医療情報学
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27 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
技術ノート
  • 黒田 知宏, 竹村 匡正, 高埜 恭一, 井上 泰彰, 三浦 宏喜, 吉原 博幸
    2007 年 27 巻 4 号 p. 355-363
    発行日: 2007年
    公開日: 2015/04/24
    ジャーナル フリー
     病院情報システムが一般化し,日常の診療を記録するツールとして広く用いられるようになるにつれ,近年急速に発達した情報機器を用いて得られる様々な情報が病院情報システムに収納されるようになりつつある.診療録を構成するメディアは見読性の観点から文字と画像に限定され,文字情報はRDB,画像情報はPACSに保存性・真正性を担保された形で保存されている.管理とアクセスを容易に保つためには新たに収納される情報についても,文字・画像両メディアに特化した保管システムに統一して保存することが好ましい.筆者らは,病院内で発生する様々な画像情報を旧来の放射線画像と同様の枠組みで取り扱えるようにすることで,保存性・見読性・真正性を担保し,アクセスしやすい形で管理する方法を提案し,京都大学病院情報システム上で実現した.本稿では,情報発生源の性質が旧来の診療機器と異なるデジタルカメラを病院情報システムに組み込む,ネットワークデジタルカメラシステムを中心に述べる.
  • 佐藤 康仁, 吉田 雅博, 山口 直人
    2007 年 27 巻 4 号 p. 365-375
    発行日: 2007年
    公開日: 2015/04/24
    ジャーナル フリー
     診療ガイドラインの一般への公開は,書籍,雑誌記事,CD-ROM,Webサイト等,さまざまな媒体を用いて行われている.インターネットを通じた情報提供は,膨大な情報を提供できる点,効率よく検索できる点,継続的に改定できる点,安価に情報提供できる点,フィードバックを容易に受け付けられる点等,利点が数多くあるため,近年盛んに行われている.我々は,2002年より診療ガイドラインおよび関連する医療情報を提供するWeb上のデータベースシステムであるMindsシステムを開発し,2004年5月よりインターネットを通じて一般公開を開始した.本研究はMindsシステムの,システム構成,システム概要,およびMindsで扱うコンテンツについて報告する.また,Minds利用者の特徴をアクセスログ解析およびユーザ登録者データの解析により分析した.さらにアクセス数を増加させるための対策,現システムで改善が必要な点,今後検討すべき新しい機能等,今後のMindsシステムの課題と問題点についてまとめた.
  • 横山 淳一, 山本 勝, 永井 昌寛
    2007 年 27 巻 4 号 p. 377-385
    発行日: 2007年
    公開日: 2015/04/24
    ジャーナル フリー
     少子高齢化の進展,急性期疾患から生活習慣病等の慢性期疾患中心の疾病構造の変化等,我が国の医療を取り巻く諸環境は変化してきている.そのようななか,生活習慣病の有病者だけではなく疾病予備群を減少させる予防に注目が集まっている.個人の生活習慣病予防対策の実施は各人の健康意識に依るところが大きく,健康づくりに対する動機づけをいかに行っていくのかが課題である.本研究では,個人が簡単な健康行動目標を決定し,その健康行動を行うことができたかどうか自己評価を行いながら,健康的な生活を行うシステムを提案し,その継続を支援する情報システムを試作した.本システムの基本機能は,(1)健康づくり目標の行動評価の記録機能,(2)評価結果の閲覧機能,(3)継続支援機能,等である.本システムを利用した実験結果では,利用者の65%が利用後に健康意識が強くなったと回答しており,システム利用による健康意識変容の可能性が示唆された.
資料
  • 飯嶋 久志, 井手 若奈, 宇野 弘展, 木村 英晃, 久保田 洋子, 沢田 愛子, 鈴木 久夫, 平井 政彦, 吉川 真由美, 石野 良和 ...
    2007 年 27 巻 4 号 p. 387-392
    発行日: 2007年
    公開日: 2015/04/24
    ジャーナル フリー
     薬剤師法には患者等に対する情報提供義務が明記されており,その有効な手段の一つとして薬剤情報提供文書が挙げられる.しかし,その書式はベンダや各薬局に委ねられているのが現状であることから,文書の現状を調査した.
     調査は使用ベンダ,文書のフォーマット,記載項目と優先項目,抗がん剤における説明の記載について行った.
     使用ベンダは上位2社で50.7%と過半数を占めていた.文書はA4版が72.6%,カラー印刷91.6%と最も多かった.文書に記載している項目は薬剤基本情報が上位を占めたが,実際に使用している項目は個々の患者に関する情報が優先される場合もあった.また,抗がん剤の文書へ記載する文章は,がん・悪性腫瘍等の語句は使用しないが,文面から抗がん剤であることがわかる記載が52.7%と最も多かった.
     文書の書式等が異なると,患者は混乱をきたす恐れがあることから,可能な限りベンダ間で統一する必要がある.また,記載する項目は患者基本情報を中心にして,患者個々に対応する必要がある.
  • 小林 良子, 工藤 うみ, 北島 麻衣子, 山辺 英彰
    2007 年 27 巻 4 号 p. 393-398
    発行日: 2007年
    公開日: 2015/04/24
    ジャーナル フリー
     わが国における看護研究の動向を明らかにするために,医学中央雑誌WEBを用い2000~2004年に発行された看護研究を分析した.また,1983~2004年までの看護文献数の推移についても検討した.その結果,論文種類を「原著」に限定しない全看護文献数が1995年から急増しているのに対し,「原著」に限定した看護文献数は1995年から減少していた.看護職就業者数の中の看護教員の割合は2000~2003年では約1%であるが,筆頭著者の所属機関において医療機関と教育機関別に文献数を比較すると,ほぼ同数であった.「最新看護索引」46項目の分類別の文献数が最も多いのは「成人看護・成人保健」2,310件(15.7%)であり,その小分類別文献数が最も多いのは「悪性腫瘍」353件(15.3%)であった.「看護教育」の文献数は2000年~2003年では243件から540件と約2.2倍増加し,看護大学や看護教員の増加によるものと考えられた.
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