医学教育
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28 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 橋本 信也, 菊地 博, 青木 誠, 畑尾 正彦, 河野 友信, 小池 麒一郎, 前沢 政次, 中谷 比呂樹, 大村 敏郎, 斉藤 晴比古
    1997 年 28 巻 2 号 p. 67-76
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医師の生涯教育の重要性が叫ばれ, 昨今その活動が盛んである. その実情は開業医師達については日本医師会が毎年発表する生涯教育制度自己申告率によって窺い知ることができるが, 勤務医については現在十分知ることができなかった. そこで全国医科大学および臨床研修病院の教育指導責任者を対象にアンケート調査を行った (回収率65.6%). 質問要旨は次の通りである. 1. 生涯教育プログラムについて2. 日本医師会生涯教育制度について3. 各専門学会の生涯教育について4. 研修医および若手医師に対する生涯教育指導にっいて5. 生涯教育についての考え方
    その結果, 現時点における病院の生涯教育の実情と病院教育責任者の生涯教育に対する考え方を知ることができた.
  • (2) 入学後の経過に及ぼす要因の多変量解析
    原田 規章, 中本 稔
    1997 年 28 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学部入学者318名の入学後成績, 留年なしの医師国家試験合否 (以下, 国試) に対する入学形態と入試成績の影響をパス解析と判別分析により検討した. 一般入試では高校概評や女性であることは入学後成績を高め, 浪人年数は下げる傾向が認められた. 高校概評, 面接評価, 他大学卒業は留年なしの国試合格率を高める傾向が認められた. 共通1次試験や2次試験の成績と入学後経過との関連は明確でなかった. 推薦入試では共通1次試験や小論文の成績を含めて入学後成績に関連する要因は明確でなかったが, 調査書と面接評価, 女性であることが留年なしの国試合格率を高める傾向がみられた. ただし, 入試成績の影響については選抜効果を考慮する必要がある.
  • 宮地 尚子, 藤崎 和彦, 小川 博, 目黒 忠道
    1997 年 28 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学部3年生を対象に, 模擬患者とロール・プレイを用いた産業保健実習を行った. 労働環境や生活習慣の見直しなど, 心理社会的側面の考慮が必要な患者のシナリオを作成, それを模擬患者や学生が演じ, 産業医役を学生全員が演じた. コミュニケーション技法, 主要な職業関連疾患, 予防や健康増進の視点などについて学生の実感を伴う理解をめざした.
    学生の関心および実習への評価は高く, 能動的学習法の有効性とコミュニケーション教育への学生側の需要が明らかになった. 産業保健は, 生物心理社会的モデルで患者を捉える必要があることから, コミュニケーション教育や能動的学習法に適し, ロール・プレイなどの手法が有用と考えられた.
  • 佐々木 勸
    1997 年 28 巻 2 号 p. 95-100
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    各医科大学の「定員あたり新卒国試合格率」(以下, 定員合格率と呼ぶ) および入試難易度を統計学的に解析した結果, 私立医大群は, 合格率上位の22校 (A群) と下位の6校 (B群) の2群に分かれ, かつ私立医大A群と国公立医大群は同一群とみなし得ることが明らかとなり, 次の結論が得られた.(1) 国公立医大群と私立医大A群は同一水準の定員合格率を示し,(2) かつこの両群においては入試難易度と定員合格率の間に有意の相関は認められない,(3) 定員合格率は大学の医師養成能力を表示するのに適している.
  • 黒木 淳子, 高柳 和江
    1997 年 28 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    若い世代へのエイズ教育においてその方法は非常に重要である. 日本病院会のストップエイズ企画委員会では, エイズ・ピア・エデュケーター (A. P. E.) を養成し, 看護学生を対象にピア・エデュケーションを実施した. A. P. E.は, 18~21歳までの医療系の学生である.
    エデュケーション後, ポストアンケート (155例: 回収率92.6%) の記述内容を分析し, 教育方法の評価を行った. ピア・エデュケーションによって学生は楽しみながらエイズを理解し, 患者・感染者への共感を得ることができた.アンケートでは多くの学生がエイズに関する意識変化を自発的に述べており, この方法がエイズ教育に有効であることが示唆された.
  • とくに設備, 備品および教材について
    松田 隆子, 石原 陽子, 肥塚 直美, 福井 由理子, 尾崎 真, 山浦 常, 渡辺 伸一郎, 神田 尚俊, 大澤 真木子, 成松 明子, ...
    1997 年 28 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    東京女子医科大学では, 1990年より新MDプログラムが導入され, その基幹に4年間のテュートリアル教育が組み込まれた. この教育を効果的かつ円滑に推進するため, 現存の設備の大幅な見直しと各種設備や副教材が設置された. 今回, これらの支援システムの利用状況と問題点について調査した. その結果, テユートリアル・ルームやミラー・ルームの設備や備品は有効活用されていた. 自己学習や情報収集の場として図書館はより活用度が増した.視聴覚教材の内容やその利用はまだ不十分であった.テュートリアル教育を支援する上で, これらのシステムの充実や拡大および情報公開促進の必要性が示唆された.
  • 文集「ふれあいの医学」の16年を顧みて
    中田 輝夫
    1997 年 28 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1980年以来16年にわたって卒前臨床実習終了後に学生から提出される感想文を「ふれあいの医学」と題する文集にまとめ, 卒業時に配付することを慣習としてきた. その文集の内容は多岐にわたるが, ほぼ指導者側が意図した実習の目的に対する肯定的意見が多く, また, 態度教育の面でも実習が役立っていることがわかった. 学生にとって, この実習が臨床医学の中でほかの科目とは違った意義があったということで指導者側の自信を強める結果となった.
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