温度273.15~313.15 (K), 含水率19~35 (%, d. b.) の範囲において, 籾と小麦の種子から発生するCO
2ガス濃度を, 1ppmまで読み取ることのできる赤外線ガス分析計を使って測定した。測定したCO
2ガス濃度は理想大体として, 単位時間, 単位乾物重量当たりのCO
2mg数に換算した。その結果, 両穀物の呼吸速度は多くの研究者が報告しているように温度に対しては指数関数的に増加することが確認され, また, 籾については含水率に対しても指数関数的に増加するが, 小麦の呼吸特性の増加傾向は, 低含水率での指数的傾向から高含水率の直線, あるいはS字の増加傾向へと変化することが明らかとなった。呼吸速度を記述する実験式を提案し, そのパラメータを最小二乗法による当てはめによって得た。提案した式は穀物の呼吸速度が穀温に対してアレニウス型の増加傾向を持つこと, および籾と小麦とで含水率に対する傾向の違いを考慮している。
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