2004年以来,初期臨床研修に地域医療研修が導入されているが,その内容や成果は充分検討されているとはいえない.今回東海北陸6県の研修医,プログラム責任者,臨床研修協力施設を対象に,厚生労働省の省令における臨床研修の到達目標項目との関連性,研修期間,カリキュラム作成等についてのアンケート調査を行った.
1)東海北陸6県の基幹型研修病院を通じてアンケートを行い,研修医または研修修了者230名,プログラム責任者82名,地域医療研修協力施設101施設より回答を得た.
2)アンケートは,調査1(研修医対象),調査2(プログラム責任者対象),調査3(協力施設対象)の3つからなり,厚生労働省の研修目標との整合性や地域医療研修の満足度について質問した.
3)研修期間,人数については,約70%の研修医,プログラム責任者,協力施設が適切であると回答し,多くの施設で地域医療研修プログラムの運営に適した設定となっていた.
4)地域医療研修自体の有用性について研修医の69.1%,プログラム責任者の65.5%,協力施設の85.2%がとても有用,やや有用であると回答し,臨床研修制度の一部として定着していた.
5)今後研修目標のうち「へき地・離島医療について理解し,実践する.」に適した研修プログラムの充実や,地域医療研修に対するプログラム責任者の積極的な関わりが必要と考えられた.
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