廃棄物資源循環学会誌
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25 巻 , 4 号
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巻頭言
特集:廃棄物資源循環からみた環境教育の現状と課題
  • 高月 紘
    2014 年 25 巻 4 号 p. 231-236
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    まず,今日一般的に行われている廃棄物処理施設やリサイクル施設における環境学習の問題点を指摘した上で,現代社会における廃棄物処理の必要性と意義について,日本の廃棄物処理の歴史的な流れの中で充分学習することの大切さを述べた。
     次いで,循環型社会に向けた廃棄物に関する環境教育において,廃棄物がもたらす地球の資源やエネルギーの負荷についてわかりやすく説明し,廃棄物の発生を少なくすることの意義を充分理解する必要性を述べた。そして,そのための生活スタイルの見直しを考えるプログラムを提案した。さらに,廃棄物に関する環境教育プログラムの中で,3R の優先順位,生産者責任,家庭系有害廃棄物などのテーマについても取りあげ議論を行った。
     最後に,パートナーシップによる環境教育の実践事例として,京エコロジーセンターと京都市ごみ減量推進会議の取り組みを紹介し,これまでの取り組みの中でみえてきた課題,ならびに方向性について論述した。
  • ――国の取り組みと今後の課題――
    武田 玄雄
    2014 年 25 巻 4 号 p. 237-246
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    日本に限らず,人々は大自然から多くの恵みを享受し,その摂理に従いながらそれぞれが生活を営む地域の気候や地形等により,文明・文化を発展させてきました。しかし,産業革命以降の急速な工業化に伴い,世界各地で自然破壊が進み環境汚染が拡がった結果,地球温暖化による気候変動,天然資源の枯渇,生態系の崩壊等,地球規模の深刻な環境問題が顕在化し,地球そのものの持続可能性が揺らぎはじめています。科学技術が発達した昨今,さまざまな分野のグローバル化が進むなか,環境教育も ESD (持続可能な開発のための教育) の概念等により世界共通の取り組みに広がりつつあります。「国連 ESD の 10 年」の最終年となる 2014 年 11 月,日本において「ESD に関するユネスコ世界会議」が開催されます。環境省は,ESD の視点を取り入れた環境教育の各種施策を行ってきましたが,今後もさまざまな主体と一丸となって,持続可能な社会づくりを担う人材の育成等に,この美しい地球を守っていくために取り組んで参ります。
  • 五島 政一
    2014 年 25 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    持続可能な社会を構築していくためには,社会を構成する人々が,環境との関わりについて理解を深める,豊かな環境等の価値についての認識を高め大切にする心を持つ,そして,環境に配慮した生活や責任ある行動をとることが大切である。国立教育政策研究所では,ESD の要素として環境教育に環境,社会,経済,文化等を視野に入れていくことや,ESD における環境教育が実施されるように学習指導の目標を決め,持続可能な社会づくりの構成概念や学習指導で重視する能力・態度,そして,教材,人,能力・態度のつながり等を明らかにし実践的な指導を行っている。今後,ESD における環境教育で目指すべきことの一つとして,地域に愛着を持つ教師の育成についても論考する。環境,貧困,人権,防災,生産と消費,歴史的文化遺産の保存等,地球規模の問題の解決に向けて,生活を見つめ直し変えることで,私たちの暮らす地域から,世界に発信することができる。
  • ――教育の場と育成すべき能力の観点から――
    森 朋子, 佐野 和美
    2014 年 25 巻 4 号 p. 254-262
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    現在環境教育分野で進められている持続可能な開発のための教育 (ESD) の取り組みは,これまでの環境教育では扱いが難しかった廃棄物資源循環分野において,新しい教育のあり方を見出せる可能性をもっている。本稿では,環境教育に携わる各主体にインタビュー調査を実施し,環境教育分野の課題をフォーマル,ノンフォーマル,インフォーマルという 3 つの教育の場に沿って整理した。さらに,環境リテラシーの定義や ESD の学習指導等に関する既存研究をもとに,環境教育を通して育成すべき能力をレビューしたうえで,教育の場と育成すべき能力の観点から,廃棄物資源循環分野における環境教育の課題を考察した。その結果,この分野の諸問題に対応していくうえで必要な能力の育成にあたっては,カリキュラムを提供するタイミングや,カリキュラムの設計・実施に必要なノウハウ等について,いくつかの課題があること,また,3 つの教育の場を相互に連携させ,地域や社会全体で効果的に環境教育を推進する仕組みを構築することが重要であることがわかった。
