耕うんをはじめ, ほ場作業の自動化は, 操向やほ場端での旋回の自動化と, 負荷制御とに問題を類別できよう。本研究は前者を扱おうとするもので, 自動化する動作対象の範囲をほ場内での作業走行とし, 農道走行とほ場への出し入れは対象に含まれていない。このような課題において従来, 最大の障害となっていたものが, ほ場端での次行程への移動すなわち旋回である。筆者らは, この旋回そのものをなくするために, 機体の両端に作業機を装着し, クラブ・ステアリングにより機体を平行移動することにより,180degの回転をしなくても次行程へ移れるという方法を考えた。これが本研究の発端であった。そして, 作業中における操向をもクラブ・ステアリングにより行うこととし, まず本かじ取り方式による自動操向について試験したので, その結果とシミュレーションにより求めた操向系の特性を, 自動耕うんとの関連において考察したのが本報である。第2報においては, あぜの検出方法とあぜぎわにおける機体の停止試験の結果を, そして第3報において, 本報で概略を述べる方法に基づく自動耕うん機の試作と試験結果を報告する。
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