廃棄物資源循環学会誌
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34 巻, 4 号
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巻頭言
特集:建設分野における土資源の健全な循環にむけて
  • 勝見 武
    2023 年 34 巻 4 号 p. 231-239
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    掘削・切土・盛土・土地造成等で大量に土を扱う建設分野では,土がもたらす環境被害が致命的なものとならないよう,土の適正な利用についてさまざまな取り組みがなされてきた。しかしながら,土のもつ多様性などの特性によりさらなる利用の余地があり,科学的知見の蓄積や技術開発,そして社会制度への反映が求められるところでもある。そこで本稿では,発生土の処理と利用の現状を概観した上で,近年の重要なトピックとして土壌汚染,自然由来の重金属等,建設汚泥,廃棄物混じり土などを対象に,対応のための技術と制度について述べる。

  • 金井 仁志
    2023 年 34 巻 4 号 p. 240-247
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    建設発生土の不適正処理等が課題となっている。2021 (令和3)年度に発生した熱海の土石流災害のように,人命・財産に大きな被害をもたらす災害も発生している。不適切に処理された建設発生土は,有効利用されなかった建設発生土の一部であると類推され,建設発生土の一層の有効利用を図ることにより,有効利用されない建設発生土の減少,ひいては不適切処理事案の減少につながるものと考えられる。これまで国土交通省では建設発生土情報交換システムの活用等建設発生土の有効利用を促す取り組みを進めてきたが,盛土規制法等の法令整備を受け,今後ますます建設発生土の有効利用等が求められることから,国土交通省としても,発注段階からの適切な費用計上や指定利用等の促進等の取り組みを通じて,工事の受発注者の取り組みを今後とも力強く推進・支援することとしており,各関係者は,積極的に建設発生土の有効利用等の取り組みを進めていただきたい。

  • 肴倉 宏史
    2023 年 34 巻 4 号 p. 248-257
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    建設分野は,大量に生じる循環資材の活用という,極めて重要な役割を担っている。循環資材には有害物質を微量ながらも含むものがあるため,環境安全品質の評価が必要である。循環資材の環境安全品質評価法に関する取り組みは,土壌の溶出試験を準用していた時代から,土ではない資材の評価法の切り分け,利用有姿による評価法の制定,環境安全品質評価法の基本的な考え方の整理,各循環資材の規格やガイドラインの制定や改正へと,着実に進められてきた。近年は,より合理的な評価方法や管理方法の確立が必要となっている。

  • 品川 俊介
    2023 年 34 巻 4 号 p. 258-265
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    岩石・土壌は,天然の状態で少量の重金属等を含むことがある。トンネルや切土等の建設工事から大量に発生する岩石・土壌(発生土) は,従前より有効な資源として盛土や埋土に利用されている。一方,2003年に土壌汚染対策法が施行されたことを一つの契機として,自然由来の重金属等を含む発生土に関する環境安全性評価と必要な対策が社会的に求められるようになった。本稿では,わが国の公共建設工事における自然由来重金属等を含む発生土の取り扱いに関する課題を述べる。また,国土交通省が公表した「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(2023年版)」の内容を紹介し,課題に関する今後の展望を論ずる。

  • 髙野 昇
    2023 年 34 巻 4 号 p. 266-277
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    汚染された土壌や廃棄物混じり土による埋め立て・盛土,盛土の崩落災害等建設発生土の不適正処理については,関東地域等これら問題が顕在化している自治体の土砂条例により対応してきたが,2021 (令和3)年7月静岡県熱海市の大規模土石流災害を契機として制定された新たな法令により,2023 (令和5)年5月26日より全国一律の基準で対応することになった。本稿では,新たな法令の規制内容を整理し,自治体条例が今後どのように対応することになるかなどについて私見を述べる。

  • 野口 真一
    2023 年 34 巻 4 号 p. 278-284
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル 認証あり

    建設汚泥の利活用において,いまだ不適正な泥土リサイクルが散見される。その主な理由は,建設発生土との線引きが曖昧で廃棄物としての扱いが軽視されることや,製品の品質確保に十分配慮したリサイクル設計が実施されていないことがあげられる。すなわち,建設汚泥をリサイクルする場合,廃棄物・リサイクルガバナンスに基づいた取り組みと再現化手法の厳格化ならびにコストの適正な評価を行うことが必須条件であり,建設汚泥のリサイクル計画の立案および実施をするためには,該当する法令の吟味ならび環境基準を含めた適用用途基準の設定と,これらを十分考慮した処理技術の選定,さらには施工・品質管理方法等を検討する知識が求められる。本稿ではこれらを鑑みた建設汚泥のリサイクル活性化に向けた取り組みと課題について紹介する。

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