  • 渡辺 信久
    2014 年 25 巻 4 号 p. 263-268
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    環境・資源循環に関わる理科的事項は,分野が多岐にわたる。そのため専門家であっても,多くの場合,部分的に暗記してそれらの事項をつなぎ合わせて理解する「飛び越え」方式で,専門的知識を形成している。環境工学は,まさに「飛び越え」であるが,伝統的な「積み上げ」教育が入試の大半を占める状況では,普及は難しいと考える。この普及のためには,文部科学省の新学習指導要領「生きる力」の延長で,これら「飛び越え」科目が大学入試で課されることが最も有効であるし,その時期はきていると思う。
     理科イベントや工場見学等は盛況で,日本人は概して「理科好き」である。行政の環境啓発事業はさほど人気は高くないが,理科的要素を盛り込んだ「廃棄物・資源循環博物館」的なものとすれば,事態は好転すると考える。筆者が有する展示・体験の題材として,「人力発電テレビ」,「炭のできる様子を観察」,「ペットボトル戦車」を紹介した。
  • ――映像とイラストレーションの役割――
    吉冨 友恭
    2014 年 25 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    河川環境は複雑かつ変動的な対象であり,水辺での体験だけでは捉えにくい多くの事物や事象から成り立っている。環境教育においては,直接体験に加え,事物や事象をわかりやすく表現する視覚メディアの役割が求められる。中でもメディアにおける有効なコンポーネントとして映像とイラストレーションの役割が注目される。映像は撮影や編集により,時間・空間的に捉えにくい事象を視覚化できる有効な手段であり,シナリオに基づいて情報を順序立てて表現できる点で優れている。実写映像は,河川の事物や事象,河川と人とのかかわりをリアルに印象づける。イラストレーションは一覧性があり伝えたい対象に焦点をあてその周囲との関係性を伝える上で有効であり,環境の断面等,鉛直方向の表現においても担う役割が大きい。数値データ,グラフとの組み合わせにより,化学的なデータと空間的な構造との関係性も明示できる。
  • 浅利 美鈴, 花嶋 温子, 山川 肇
    2014 年 25 巻 4 号 p. 275-283
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    循環型社会構築や脱気候変動に向けた取り組みには,家庭や地域,企業等における個々人の理解と行動が欠かせない。そこで,関連する知識を体系化し,習得を促す教育プログラムとして,「3R・低炭素社会検定」教育事業を展開している。
     本検定受験者等へのアンケート調査から,「ごみ減量の有効な方法やごみ問題に関する情報を他人 (家族以外) に対して伝えたり,広めたり教えたりする活動 (リーダー活動)」を実践している人ほど,知識の必要性を実感していることがわかり,本検定の重要なニーズであることがわかった。
     他方,受験者とそれ以外をあわせて全般に,「現在,環境啓発・教育活動を行っていないが,今後は行ってみたい」という人が約 4 割存在し,この層にさまざまな働きかけを行うことが,活動の輪を広げるために重要と考えられた。
     また,廃棄物関連事業の現場スタッフの教育に活用する事例もみられ,業界全体のレベルアップにつながる動きとして期待される。
  • 佐々木 智津子
    2014 年 25 巻 4 号 p. 284-290
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    小学校における廃棄物処理の学習は学習指導要領に位置づけられており,4 年生の社会科で学習する。さらに,ほとんどの学校で,発展として総合的な学習の時間に取り組んでいる。総合的な学習の時間での内容は,3R 活動を中心とする実践的な取り組みが多い。「廃棄物と資源活用」に関する学習は,4 年生だけではなく他の学年の教科でも取り上げられている。6 年生を担任していたときに実践した授業と活動について説明し,落とし物という児童にとって身近な問題に課題意識をもたせ,授業を構築したことを紹介したい。
  • ――地球環境にやさしい 持続可能な循環型のまちを目指して――
    稲垣 厚之
    2014 年 25 巻 4 号 p. 291-297
    発行日: 2014/07/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    本稿では,川崎市が取り組んでいる廃棄物分野の環境教育・環境学習について紹介しています。小学生を対象にした社会科副読本「くらしとごみ」や体感型環境教育・環境学習「出前ごみスクール」における学習効果を高めるためのさまざまな取り組みにより,一般廃棄物処理基本計画の基本理念にかかげる「地球環境にやさしい持続可能な循環型のまち」の実現に近づくことが期待されます。
入門講座/廃棄物資源循環のための理化学基礎講座 5
平成25年度第 3 回研究部会セミナー報告
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