農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
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72 巻, 6 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
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論文
技術論文
  • 下保 敏和, 澁澤 栄, 梅田 大樹, 平子 進一
    2010 年 72 巻 6 号 p. 563-569
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    リアルタイム土壌センサの作業抵抗計測装置について調査を行なった。作業抵抗はチゼル及びシャンクに作用するシャンクを回転させようとするモーメントとチゼルに作用する水平および垂直分力として計測した。チゼルに作用する力を計測するため,圧縮専用ロードセルを用いた圧縮方式と引張圧縮両用ロードセルを用いた片持方式の2種類の装置を試作した。圧縮方式では,垂直方向分力により発生する摩擦力によりヒステリシスが観測された。片持方式では,水平,垂直分力でそれぞれ0.997および0.994の相関係数を室内実験で得た。片持方式を実装した装置でほ場実験を行ない,コーンペネトロメータの貫入抵抗と水平分力の間に0.661の相関係数を得た。
  • 日高 靖之, 栗原 英治, 林 和信, 野田 崇啓, 西村 洋, 杉山 隆夫, 村松 健吾, 指田 邦夫
    2010 年 72 巻 6 号 p. 570-577
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    自脱コンバインに搭載可能な近赤外分光法によるタンパク計を開発した。本タンパク計は,1)振動や粉塵の多い条件下で利用すること,2)流動性の悪い高水分の生籾を対象とすること,3)籾殻により測定に必要な光量が不足する条件で測定することを考慮し,一般的に用いられている透過式でなく反射式を採用した。光源はタングステンハロゲンランプとし,試料面に均一な光が当たるように拡散筒をとりつけた。検出部は回折格子による後分光により740~1140nmのスペクトル測定を行い,室内試験で作成した検量線により玄米タンパク値を計算し表示する。コンバインの振動を考慮してサンプル取り入れ口は広くし,自然落下で穀物を充填し,底面の反射光を測定した。検量線の精度は相関係数(r)=0.87, Full Cross Validationの標準誤差(SECV)=0.47%であった。本装置を収量モニタリング機能付きコンバインに取付けてほ場試験を行った結果,収穫しながら玄米タンパク含量,収量,水分を測定・表示することが可能で,この時の玄米タンパク含量の測定精度はr=0.65,予測標準誤差(SEP)=0.22%であった。ほ場のタンパク含量のばらつきが狭かったため予測標準誤差が小さくなったが,室内試験の結果からSEP=0.5%程度と推測された。
  • ——温室メロン用静電散布ロボットの開発——
    山根 俊, 宮崎 昌宏, 齋藤 秀文, 大村 和宏, 青野 守, 大須賀 隆司
    2010 年 72 巻 6 号 p. 578-586
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    大規模温室メロン栽培の防除作業省力化と良好な付着性能確保を目的として,低濃度多量散布の静電散布ロボットを開発した。開発機は吐出量0.56L/min,液滴比電荷-0.45mC/kgの静電散布装置を8個装備し,温室床面上の磁気テープにより無人散布作業を行う。開発機の付着性能は,感水紙の垂直裏面及び水平下面に対し,メロン群落手前で付着度指数8.0~10と無荷電散布の2倍以上優れ,群落奥でも無荷電より有意に高かった。静電散布は100~300L/10aの範囲において,散布量の増加に伴い付着度指数が高まった。開発機の害虫防除効果は手散布と差が無く,圃場作業量は散布量450L/10aにおいて3.8a/hであった。
  • ——画像処理によるハンドの接近方向の選択——
    太田 智彦, 山下 貴史, 林 茂彦, 米田 隆志
    2010 年 72 巻 6 号 p. 587-594
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    トマト収穫作業の自動化を目的として,画像処理により収穫ハンドの接近方向を選択する検出システムを試作し,精度を明らかにした。画像処理方法はまず,原画像から着色果実と未着色果実からなる果房全体を抽出する。次に,カメラから最も近い着色果実を中心として,周囲と正面の9方向のメッシュの果房部分の画素数を計算する。次に,これら画素数情報に基づき,把持しやすい方向を自動で選択する。ハウス内で画像処理実験を行った結果,果房内果実数が2~4個のとき,把持しやすい方向を正しく選択した割合は89~96%であった。
  • ——動画処理による走行制御システムとハウス内収穫実験——
    太田 智彦, 山下 貴史, 林 茂彦, 米田 隆志
    2010 年 72 巻 6 号 p. 595-603
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    トマト収穫作業の自動化を目的として,着色果実の正面で自動的に収穫ロボットの走行を停止させる走行制御システム,果房内の着果状態を検出して最適な接近方向から収穫ハンドを接近させるマニピュレータ制御システムを有するトマト収穫ロボットを試作し,性能を明らかにした。ハウス内での走行実験では,自動停止したときの収穫対象果実中心とカメラ中心線との差は-51~94mmであった。収穫対象果実が半分以上露出し,かつ,果房内果実数が1~4個の条件で,収穫実験を行った結果,把持成功率は81~95%,収穫成功率は44~90%であった。収穫所要時間は,平均27.6s/個であった。
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