中間貯蔵施設に集積された膨大な量の放射性セシウム (Cs) 汚染廃棄物等を数千分の 1~数万分の 1 に圧縮して最終放射性廃棄物とする超減容化プロセスは,① 放射性 Cs 汚染廃棄物を熱処理して Cs を発生飛灰側に移すことにより廃棄物から Cs を除去し,② 生じた Cs 濃縮飛灰を水洗して Cs を水洗液側に移し,③ フェロシアン化遷移金属を Cs 吸着剤とするイオンクロマトグラフィーによって Cs を水洗液から吸着剤側に移し,④ 最後に使用済み Cs 濃縮吸着剤を固型化・安定化して最終廃棄体とする,という 4 つの単位プロセスから構成される。ここではイオンクロマトグラフィーによる Cs 除去に関して,① 飛灰水洗液の溶液組成から吸着剤の飽和 Cs 吸着量を算出する方法,② イオン交換体である Cs 吸着剤が Cs
+ イオンを特異吸着するメカニズム,③ Cs 除去用イオンクロマトグラフィーの機能について,イオン交換反応の物理化学に基づいて解説した。また,使用済み Cs 吸着剤を固型化・安定化して最終処分する手法についても,処理・処分シナリオの多面的評価を含めて解説した。
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