廃棄物資源循環学会誌
Online ISSN : 2187-4808
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ISSN-L : 1883-5864
24 巻, 3 号
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巻頭言
特集:ICT (情報通信技術) と循環型社会
  • 杉山 泰之
    2013 年24 巻3 号 p. 169-176
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
    情報通信技術 ICT (Information and Communication Technology) が進展し,ICT 機器の増大により電力消費量など環境負荷も増加傾向にある。その一方で,ICT サービスの利活用により,スマートグリッドに代表されるエネルギー利用の効率化,生産活動の効率化,ヒトやモノの移動の減少,情報を電子化することによるモノの生産抑制などが図られ,社会全体の環境負荷を低減する効果が期待されている。ICT は,資源エネルギー消費量の増大を抑えながら,私たちの生活を豊かにできる可能性のある技術である。ICT と地球環境問題との関わりを,グリーン ICT (Green ICT) と呼び,特に,ICT 自らが環境負荷に与える影響を低減する側面を, 「Green of ICT」 ,ICTの利活用によって,社会全体の環境負荷低減に貢献する側面を 「Green by ICT」 と呼んでいる。本稿では,ICT を最大限に活用することで,私たちのライフスタイルを変革し,持続可能な社会の実現に貢献していく可能性について紹介する。
  • 伊藤 孝行
    2013 年24 巻3 号 p. 177-182
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
    インターネット取引が普及している。一般に中古品などの取引においては情報の非対称性によるモラル・ハザードや逆選択という問題が生じることが知られている。インターネットの取引は,非常に便利な反面,買い手と売り手の距離が離れており顔も見えないため,より注意が必要とされている。たとえば,買い手が想定した質の商品が売り手から送付されない,という状況は,モラル・ハザードの 1 つである。また,アカロフが示した中古自動車の市場の分析では,買い手が商品の質の情報を持たないため,結果的には質の低い中古品のみが市場に残るという逆選択の状況が示唆されている。インターネット上では,評判システムによって,売り手の信頼を確保する仕組みが提供されている。また,近年の研究では,専門家に正しく質を申告させるオークションの理論設計などが行われている。
  • ――(株)モバオクの事例――
    南 明紀子
    2013 年24 巻3 号 p. 183-186
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
  • 木通 秀樹, 武藤 一浩
    2013 年24 巻3 号 p. 187-195
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
    IC タグ等を利用した高度な資源循環の ICT システムが実用段階に入っている。韓国では 40 万世帯を対象とした IC タグによる資源回収システムが導入され,中国においても,バーコードを用いた大規模な資源循環が進められている。国内では,IC タグによる全国的な,建設廃棄物資源循環の新たな仕組みが構築され,経営改善の効果も得られはじめている。
    しかし,都市向けの資源循環システムには課題が多く,成果が上がりにくい構造がある。本報告では,このような課題への対応方法として,需要家を起点として事業関係者が協調して運営する資源循環の ICT システムの概要を示す。
  • 山川 肇
    2013 年24 巻3 号 p. 196-201
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
    ICT の発達により,コミュニケーションの手段は多様化してきており,コミュニケーションを支える新旧の機器・設備について,あらためて廃棄物・3R を考えることも必要だと考えられる。本稿では,電話・インターネットの動向とそれを支える設備の概略を確認した上で,電話網に関する撤去通信設備および関連廃棄物,公衆電話,固定電話機・ファクシミリ,携帯電話・PHS の端末機器,およびパソコン・回線終端装置などの 3R の状況について概略を述べる。
  • 山中 敦之
    2013 年24 巻3 号 p. 202-213
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー
    情報通信技術 (ICT) を活用した低環境負荷型 (持続可能な) 開発の可能性については,未だコンセンサスがあるとはいえない。ICT の環境インパクトはポジティブな点 (特にエネルギー,温室効果ガス低減,その他),およびネガティブな点 (電気電子機器廃棄物 (E-waste) による汚染や ICT 機器による電力需要の増大に対する懸念) の両方がある。どちらにとっても ICT は飛躍的な変革を可能にするツールであり,社会・経済・ガバナンス活動に対し大きなインパクトを与えている。同様に,ソーシャルメディアや他の ICT ツールが効果的な情報共有や社会価値,社会関係の変革を促しており,人間の活動そして環境に大きな影響を与えている。
    本稿はこれらの ICT がもたらす影響に焦点を当て,開発途上国での活用例なども含めて ICT を活用した低環境負荷型・持続可能な開発の可能性を考察する。
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