薬剤師法には患者等に対する情報提供義務が明記されており,その有効な手段の一つとして薬剤情報提供文書が挙げられる.しかし,その書式はベンダや各薬局に委ねられているのが現状であることから,文書の現状を調査した.
調査は使用ベンダ,文書のフォーマット,記載項目と優先項目,抗がん剤における説明の記載について行った.
使用ベンダは上位2社で50.7%と過半数を占めていた.文書はA4版が72.6%,カラー印刷91.6%と最も多かった.文書に記載している項目は薬剤基本情報が上位を占めたが,実際に使用している項目は個々の患者に関する情報が優先される場合もあった.また,抗がん剤の文書へ記載する文章は,がん・悪性腫瘍等の語句は使用しないが,文面から抗がん剤であることがわかる記載が52.7%と最も多かった.
文書の書式等が異なると,患者は混乱をきたす恐れがあることから,可能な限りベンダ間で統一する必要がある.また,記載する項目は患者基本情報を中心にして,患者個々に対応する必要がある.
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