本研究の目的は, 表土および心土を機械的に破砕する機械の開発と, その開発機による諸特性を究明することである。
本報は, チゼルとロータリ部の相互関係について報告する。実験の結果, ロータリ爪はチゼルの土壌破砕抵抗を減少させており, 屈曲部を持つC形なた爪が直刀爪よりなお一層その効果が大きかった。また, ロータリ回転速度の遅いものほど, ロータリ破砕ピッチが大きく, トラクタ進行低下率を減少させた。
試作機からチゼルを削除して, 実験を行った結果, 試作機のチェーンケース部がロータリ爪が深くなるのを阻害し, ロータリ破砕深さは0.1m程度となった。この深さでロータリ破砕トルクやロータリ破砕動力を計測したところ, チゼルの有無に対して, これらの諸抵抗には有意な差が検出できなかった。しかし, 土壌の破砕体積は, ロータリ部の幅に影響されるので, ロータリ破砕比トルクや比仕事は, チゼルの存在で減少する傾向にあった。チゼルは, 本試作機のチェーンケース部の抵抗を軽減し, それを土中に案内するので, 必要不可欠である。
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