医学教育
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28 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 橋本 信也, 菊地 博, 青木 誠, 畑尾 正彦, 河野 友信, 小池 麒一郎, 前沢 政次, 中谷 比呂樹, 大村 敏郎, 斉藤 晴比古
    1997 年 28 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    日本医学教育学会生涯教育委員会 (第11期) は, 前期委員会の報告した「開業医師の生涯教育の目標」を受けて,「開業医師の生涯教育の方略」を作成した.最近, 活発に行われている医師の生涯教育において, 開業医師がその専門知識や技術に加えて, 地域における全人的医療を遂行していくためには, どのような学習方法を採用したらよいかを具体的に示すよう努めた.学習の方法にはさまざまな種類があるが, 日本医師会生涯教育制度との整合を配慮した.
  • 『総合診療に関する現状調査アンケート』報告
    福井 次矢, 今中 孝信, 青木 誠, 大滝 純司, 伴 信太郎, 松村 理司, 向原 茂明
    1997 年 28 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    392教育病院における総合診療部門の設置状況, 診療・教育・研究内容, 運営の現状を把握する目的でアンケート調査を行った.59.4%にあたる233病院から回答が得られ, 1995年4月24日現在, 11大学病院, 16臨床研修指定病院の計27病院 (11.6%) に独立した総合診療部門-総合診療部 (科) ないし総合内科-が設立されており, それ以外の名称の部門によって総合診療機能を果たしている3大学病院, 20臨床研修指定病院を加えて, 50病院 (21.5%) に総合診療部門が設置されていた.また, 20大学病院, 26臨床研修指定病院の計46病院 (19.7%) では総合診療部門が設置される予定であった.
    総合診療部門の運営上, 現実的な問題点が多く指摘されたが, 解決策は, 総合診療のコンセプトを分かりやすい言葉で説明する努力を続けるとともに, 診療・教育・研究の各分野において, 質の高い業績を示すことであろう.
  • 小橋 修, 高崎 光浩, 十時 忠秀, 金関 毅
    1997 年 28 巻 1 号 p. 23-34
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1979年から1989年度一般選抜入学生 (一般生), 1985年度からは, 一般生と推薦入学生 (推薦生) とについて入試成績と学内成績についての追跡調査をした.一般生も推薦生も入試の成績上位20%の学生のかなりの数が学内成績が下位に落ちるため, このグループの平均成績順位は全体の平均順位である中位に近くなり, 反対に入試成績の下位の20%の学生の平均学内成績は中位に上がってくる傾向を示した.一般教育科目の成績順位はそのまま専門教育科目の成績順位に移行する傾向が明確に示された.センター試験免除の推薦生については一般生より学力が落ちるのではないかと危惧されていたが, 学内成績の動向をみるかぎり, 推薦生の成績順位は一般教育科目専門教育科目を通じて一般生より良いことが示された.
    100名程度の集団の成績について統計処理する場合, その集団を成績順位によって5等分して, グループ別に比較統計処理をすると, 全体ではみられなかったような成績評価および動向を明確に示すことができた.最後に医師国家試験については, ストレート卒業生は100%合格しているが, それ以外の卒業生の合格率はさまざまであった.
  • (1) 入学形態と入学後成績, 進級, 国試合否との関連
    原田 規章, 中本 稔
    1997 年 28 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1987-1989年の医学部入学者318名を対象に選抜方法および入試成績と入学後の経過との関連を追跡調査中である.本論文では, 入学後成績や留年・退学の発生, 医師国家試験合否は, 他大学卒業者がもっとも良好な経過を示し, 推薦入試入学者, 一般入試現役入学者がこの順で続き, 3浪以上の多浪入学者がもっとも不良であることを報告した.他大学卒業者は, 医学の高度化に伴う学際領域の重要性や生命倫理などの社会的課題の重要性の増大からも, その意義が重視されるべきであろう.推薦入試については高校側の受験対策的対応が危惧されるが, 現役学生を確保するという意義が大きく, 選抜方法改善の努力をさらに続ける必要がある.
  • 伊賀 幹二, 八田 和大, 西村 理, 今中 孝信, 楠川 禮造
    1997 年 28 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    3名の卒後1年目初期研修医に, 医師国家試験に合格直後の6-9月までの間に, 胸痛の原因が確定している外来通院中の循環器疾患患者から胸痛発症当時の病歴を聞く機会を与え, その有用性を検討した.病歴再聴取された症例数はのべ73例におよび, 内訳は, 重複も含め狭心症38例, 急性心筋梗塞16例, 肺梗塞10例, 種々の不整脈による胸痛7例, 肥大型心筋症6例, 解離性大動脈瘤4例, 心膜心筋炎2例であった.不安定狭心症から心筋梗塞への移行例は7例であった.参加した初期研修医全員が狭心症の診断に病歴がもっとも大切であるということが理解でき, 病歴聴取開始後, 約15例目より狭心症の鑑別診断が自信をもって行えるようになり, この研修が以後の胸痛を主訴とする患者の救急診療に役立ったと評価した.しかし, 6月にこの機会を与えられた1名より, もう少し臨床になれた後に研修を始めた方がよいとの意見があった.指導医からは, この研修終了4か月の時点で, かれらに胸痛を主訴とする新患の病歴をとる機会を与えた結果, 彼ら1人で必要最低限の病歴を聴取できるようになったと評価された.以上より, 初期臨床研修開始後3か月以降に, 初期研修医1人につき約20症例の診断が確定された胸痛患者の病歴をとることにより, 狭心症の診断能力が大幅に向上すると考える.
  • 大阪市立大学医学部
    白馬 明, 津村 圭, 山上 榮
    1997 年 28 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    大阪市立大学医学部では抜本的カリキュラム改革に取り組んでいる.臓器別講義を導入し講義時間を2年間で773コマ (1コマは105分) から433コマと徐々に減らす一方で, 5年次と6年次の臨床実習をすべて全日とし期間も15か月間と大幅に増加させた.実習形態はベッドサイド・ティーチングを廃止しクリニカル・クラークシップを目指すこととした.設備として, 自己学習あるいはグループ学習のための部屋を多数設置した新教育棟を1998年4月に完成させる予定である.これらの改革の計画, 調整と維持のため, 新たなカリキュラム関連委員会と部会を設置した.
  • 浅井 泰博, 名郷 直樹, 佐々木 将人, 五十嵐 正紘
    1997 年 28 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    自治医科大学では1994年度より, 2年生に対して診断学基礎実習を開始した.目的は基礎的なインタビューと身体所見を学ぶこととし, 診断の過程と原理を重視した.実習の計画と準備に際して教員は討論を重ね, 目標と学習内容を設定した.小グループでの指導をできるだけ均一にするために, 教員は詳細な指導マニュアルを使った.基礎的身体所見の実習は全て小グループで行われ, 触診打診の実習では自作のモデルを作成した.モデルの利用により, 学生は積極的に実習に参加し, 触診・打診の理論・所見のとり方・所見を理解する助けになり, 教員は指導に有用と感じた.
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