医学教育
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26 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 大学病院問題懇談会および同プロジェクトチーム
    1995 年 26 巻 1 号 p. 5-13
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    臨床系大学院に関しては, 多くの人が問題点を指摘しているが, その具体的な改善方法について議論されたものは, 意外に少ない.本稿は, 医学教育に関心を持つ大学病院関係者が集まって討議した結果をまとめたものである.臨床系大学院は, 教育機関としては医学研究の方法論を教える場, 研究機関としては学際的な研究を行う場であると結論し, その整備を進めることの必要性を強調した.
  • 高柳 和江, 岩崎 榮
    1995 年 26 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    地域医療教育の現状を全国大学医学部, 医科大学にアンケート調査した.51/80校の回答率で, 開設者別では, 地域医療教育は国公立では地方所在, 私立では都市所在の大学で地域医療教育が行われていた.公衆衛生の範疇でとらえられていることが多く, 開業医が教官となっての実習は少なかった.地域医療教育の必要性について, 内外の認識を高め, 全カリキュラムの見直しを含み, 卒前・卒後の教育と同時に専門医制度の確立, 開業医の教官としての位置づけ, および社会の中での地域医療教育のあり方の重要性などを考察した.
  • 全国アンケート調査結果報告
    戸倉 康之, 畑尾 正彦, 伊藤 澄信, 小寺 一興, 熊坂 一成, 黒川 高秀, 桑名 信匡, 前川 喜平, 松山 敏剛, 宮本 尚彦, ...
    1995 年 26 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は卒後臨床研修義務化の是非に関するアンケート調査の結果を明らかにすることである. 日本医学教育学会卒後教育委員会は全国の大学病院80施設, 臨床研修指定病院266施設の計346施設の院長, 研修担当者, 研修医に対して卒後臨床研修の義務化に関する21の質問を含むアンケート調査を行い, 260施設 (75.1%) からの回答を得た. これらの調査結果を集計分析したところ, 義務化に関して「条件が整えば賛成」が36.2%で最も多く, これに「賛成」が33.2%,「大いに賛成」が24.3%と続き, これらを合わせると93.7%が賛成であった. 賛成の条件として, 研修医の身分保障, 待遇面の改善, 国の財政的援助が必須であり, それに伴い, 研修施設のプログラム, 指導体制, 機器設備などソフト, ハードの見直しが必要であるとの結論を得た. 本委員会もこれらの結論をふまえ, しかるべき条件を早急に整えた上での卒後臨床研修の義務化を提言する.
  • 森田 倫子, 林 英生, 工藤 典雄, 阿部 帥, 田村 昇
    1995 年 26 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    筑波大学の医学教育は従来の伝統的カリキュラムを廃止し, 開学当初から統合カリキュラムを実施してきた. そのために, カリキュラムの立案から評価までを, 学生・教官・管理事務から分離・独立した組織として, カリキュラム室を設置してきた. カリキュラム室は, カリキュラムのプランニングから評価までを, 学群長, カリキュラム委員会およびコーディネーター (学年別, コース別に教官が分担) の指示のもとに次のような実務を行う. 1) 各学年のカリキュラム編成, 2) 担当教官, 担当時間の調整, 3) コースごとの教科書・実習書の編集, 4) 試験問題の出題依頼, 問題および解答用紙の編集, 5) 採点集計表, 成績判定資料の作成, 6) 教育研究の補助など. 統合カリキュラムの実施にともなうこのような煩雑な実務を専任職員3名が分担してきた実状を紹介し, 今後, 単位制の導入や選択制の併用などにより, ますます煩雑化するカリキュラム編成や入試方法の多様化, 自己点検・評価など実施のためには, 本カリキュラム室をさらに発展させた,「医学教育評価・開発ステーション」にする必要がある.統合カリキュラムを主軸とした医学教育を組み立てるためにはカリキュラム室のような組織の設置が必須条件である.
  • 学生の学びの過程および実習経験者へのアンケート調査から
    石垣 和子, 佐々木 順子, 田宮 菜奈子, 佐藤 智, 紀伊國 献三
    1995 年 26 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学生に対し, 在宅ケア教育に関する8日間の実習を独自のカリキュラムで7回 (7年間) 実施し, その効果を検討した. 今日の在宅ケアの置かれた状況を浮き彫りにする多面的なカリキュラムと, 実習スタッフの在宅ケアに対する真摯な態度により, 学生は深く医師としてのあり方に及ぶ学習をしていることが平成4年度の6名の実習生のレポートからわかった. 考え方の上での影響まで含めると, 全実習経験者31名が現在もなお実習体験に影響されていることがアンケート調査により判明した.
  • 井上 新平, 田中 修一, 元木 洋介, 高橋 美枝
    1995 年 26 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高知医科大学神経科精神科の臨床実習で面接演習を行った.演習は, 小講義, 入院患者のライブインタビュー, ビデオ採録と講評から構成した.同時に学生の精神所見のとらえ方も評価したが, これには, 学生自身がつけた簡易精神症状評価を利用した.面接態度では, 7割程度の学生がまずまずの態度を示したが, 面接技術では, 面接をコントロールできない学生, 開いた質問と閉じた質問の使い分けができない学生が目立ち, この面での教育の必要性がわかった.
  • 平野 寛, 菊地 博, 小林 建一, 畑尾 正彦, 岩渕 勉, 倉井 亮, 宮本 尚彦, 中木 高夫, 西崎 統, 鈴木 弘祐, 上野 恭一 ...
    1995 年 26 巻 1 号 p. 51-61
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    別稿「開業医師の生涯教育の目標」をより実効あるものとするため, 各行動目標ごとの評価項目を設定してチェックリストを作成した.内容によっては必ずしも現実の開業医師の実態にそぐわないとの意見もあるかもしれないが, 教育目標はあくまでも将来を指向したものでなければならないとの認識のもとに, 本チェックリストが広く受け入れられ, 開業医師の生涯学習に際して自己評価のために活用されることを強く期待したい.
  • Vuong HUNG, 尾島 昭次, 盧 岳華
    1995 年 26 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    WHO推薦, JICA研修員で来日のDr.Vuong Hungを迎え, 1993年5月22日順天堂大学で, 国際関係委員会と編集委員会によって持たれた第58回カリキュラム研究会の記録である.歴史を含むベトナム国の概要ならびに教育制度, 卒前・卒後にわたる医学教育・訓練制度, 医科大学ならびにカリキュラム, 厚生省の方針などに関し, 要点が明快にのべられ, 活発な討議があり, わが国との交流の強化が望まれた.
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