医学教育
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54 巻, 4 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
特集 学習者評価update
  • 松山 泰
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 345-346
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー
  • 松山 泰
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 347-356
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     アウトカム基盤型教育が世界的に定着するなかで, 学習者評価に関する新しい知見が数多く得られた. また, COVID-19パンデミックや生成系AIの急速な広がりで, 学習者評価を取り巻く状況は新たなフェーズを迎えている. 今こそ近代の学習者評価の歴史的変遷を俯瞰し, さらには我々に内在する学習者評価に対する価値基準を明確にしたうえで, 今後の展望を議論したい.

  • 清水 郁夫, 伊藤 彰一, 西城 卓也, 松山 泰
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 357-366
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     本稿では, 望ましい評価を実施するために必要な評価理論の概念のうち, 特に妥当性と有用性を中心に解説する. 妥当性は, 古典的には内容, 基準関連, 構成概念の三位一体として定義されていたが, 現在は構成概念妥当性に包括されている. 妥当性 (validity) と妥当性検証 (validation) が区別されることによって, 論証に基づいて妥当性検証を行い, 妥当性の脆弱な箇所を見出して補強するプロセスが提唱されており, これを説明する. さらに, 評価実践を継続可能なものにするために, 実用性や教育的インパクトを加味した有用性の概念について解説する. 最後に, 学習者評価がいかにプログラム評価に関わるかについても, あわせて概説する.

  • 久保 沙織
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 367-375
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     本稿では, 学習者評価の理論的基盤となっているテスト理論について, 共用試験における適用と関連づけて解説する. 具体的には, 古典的テスト理論とそこから導出される信頼性係数, 一般化可能性理論, そして項目反応理論を取り上げる. 古典的テスト理論では, 観測される得点Xは, 能力の真値Tと測定誤差Eの和で表され, 信頼性係数はXの分散のうち, Tの分散の占める割合により定義される. 一般化可能性理論は, 古典的テスト理論における信頼性の考え方を発展させたものである. 項目反応理論は古典的テスト理論の問題を克服する新しいテスト理論であり, 項目の持つ性質 (困難度と識別力) と, 受験者の能力とを分離して表現できる点が特徴である.

  • 斎藤 有吾
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 377-387
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     本稿は, 学習者評価に関して, 量的評価-質的評価のパラダイムによる分類を紹介したのち, パフォーマンスに基づく評価に軸足を置きながらルーブリックとEntrustable Professional Activities (EPA) について議論している. ルーブリックは明確な評価基準を提供するため, 学部教育や卒後教育において, 形成的評価として有効に機能することに期待が持てる. また, 観察評価においてルーブリックを用いることで, 複数の分野・診療科にまたがった共通の枠組みで, 分析的な資質・能力の評価を可能にする. 一方, EPAは指導医が研修医らに特定の専門業務を委託することができるかどうかを判断することで, 複数の資質・能力を束にして評価することができる. 医学教育においては多様な評価手法が存在するが, それぞれ利点と制限がある. それを理解したうえで, 当該評価を何のために行いたいのかという目的に基づいて, 適切な評価手法を選択し実行することが重要である.

  • 西城 卓也, 岡崎 史子, 松山 泰
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 389-399
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

      学び方のデザイン手法に比して, 学習者評価はさほど体系化されていない. 医療者教育学における学習者評価の概念は進化し続けており, 2000代年前半からvan der Vleutenが提唱したProgrammatic Assessment (PA) により大きく変容した. PAの根底には, 評価とは, 学習者の能力の一部分を切り取り散逸的なタイミングで学習成果を判定する営み (assessment of learning) ではなく, 学習者の能力を体系的に評価しその結果を学習につなげる営み (assessment for learning) だという理念がある. 本稿ではPAの構造をその原則とともに概説し, 導入例を紹介し, 我が国への導入に際しての課題を展望した. PAの導入が, 卒前卒後医学教育での学習者評価におけるパラダイムシフトを起こし, 学習者評価の有用性を向上させることが期待される.

実践報告―新たな試み―
  • 佐藤 寛栄, 椎橋 実智男
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 400-405
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     埼玉医科大学医学部では2年次に機能系実習2として生理学実習を行っている. COVID-19感染拡大により, 項目の一つである「神経の興奮伝導」を2021年度にフルオンラインによる遠隔実習として従来の対面実習と同様の内容で実施した. 本実習では, 学生は実験動画を視聴した後, ZoomとGoogle Slidesを用い, 前年度の記録波形を再構成した記録波形を提供すことで測定・議論・レポート作成を行った. その結果, 遠隔でも対面と同等以上の実習が実施でき, 対面よりも均一な学習機会を提供できた. これらから, 遠隔実習での学習効果は改善を要するものの十分高く, フルオンラインによる遠隔実習を実現するための教育コンテンツは有用性が高いと考えられたので報告する.

委員会報告 : 学会誌編集委員会
部会報告 : プロフェッショナリズム部会
  • "改訂 医学教育モデル・コア・カリキュラムのプロフェッショナリズム" について考えてみよう~どう理解し, 何をどう教えるのか~
    宮田 靖志, 野村 英樹, 朝比奈 真由美, 小比賀 美香子, 高田 真二
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 4 号 p. 410-413
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/12/07
    ジャーナル フリー

     改訂 医学教育モデル・コア・カリキュラム (以下, コア・カリ) で, 医師に求められる基本的な資質・能力としてプロフェッショナリズムが挙げられ, その定義, 学修目標 (1. 信頼, 2. 思いやり, 3. 教養, 4, 生命倫理) が提示された. これらについて, なぜそうなのかコア・カリ内では解説されていない. そのため理解が困難, またはこれまでの本部会 (および前委員会) での議論の内容と相違があるものがある. プロフェッショナリズム教育を正しく効果的に進めていくためには, コア・カリの項目の中で不十分, および妥当でないものについて確認しておく必要がある. また, 次回のコア・カリ改訂に向けての議論を深めていく必要がある. このことを目的にシンポジウムを開催した. 各講演の要点を報告する.

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