[背景]東日本大震災時,東北大学病院は被災地の避難所等への巡回診療を行い,医学生も参加した.このような機会が医学生の学習態度や進路にどう影響を与えるかは未検討である.
[方法]参加した医学部学生19名に対し,東日本大震災時の巡回診療参加による学習態度と進路への影響を質問紙法で調査した.結果は単純集計で分析した.
[結果]多くの学生は被災者を前にして何もできなかったという無力感から,より熱心に勉強する必要を感じ,将来東北地方で医療に従事することを考えるようになった.
[考察]巡回診療参加は,医学生にとって,特に医療の社会性を学ぶことで,学習意欲が向上し,将来の進路について考える機会になると思われた.
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