情報通信技術 (ICT) を活用した低環境負荷型 (持続可能な) 開発の可能性については,未だコンセンサスがあるとはいえない。ICT の環境インパクトはポジティブな点 (特にエネルギー,温室効果ガス低減,その他),およびネガティブな点 (電気電子機器廃棄物 (E-waste) による汚染や ICT 機器による電力需要の増大に対する懸念) の両方がある。どちらにとっても ICT は飛躍的な変革を可能にするツールであり,社会・経済・ガバナンス活動に対し大きなインパクトを与えている。同様に,ソーシャルメディアや他の ICT ツールが効果的な情報共有や社会価値,社会関係の変革を促しており,人間の活動そして環境に大きな影響を与えている。
本稿はこれらの ICT がもたらす影響に焦点を当て,開発途上国での活用例なども含めて ICT を活用した低環境負荷型・持続可能な開発の可能性を考察する。
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