農用トラクタにラジアルタイヤを装着すると, けん引力は通常10~20%, 場合によっては30%も増し, 10~15%燃料消費量を減らすという報告がある。しかし, 実際的データによる報文は見当らないので, 著者らはけん引力の外にトラクタ後車軸トルクなどを測定することにより, ラジアルタイヤとバイアスタイヤのけん引性能を比較, 検討した。
ラジアルタイヤは, タイヤ空気圧により異なるが, 滑り率20%においてけん引力で4.4~22.1%, 後車軸トルクで5.9~23.4%, けん引係数で4.9~20.2%, バイアスタイヤより勝った。これらには, タイヤの剛性, 接地幅, 接地長さ, 滑り沈下のみならず, タイヤ接地面すなわちラグとアンダートレッド・フェース部の接地状態が関係していることがわかった。また, ラジアルタイヤは省エネルギの観点からも注目すべきものである。
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