医学教育
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54 巻, 1 号
選択された号の論文の34件中1~34を表示しています
医学教育各賞 受賞者のページ
特集 「SOGI (性的指向・性自認) 」に配慮できる医療者の育成
  • 武田 裕子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 8
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー
  • ~トランスジェンダー当事者医学生の語り~
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー
  • 吉田 絵理子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     LGBTQの人々は日本においては可視化されにくい存在であり, 社会の偏見や差別によりマイノリティ・ストレスに曝され, 健康格差が生じている. 医療従事者が多様なSOGIに関して学ぶことは, 公平に医療を提供していくことに加え, DE&Iを達成する意味でも重要である. 日本の医学部におけるLGBTQに関する教育は, 米国・カナダに比べると劣っており, このテーマについて教えることのできる教員の育成, 教育リソースの作成, 医学教育の指針作成が急務である.

  • 青木 昭子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     東京医科大学医学科は, 2015年に医学科の2~4年生が医療専門職のプロフェッショナリズムを順次性をもって学ぶことを目的とした「医療プロフェッショナリズム」を開始した. 2年生と4年生を対象に性の多様性, LGBTQや性分化疾患など性的マイノリティに関連する内容を講義している. 2年生の授業はLGBTQの支援団体の代表と一緒に, 4年生の授業は心の性と身体の性のギャップに悩む人たちの支援団体の代表である泌尿器科の医師で一緒に授業している. 2021年度の授業を受けた4年生のレポートをまとめた. 多くの学生がLGBTQについての学修は低学年から必要と考え, より能動的な学修を希望していた. 授業の内容や方法を工夫し, より効果的な学修を考えていく必要がある.

  • -社会福祉士・作業療法士を対象にして-
    中西 純, 松本 武士
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     SOGI教育が実施されている医療・福祉専門職の養成機関は限られている. 本稿では, 社会福祉士・作業療法士の養成課程における試験的なSOGI教育を紹介する. SOGI教育のプログラムは性的マイノリティに関する基礎知識のほか, 性的マイノリティの健康格差, マジョリティ特権論, 社会的公正などで構成され, 性的マイノリティが置かれている状況について構造的な理解を促した. 教育実践により性的マイノリティに関する知識量の増加や当事者の存在への気づき (アウェアネス), 知識の必要度などが向上・改善した. こうした卒前教育の取り組みが, 将来の医療・福祉領域におけるSOGIに対する認識や態度を形成していくために重要である.

  • 時田 隆成, 新田 紗也, 矢野 晴美
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     医学部の臨床実習前の選択授業において, 医学生が主体となってLGBTQ+の教育を導入した. 授業では学生が講師役を務め, 小グループ討論を実施した. 共通の学びの場を持つ「学びの共同体」内で, 同級生によるPeer-Assisted Learningによってアクティビティを用いた対話が効率よく行われたことで, LGBTQ+への理解を深めることができた. 学生が主体となってカリキュラムを導入し, 学生自らが講師となる授業形態は, LGTBQ+教育の方略として有用な可能性がある.

  • ―臨床に携わる医師向けLGBTQに関するヘルスケア学習プログラムの紹介―
    吉田 絵理子, 金久保 祐介, 久保田 希, 坂井 雄貴, 山下 洋充
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     一般社団法人にじいろドクターズでは, 卒後3年目以上の医師を対象に, 所属機関で何らかの実践を目指すことを目標とし, 6カ月間のLGBTQに関するヘルスケア学習コースを提供したので報告する. 反転学習として, 学習テーマに沿った映画や書籍にて事前学習を行い, 集合型研修では講義だけでなくLGBTQ当事者との対話や, 当事者が模擬患者役を演じるロールプレイを行い, 毎回スモール・グループでの振り返りを行った.

  • 松本 武士, 中西 純, 園田 敦子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     にじいろリハネットは, SOGI (Sexual Orientation & Gender Identity : 性的指向と性自認) に関心のあるリハビリテーション専門職の有志団体である. SOGIはリハビリテーションにおいて重要であるという共通認識のもと, さまざまな職種・領域のメンバーが集まった. 2020年の団体設立以降, 文献抄読会, オンライン研修会, 養成校での教育など活動を展開してきた. リハビリテーションには全人間的復権という意味があり, さまざまなSOGIを持つ人が「その人らしく生きる」ことに専門職がいかに寄与するかを重視しながら, 今後も活動を広げていきたい.

  • 高屋敷(堀内) 明由美, 河野 禎之
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     筑波大学は, すべての構成員がLGBT等に限らず多様な個性を包摂して多様な能力を発揮できる大学を目指し, ヒューマンエンパワーメント推進局が中心となり, LGBT等に関する筑波大学の基本理念と対応ガイドライン2020年改訂版に沿って学生サポートを行っている. 性別情報は担当教員など必要な者のみがアクセス可とするルールを適用し, 情報を慎重に取り扱うよう教職員に促している. LGBT等に関する基本的な知識は必要であるが, 同時に, LGBT等の学生を特別に扱うのではなく, 多様な属性や特性を有する学生がいることを前提にすべての学生へ配慮するスタンスが重要であると考え, FD等の場で教職員にそれらを共有している.

