東京電力 (株) 福島第一原子力発電所事故による放射能汚染という想定外の事態への対応として,放射性物質汚染対処特措法が 2011 (平成 23) 年 8 月に公布された。年末までにガイドライン等の策定と合わせて主要な政省令が公布され,2012 (平成 24) 年 1 月に全面施行された。これにより,原子力発電所等の敷地外における放射性物質に汚染された廃棄物の処理および除染について,新しい制度の枠組みが整理され,政府の責任下で着実に実行されることとなった。
本稿では,特措法全面施行前後における東日本大震災および東京電力 (株) 福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興に向けた,事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の処理における国の取り組みについての概要を紹介する。
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