特殊教育学研究
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26 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 佐竹 真次, 小林 重雄
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 1-9
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    実験1では、1名の自閉症児(CA6歳2ヵ月〜7歳4ヵ月)と1名の普通乳幼児(CA6ヵ月〜1歳5ヵ月)における伝達機能プロフィールの発達的変化を比較した。普通児においては、物理的必要を満たすための環境的相互作用的伝達機能は発達の初期からよく出現していた。社会的相互作用的伝達機能は、初期から出現している友好表示を基本として、差し出し、社会的ルーチンの要求、情報の要求、コメント(相互作用的命名)の順に階層的に発達していた。自閉症児においては、環境的相互作用的伝達機能はよく出現していたが、社会的相互作用的伝達機能は当初ほとんど出現していなかった。実験2では、自閉症児に対してボールのやりとり行動(turn-taking)の訓練を行い、その獲得が伝達機能に及ぼす効果を検討した。ボールのやりとり行動が形成され、笑顔や言語賞賛で維持されるようになるにつれて、コメント、友好表示、差し出しなどの社会的相互作用的伝達機能が増加した。
  • 柿沢 敏文, 中田 英雄, 谷村 裕
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 11-19
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    弱視者11名と晴眼者6名の滑動性眼球運動をEOG法(DC記録)を用いて測定した。被検者の眼前50cmあるいは100cmに、視角±10°で正弦波状に0.2Hzから1.45Hzまで5段階の周波数で水平方向に移動する視標を配置した。視標の追視によって生じる眼球運動のEOGをコンピュータ分析し、振幅比、位相角および時間ずれを求めた。その結果、晴眼者は視標の周波数が大になると振幅比と位相角の値が徐々に低下した。時間ずれはいずれの周波数の視標に対してもほぼ一定の値を示した。弱視者の振幅比と位相角の値は視標が比較的低周波数の段階で急激に低下した。時間ずれは視標が高周波数になるとともに大となった。また、弱視者は顕著な個人差が認められた。これらの結果から、弱視者は視標が比較的低周波数の段階で滑動性眼球運動の調節が限界に達すること、視標を中心窩ではなく網膜の周辺部で捕えていること、滑動性眼球運動の調節の時間的側面に問題があることがわかった。
  • 園山 繁樹, 秋元 久美江, 板垣 健太郎, 小林 重雄
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 21-32
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    これまでK幼稚園で行われてきた障害児のメインストリーミングの実践を総括し、応用行動分析に基づく自閉性障害児のメインストリーミングの可能性について考察した。その結果、以下のことが示唆された。(1)単に障害児と健常児の保育の場を一緒にするというだけでなく、意図的な教育的介入がなされなければならない。(2)子どもの社会的相互作用を深めるには教師の果たす役割が大きく、特に障害児との人間関係を深めることが重要である。(3)応用行動分析に基づく「機会利用型指導法」は、幼稚園におけるメインストリーミングの新たな方法として有望であると思われる。(4)メインストリーミングは障害児と健常児が共に生きていく社会の基盤といえるものであり、社会的環境としての幼稚園の文化をより有効なものにしていく努力が必要である。
  • 野崎 和子, 望月 昭, 渡辺 浩志
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 33-42
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    聾精神遅滞者のコミュニケーション行動の実態と進展の可能性について、愛知県下における精神遅滞者を対象とする全施設に、アンケート調査し、次いでその結果を確認・補填する訪問調査を行った。調査の結果と、筆者らによって行われてきたコミュニケーション行動の進展の可能性を確認する訓練および付加的な実験の結果などから、以下のことが明らかになった。(1)聴覚障害を伴う精神遅滞者は、通所施設で1.1%、居住施設で2.1%、調査対象施設外で1.5%の割合で在籍(在住)していた。(2)対象者の多くに指さしや、簡単な身振りが見られているが、これらは周囲を含めたトレーニングおよび日常での継続的な援助があれば、手話言語によるコミュニケーション行動へと進展する可能性がある。(3)処遇の特徴として、普段は手のかからない静かな対象者と考えられており、職員との日常的な関わりが少ない等の傾向が見られた。この処遇の特徴は、一方でコミュニケーション行動の進展の必要性が意識されながらも、現実的にはそれが発展しにくい原因の1つと考えられる。
  • 長田 実, 安藤 隆男
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 43-48
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、自傷行動を主訴とするL-N症児に対して、動作法を用いた訓練効果についての事例報告である。対象児は、11歳5ヵ月の男子で、9歳6ヵ月から1年11ヵ月にわたって訓練を実施した。その結果、対象児の特徴の一つである身体各部への自傷行動は減少傾向を示した。また、この状態が日常生活(家庭生活)においてどのように定着していったかを母親の評定をもとに分析したところ、自傷の頻度や強さは減少した。このことから、動作法は心身の自己制御能力を高め、自傷行動の軽減に有効であることが示唆された。
  • 石渡 和実, 小川 浩
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 49-53
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 田中 美郷
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 55-61
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 浜 孝明
    原稿種別: 本文
    1989 年 26 巻 4 号 p. 63-67
    発行日: 1989/03/17
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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