特殊教育学研究
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24 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 熊谷 高幸
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    自閉症児は、すでに言語を有する水準に至っても、種々の文法障害を示すと言われている。本研究では、軽症の自閉症児を被験児として、ルリヤの神経言語学的分析法を用い、その言語障害の特徴を分析することにした。ルリヤによれば、力動失語症患者は動詞想起と文構成に、意味失語症患者は名詞想起と論理・文法的理解に障害を示す。これら二種の対立的な言語障害のうちどちらが自閉症児の言語障害に類似したものとなっているだろうか。実験の結果、自閉症児群は群全体として見ると普通児群と比べて力動失語症患者に類似した障害の内容を有することが明らかとなった。また、知能障害児群の被験児の一部は自閉症児群と同様の反応パターンを示し、群全体としては、上記二群の中間に位置する結果となった。
  • 木舩 憲幸
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、精神薄弱児に対する普通児の態度と交流経験の関係を検討した。交流経験については、日常交流経験、行事交流経験、教科交流経験をとりあげ、それぞれ有無の2水準で2×2×2の要因計画を用いた。態度については、精神薄弱児の能力や性格に関する好意的イメージと、仮設場面での受容的態度をとりあげた。対象児は小学校4年生937名である。その結果、(1)3種類の交流経験をもつ子どもは全被験者の約7%、全く交流経験のない子どもは約半数であり、全体的に交流経験の乏しい事が明らかとなった。(2)受容的態度得点の分散分析によれば、日常交流経験と行事交流経験のある子どもは、そうでない子どもより受容的である。(3)好意的イメージ得点の分散分析では、3種類の交流経験の主効果とも全て有意であった。(4)受容的態度得点と好意的イメージ得点の間には、.43の有意な相関係数がみられた。
  • 上原 則子, 小林 芳文
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 20-28
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、調査研究によって肢体不自由児の睡眠-覚醒リズムのパターンを明らかにし、安定的な睡眠-覚醒リズム形成のためにムーブメント活動がどのような関わりを持つかを実験研究で明らかにすることであった。調査研究では肢体不自由児85人、実験研究では多相性睡眠を示している重度の肢体不自由児10人を対象児とした。その結果、(1)肢体不自由児の睡眠-覚醒のリズムは学齢期にあっても乳児型の未熟な多相性睡眠を示し、それは自力移動不能群に多いことがわかった。しかし加齢発達に伴い減少する傾向があった。(2)多相性睡眠を示している重度の肢体不自由児に、前庭刺激及び筋感覚刺激を中心としたムーブメント活動を1日1回、およそ1ヶ月半にわたり他動的に与えたところ、睡眠-覚醒リズムに好転を示した児童は90.0%であった。このことにより、ムーブメント活動は重度の肢体不自由児のより良い睡眠-覚醒リズムの安定化要因となることが明らかになった。
  • 平 美穂子
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は46指文字のIntelligibilityについて、呈示時間及び受容者の聴覚障害の有無・指文字の経験年数による変動を、その受容率、誤読傾向の観点から検討した。呈示時間0.67秒、0.33秒、0.20秒の3段階で録画した指文字を聴覚障害群・経験上位群(経験年数2年半以上の健聴者)・経験下位群(同半年未満の健聴者)に対して呈示し、仮名により応答させた。分散分析・階層クラスター分析の結果から以下の知見を得た。(1)呈示時間が長い時3群間に差はなく、短い時、聴覚障害群-経験上位群-経験下位群の順で有意に正答率が高い。(2)3群共に0.67秒-0.33秒間で差がなく、0.33秒-0.20秒で有意差が見られたことからこの範囲内に読み取り易い時間の臨界値があると考えられる。(3)2文字乃至数文字の特定の混同し易いグループがクラスター化されるが、互いに混同し易いという相互関連性ではなく、ある文字を同グループ内の他の文字と誤り易いという一方的関係が成り立っている。
  • 岡 茂
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 安藤 隆男
    原稿種別: 本文
    1986 年 24 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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