病院では,電話やナースコールなどで情報システムを利用する業務が中断することが多い.ところが端末は共用であることから,作業中画面をそのままにして離席することは許されず,中断前の時点に復するための無駄な作業が発生する.リモート端末の仕組みを用いて,中断時の画面を保存し後に再開する方法について検討した.
現在稼働中の病院情報システムでリモートデスクトップ環境を利用可能とし,オーダリングシステム上において,業務の中断・再開に要する時間を比較した.
リモート環境で端末を利用することにより,オーダリングシステムの操作中の画面のままでセッションをいったん閉じ,再開することが可能になった.従来端末において業務を中断・復旧することと比較して大幅な作業時間の短縮が確認できた.また中断したセッションは別の端末からでも再開できることを確認した.
従来のシステムをそのままリモート利用しているため,現状では種々の問題もあるが,今後の病院システムには導入すべき技術と考えられた.
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