基肥を均一に穂肥を多段階に施用した区画 (タイプ1) と基肥を多段階に穂肥を均一に施用した区画 (タイプ2) を対象として, 窒素肥料の施用量に対する食味成分, 食味値, 生育量, 収量の変動及び各調査項目間の関係を調査した。タイプ1のタンパク質の変動は, タイプ2より多かったが, 穂肥を多段階施用したにもかかわらず, 変動係数が4%しかなかった。タイプ1のアミロース及びタンパク質と, 穂肥量との相関係数は, それぞれ0.741と0.730であった。生育量データでもタイプ1の方が, 登熟期のSPAD値, 出穂期の草丈, 幼穂分化期から登熟期までのSPAD値の変化及び幼穂分化期から出穂期までの草丈の変化を用いて, アミロース, タンパク質及び食味値を推定することが可能であった。タイプ1のアミロース, タンパク質, 食味値及び穂肥量と, 収量との相関係数は, それぞれ0.733, 0.717, -0.764, 0.710であった。今回の実験で, 穂肥を可変施肥することによって, アミロース, タンパク質, 食味値及び収量の調節の可能性が示唆された。
抄録全体を表示