  • 武田 詩織
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     本稿では, カナダを代表する大学であるマギル大学において, 性的指向・性自認 (SOGI) にかかわらず, あらゆる学生が安全な空間を確保できるように行っている取り組みを紹介する. これらは, 公正性 (Equity) ・多様性 (Diversity) ・包括性 (Inclusion) に対する大学の取り組みの一環として行われている.

  • ~まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクトの取り組み~
    金 弘子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     筆者は, 2020年10月より, 有志メンバーとともに「まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト」を始めた. その目的は, "だれもが安心して過ごせる" 医療機関を実装することである. 現在の主な活動は, SOGIに配慮できる医療者として医療機関で取り組めることを見えるカタチにすることである. 本稿では, その取り組みを支援するための資料「実装支援ツール」の内容とその使用実績, 具体的な取り組みについて記載する. 本稿が, 多忙な臨床現場で働く医療従事者のみなさんにとって, SOGIに配慮した取り組みを始めるきっかけとなり, SOGIに配慮した安心して過ごせる医療機関となることを願う.

  • 武田 裕子, 岡田 綾, 川崎 志保理
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     順天堂大学医学部附属順天堂医院 (1051床) では, 2021年5月に「SOGIをめぐる患者・家族・職員への配慮と対応ワーキンググループ」を立ち上げた. 2023年2月現在, 300名を超える「アライ」が生まれ, 様々な部門で多様なセクシュアリティの患者が不安なく受診し治療を受けられる環境づくりを進めている. こうした取り組みは病院内にとどまらず, 大学の他の部門にも広がり, 医学部では医学生への適切な配慮や卒前教育の充実をもたらしている. 少人数形式のSOGIセミナーにおいて, 患者の立場からの体験や要望を直接に聴く機会を得ていることが, 理解を深め行動の変化につながっている. SOGIへの配慮は, 一人ひとりに向き合ってその思いを汲み取ることから始まる. それはどの患者の対応でも求められる. 本稿では, 順天堂医院において具体的にどう取り組みを進めてきたかを紹介する.

  • 匿名希望 (38歳, トランスジェンダー男性, コンサルタント)
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     一トランスジェンダー当事者によるライフストーリーです. トランスジェンダーが決して遠い世界の存在ではなく, 同じ日本で生活をしている同じ人間であること, 一方で, 理解や制度が十分でない中で抱える課題や感じてきたことを, このライフストーリーを通じて知ってもらいたいと思い書きました.  幼いころから自らのセクシュアリティを親にさえも隠さざるを得ない状況の中で生活してきた当事者にとって, カミングアウトやトランジションがどのような意味を持つのかをお伝えしたいです. そして, 社会が変わりゆく中で, 漸く本当の自分を生きられるようになってからも, 当事者にとって医療にはいくつもの大きな障壁があることを, 医療者育成に取り組む読者にお知らせしたく, 当事者の目線で記載しています.

原 著
  • 丹治 史也, 南部 泰士, 柿崎 真沙子, 嶋谷 圭一, 西本 大策, 黒澤 昌洋
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 69-79
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

    背景 : 看護系大学のIR活動・業務の実態, IR組織の担当項目と他の看護系大学と比較したい項目の差を検討した. 方法 : 看護系大学48校・424名を調査対象とした. 結果 : 回答者116名のうち51名 (44.0%) が「IRの名称・役割ともに知っている」, 82名 (70.7%) が「IR組織がある」に該当した. IR組織の担当項目と比較したい項目ともに教学関連が多く, 入学志願者・卒業生調査では比較したい項目での割合が高かった (p<0.05). 考察 : 看護系大学ではIR組織の設置が先行し認知度が低く, また現状の分析項目と他大学と比較したい項目にはギャップがあるため, 各大学でIRの共通理解を図ることが課題である.

実践報告―新たな試み―
  • ―オンラインハンディキャップ体験学修の試み―
    宍戸 史, 豊島 かおる, 有川 智博, 宮坂 智充, 佐々木 雅史, 渡部 俊彦, 伊藤 邦郎, 米澤 章彦, 大野 勲, 中村 豊
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 54 巻 1 号 p. 80-85
    発行日: 2023/02/25
    公開日: 2023/03/16
    ジャーナル フリー

     東北医科薬科大学医学部では患者中心の医療と地域医療の現状と課題を理解するために1年次前期に「早期医療体験学修」の授業を設け, ハンディキャップ体験を実施している. 最近2年間はコロナ禍のために対面での実施が困難となり, オンラインによる擬似体験学習に切り替えて行った. 学生の感想を用いた振り返りを行った結果, 対面実施とオンラインではそれぞれ異なる教育効果があり, オンライン模擬体験学修において対面実施以上の教育効果が期待できる一面も明らかとなった. 2021年度に実施した本取り組みは, 今後ICTを活用した医学教育の実践を考える上で示唆に富むものとなったため, ここに報告する.

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