農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
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71 巻, 4 号
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研究紹介
論文
研究論文
  • —全方位カメラを使用したロボット方位角の算出—
    ファロイ ティモロウ ラーマン, 野口 伸
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_43-4_51
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    障害物回避と自律走行に際して重要なことは,ロボット走行車両の現在位置や周辺環境の把握である。本研究は全方位カメラとRTK-GPSを用いて,ステレオビジョンの原理に基づき,ロボット車両の地上座標系に対しての絶対方位角を算出するアルゴリズムの開発を目的とした。全方位カメラの場合,移動や回転に伴う画像範囲に変化がないことから,2枚の画像について相互相関法を適用して,2°以下の誤差で方位を算出することができた。この手法は方位算出の演算処理負荷が大きくないため,ロボット方位角の算出をリアルタイムに行うことが可能である。
技術論文
  • 青木 循, 貝沼 秀夫, 栗原 英治, 久保田 興太郎, 安食 惠治, 長木 司, 林 正彦, 丸野 影文, 川崎 真一郎
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_52-4_59
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    野菜の収穫作業の省力化を図るため,野菜の収穫機に自動追従して収穫物の運搬を行うことのできる運搬車を開発した。開発機は,簡易な構造で円滑に収穫機に追従するための追従システムを搭載した。この追従システムは,発進や加速・減速,操舵を自動的に制御できた。開発機をネギ収穫機に追従させた場合,0.02~0.04m/s程度の速度で作業を行い,作業能率は0.4~0.6a/人・h程度であった。また,追従機能のない通常の運搬車を用いた場合に比べて,作業者のほ場内の移動回数が7割程度,移動距離が3割程度それぞれ減少した。
  • ——実用機の概要と実証試験結果——
    日髙 靖之, 栗原 英治, 杉山 隆夫, 西村 洋, 林 和信, 澁谷 幸憲, 古田 東司, 村松 健吾
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_60-4_68
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    日本の穀物収穫事情にあわせ,実用的な収量モニタリング機能付きコンバイン(以下 ; 収量コンバイン)の開発を行なった。まず,収穫情報はほ場毎に集計し管理するシステムとした。次に,アンケート調査結果より,収量コンバインのユーザ層を大規模経営体と想定し,6条刈自脱コンバインに改良した質量測定部,水分測定部及びインターフェースを搭載した収量コンバインを新たに開発した。さらに本開発機を供試し,新潟及び宮城の大規模な生産現場で実証試験を行った。実証試験の結果,収穫の実作業に影響なく円滑に操作できた。また,質量測定部,水分測定部は校正作業が必要なく,高精度で測定が可能であった。開発機は3年間の試験期間中大きな故障もなく実用に耐えうることを確認した。
  • 孫 孝政, 山名 伸樹, 簗瀬 英司
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_69-4_73
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    細断収穫と搾汁を通してスイートソルガムの有効利用の推進を図ることを狙いとして,試作ろ布利用ベルト式搾汁機による細断スイートソルガムの搾汁試験を行い,その性能を明らかにするとともに,ケーキ(搾汁後の残渣),ジュース(搾汁液)の利用法を検討した。その結果,試作搾汁機では,材料の切断長が短く,駆動ロール回転数が低く,供給流量が多い時に搾汁率((ジュース質量/原材料供給質量)×100%)は高くなり,設定切断長が17mm,駆動ロールの回転数が17.5rpmで本搾汁機の最大処理量(823kg/h)時に平均搾汁率15.6%が得られた。圧搾されたケーキのサイレージを官能法で評価したところ,良好な品質に調製できたと判断された。また,得られたジュースは糖分含量が多く発酵後エタノールの生産率(2.45%)も高かった。
  • —機関性能パラメータに基づいた最適バイオガス供給—
    ニザール ジャベル, 若林 宗平, 塚本 隆行, 野口 伸
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_74-4_82
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    環境問題や石油価格の高騰を背景として,バイオガス-軽油二燃料トラクタの開発を行った。本報では,様々な目的に対応する最適なバイオガス供給制御法の開発を目的とした。正味燃料消費率,軽油減少率,NOx排出量,CO排出量といった4性能パラメータについて検討した。バイオガス供給量の変化によるこれらの性能パラメータへの影響を明らかにするために機関性能試験を行い,その結果に基づいて最適バイオガス供給アルゴリズムを開発した。最適化されたバイオガス供給制御マップをシミュレーションによって比較した結果,当初の目的に対して満足な結果が得られた。
  • ——メッシュ毎収量計測装置——
    建石 邦夫, 行本 修, 佐々木 豊, 小林 恭, 重田 一人, 齋藤 秀文, 黎 文, 関 正裕
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_83-4_89
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    坪刈り法と同等の精度で収量マッピングを行うため,自脱型コンバインのグレンタンク内部に設置した計測用ホッパを利用したメッシュ毎収量計測装置を試作した。ホッパ全体の質量を引張型ロードセルにより推定誤差1.8%で測定し,穀粒の含水比を水分計により1%w.b. 以内で推定する。圃場試験結果から,質量測定の誤差は最大-2.0kg,標準偏差は3.4%,水分測定の結果はコムギでは標準誤差は2.9%w.b.,水稲籾では標準誤差は3.2%w.b. であり,質量測定誤差と合わせて,収量計測の標準誤差は5.5%である。
  • 飯田 訓久
    2009 年 71 巻 4 号 p. 4_90-4_96
    発行日: 2009/07/01
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    小麦の播種量と施肥量を位置によって可変量に設定した計画マップをもとに,施肥播種作業を行うシステムの開発を行った。このため,ロータリカルチ,メータリング装置,及び条播装置を組み合わせた作業機を試作した。播種量と施肥量の可変量制御は,独立した2つのDCモータで種子と肥料を繰り出すローラの回転速度を制御して,最大で種子11g/s,肥料72g/sまで繰り出すことができた。RTK-GPSを用いて位置,速度,及び方向を検出しながら圃場での播種量と施肥量の可変量制御実験を実施した結果,計画した播種量と施肥量に対して誤差-3.1~1.2%と-4.9~0.4%で作業を行うことができた。
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