河サイクルに適応してベニヒカゲ集団が分布の分断・拡大を繰り返した証拠となる二次的接触の跡を発見したが,これは現在の分布域を広くカバーする地域からサンプルを収集した成果であって,他の生物でもサンプル収集の密度を高めれば,二次的接触の跡が見つかる可能性が高いであろう.
  • 高橋 真弓
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 276-280
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Ypthima wenlungi sp. nov. is described and illustrated from the southern part of Taiwan especially in comparison with Y. multistriata and Y. esakii.
  • 安 能浩, 裴 良燮
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 281-304
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    韓国産Ancylis(カギバヒメハマキ)属のヒメハマキ18種について総説し,検索表を提出するとともに,A. geminana (Donovan)ナミモンカギバヒメハマキを除く17種について,成虫の全形図および雌雄交尾器図を掲載した.これらの内3種(A. kenneli Kuznetzov チャモンカギバヒメハマキ,A. loktini Kuznetzovコカギバビメハマキ,A. nemorana Kuznetzovカギバヒメハマキ)は韓国未記録で,カギバヒメハマキは江原道で得られた3♂,コカギバヒメハマキは江原道,全羅南道ならびに済州道産の5♂5♀,チャモンカギバヒメハマキは江原道産の1♀を記録した.また,A. uncella ([Denis et Schiffermuller])ウスベニ力ギバヒメハマキはこれまで北朝鮮からは記録があったが,今回江原道で得られた2♂を記録した.長らくA. hylaea Meyrickと同定されてきたナツメカギバヒメハマキは,日本での状況と同じく(奥, 2003),真のhylaeaとは別種で,A. saliva Liu, 1979の学名を当てた.本種は韓国ではZizyphu jujube M.ナツメ(クロウメモドキ科)の重要害虫となっている.他種については,韓国では幼生期の判明していないものが多い.A. unguicella (Linnaeus)を除く17種は日本との共通種である.
  • 松本 陽介, 立川 周二, 岡島 秀治
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 305-316
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Butterfly assemblages were investigated through the transect method at three study sites in Yato (valleys in hill land) of Atsugi City, Kanagawa Prefecture, central Japan, from April to November, 2003-2005. Three sites were environmentally different in their land use. Cessation of the farming field and subsequent vegetation succession influenced the butterfly assemblage, and the composition of species decreased. It is suggested that artificial management of environment is necessary for maintaining biodiversity of butterflies in Yato.
  • 中村 和夫
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 317-340
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Six letters sent from M. A. Fenton to C. Ishikawa in the 1880s are preserved in the University Museum of Tokyo, and now shown for the first time. As Ishikawa later became a Professor of Zoology in the University of Tokyo, the letters contain many biological and entomological topics of historical interest. These letters reveal new facts about the early period of modern Japanese lepidopterology. A letter written in the summer of 1884 demonstrates a hitherto unknown contribution of Fenton to the identification of a Luehdorfia butterfly, which was newly discovered in the mainland of Japan by Y. Nawa in April, 1883. A tentative 127 species catalogue of Japanese butterflies compiled at that time is restored from the letter and related references. Serial numbers from the list were used in the letter to designate the butterfly species, for the convenience of mutual communication.
  • V. G. MIRONOV, A. C. GALSWORTHY, 矢崎 克己
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 341-363
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    台湾産カバナミシャク属Eupitheciaを再検討し,45種に整理した.これらの中には7新種(E. concava, E. flavimacula, E. lini, E. blandula, E. rhadine, E. lupa, E. pellicata)を含むほか,4種(E. proterva Butler ウスカバナミシャク,E. tricornuta Inoue セアカカバナミシャク, E. centaureata ([Denis & Schiffermuller]), E. albigutta Prout)の台湾未記録種を含む.また,台湾ならびに中国大陸より記載された数種を既知種のシノニムとしたほか,これまで一方の性しか知られていなかった数種について,反対の性の標本が得られたものでは,交尾器の記載も行った.
  • 大久保 潔
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 364-366
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Hypolycanea asahi sp. nov. (Figs 1,2) ♀.後翅裏面第2室,第3室の亜外縁に大きな黒色斑を有するなどの点でフィリピンに産するH. shirouzi (Hayashi, 1981)やH. toshikoae Hayashi 1984に類似しているが,前翅表面に大きな中央白斑を有し,後翅表面亜外緑部に橙色部を欠くことなどで容易に区別できる.♂は未知.アンボン島より得られた. Bindahara meeki moluccana subsp. nov. (Figs 3-5) ニューギニア本島およびその周辺より知られる原名亜種meeki (Rothschild & Jordan, 1905)と比べると,表面は前翅外緑部の暗紫色部がより広く,後翅後角部の赤橙色部はより狭い,裏面の各線条は橙色で明瞭に縁取られ,後翅外中央帯1b,2,3の居室には赤翅色斑を有するなどの違いがある.ハルマヘラ島,モロタイ島より得られた.
  • 阿部 東, 工藤 貢次, 斉藤 和夫
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 367-370
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ウラキンシジミ Ussuriana stygianaとチョウセンアカシジミ Coreana raphaelisの染色体を調査した.ウラキンシジミ2n=102(大型4を含む),n=51(大型2を含む) チョウセンアカシジミn=51(大型1を含む)である.ウラキンシジミについてはMaeki & Remington (1960)によるn=47の報告があるが,今回の結果はこの報告と異なっていた.
  • 佐藤 力夫
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 3 号 p. 371-378
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Holloway (1994)は,ボルネオからMonocerotesa属4種を記録し,そのうちminutaの分布域に疑問符を付してSumatraを加えているが,同島からこれまで確実な本欄の記録はなかった.本報では,故Dr E. W. Diehl (Sumatra)とMr M. Sommerer (Munich)の採集品を中心に,筆者自身が1985年に採集した標本も加えて検討し,1新種を含む6種を確認することができた.固定にあたっては,イギリス自然史博物館(BMNH)にある関連するタイプ標本を交尾器を含めて調査した.M. commissa (Prout). BorneoからM. strigata (Warren)(Sikkim)(欄のタイプ種)の亜種として記載され,Holloway (1994)もそれに従っているが,タイプ標本を比較した結果,外観,雌雄交尾器に明らかな差異が認められるので,種に昇格した.M. minuta (Warren)(雌交尾器初図示),M. proximesta Holloway(雌交尾器初図示),M. hypomoesta (Prout)(雄交尾器初図示),M. locoscripta Holloway(雌交尾器初図示).M. sumatrana Sato.新種として記載.現時点でSumatra以外からは未知.
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App6-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App7-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 58 巻 3 号 p. App8-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 58 巻 3 号 p. Cover2-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 58 巻 3 号 p. Cover3-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
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