本研究では,糖尿病自己管理支援を目的に,携帯電話を用いて患者をインタラクティブに支援すると同時に,Web上で医師の診療を支援し患者病態管理を可能とするシステムを構築して実証実験を行った.構築したシステムは,糖尿病のみならず生活習慣病全般の自己管理を支援できる汎用性を持ち,複数医療機関間で患者データを共有できる.患者は日々の血糖値や体重等を携帯電話からサーバに送信し,サーバは蓄積したデータを自動解析して視覚表示すると共に,血糖コントロールの不良な状況を検出すると警告メールを送信する.患者データのセキュリティは携帯電話のFeliCa機能を利用して保護している.
本システムの実証実験を医療機関で実施し,使い勝手や有効性,コントロール不良検出アルゴリズムの検証を行った.その結果,システムの目的が一通り達成できていることを確認できた.しかし,携帯電話やFeliCaの利用が前提となるため,実験協力を拒否されるケースも多く,課題として残った.
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