人工臓器
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12 巻, 1 号
選択された号の論文の106件中101~106を表示しています
  • ―シリコーンホローファイバー膜型肺の有用性―
    森本 保, 坂井 隆, 草川 実
    1983 年 12 巻 1 号 p. 354-357
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ECMOにおいては, 膜型肺を主とした体外回路による血球の破壊, 血小板減少, 微小血栓形成, 出血傾向, 血漿蛋白の変性等, 血液損傷が大きな問題の一つである。教室ではシリコーンホローファイバー膜型肺を開発し, 1.2m2 SHMOと既に開発されている1.2m2シリコーンコイル型肺(MMO-6)の両者を用いて, 犬での29時間のECMOを行い, 血小板数, 溶血量を測定するとともに, 人工肺膜面および血小板, 赤血球の形態的変化を電顕的に観察し, 膜型肺の血球成分に及ぼす影響にっいて検討した。その結果SHMO群では, 溶血量, 血小板減少ともに著明に少なく, 赤血球および血小板の形態的変化も軽微であった。また膜面の変化にっいてもSHMOでは血球成分の付着はほとんど認めず抗血栓性に優れていた。膜型肺の材質および構造の違いにより血液成分への影響は大いに異なり, SHMOはECMOに適した優れた膜型肺である。
  • ―A-V方式の臨床例について―
    松田 暉, 広瀬 一, 中埜 粛, 賀来 克彦, 白倉 良太, 安達 盛次, 大谷 正勝, 高 義昭, 田村 謙二, 金香 充範, 大竹 重 ...
    1983 年 12 巻 1 号 p. 358-361
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    急性呼吸不全に対するECMOの成績向上のためには, 装置, 操作の簡素化が重要であり, 実験的検討にもとずきpumpless A-V方式によるECMOを2例の臨床例に行なった。症例1は複雑心奇型の新生児で, 0.5m2のPolypropylene hollow fiber肺を用いたA-V方式により20時間のECMOを行った。本例ではカニューレでの抵抗が大きくpumpを用いなければ十分な流量が得られなかった。症例2は31才の女性で皮膚筋炎に間質性肺炎を伴い, ステロイド治療中に急性呼吸不全となった。5.4m2の同肺を用い大腿動静脈間のpumpless A-V ECMOを11日間行なった。症例2では人工肺の血流量は心拍出量の22~32%であり, CO2の除去は良好であったがPo2は低体温を併用して50mmHg以上となった。2例共適応上, 即ち肺病変の可逆性の点で問題があり, ECMOの血液ガス面での効果は得られたが救命するに至らなかった。しかし, pumpless A-V方式は簡便で, 管理も容易であり, 今後期待できる方法と考えられる。
  • 松田 昌三, 岡田 昌義, 山本 信一郎, 太田 稔明, 大薮 久則, 栗栖 茂, 志田 力, 司尾 和紀, 橘 史朗, 中村 和夫, 鶴田 ...
    1983 年 12 巻 1 号 p. 362-366
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術後に重篤な心原性ショックに陥り, IABPによっても体外循環離脱不能となった7例にVAバイパスの目的でECMOを併用した。ECMO実施時間は1時間から最長165時間にわたったが, 3例のECMO離脱例が得られ, 内1例の長期生存例を得た。
    このような体外循環離脱不能例に対し, IABPにECMOを併用することは臨床上簡便, 容易であり, しかも体血流の酸素加に加え圧補助と流量補助が同時に行なえ, 右心, 左心の両心に対し長期にわたる強力な補助が可能となることから推奨されるべき手段と考えられたが, ECMO実施中の血小板減少, FDP上昇, 感染等から今後検討されるべき問題点も少なくないと思われた。
  • 名和 清人, 紀 幸一, 長瀬 久嗣, 尾崎 謙一, 米花 正晴, 中山 頼和, 納所 実, 水取 悦生, 妹尾 嘉昌, 寺本 滋
    1983 年 12 巻 1 号 p. 367-370
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ECMOは膜型肺の開発・発展に伴い, 今日では本邦においても100余例の症例が経験されている。しかし, その定義も不明瞭であり, 適応基準は未だ確定されていない。そこで我々の過去約20年の経験から若干の考察を加え, 自験例11症例から得られたECMOの合併症,問題点について検討した。また, 膜型肺を用いたV-Aバイパス(VAB)・IABP併用療法による臨床例の1例を提示し, 強力な呼吸循環補助効果が得られVABから離脱できたことより, 呼吸循環補助としてのECMOも再評価されることを提言した。そこで, 急性心肺不全モデル犬での実験結果に基づき, 呼吸補助と循環補助では環流方式・量に違いがあることを示した。また, IABPとの併用療法の血液ガス, 血行動態に及ぼす効果にも言及した。多大な労力を必要とするECMOも, 適応疾患の病態を十分理解した上で適切に施行されゝば, 必ず成功率も向上し, 臨床治療上有効な補助手段として広く認識されるものと信じる。
  • 小柳 仁, 大島 宣雄
    1983 年 12 巻 1 号 p. 371-372
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 竹沢 真吾, 佐中 孜
    1983 年 12 巻 1 号 p. 374-375
    発行日: 1983/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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