医療系専門職養成機関において教務事務職員が学生対応で難しいと感じる事例について調査した. 公私立大学医学部・歯学部教務事務職員研修に2013年度から2015年度に参加した教務事務職員143名から得た185事例を分析した.事例は, 学生に問題があるものが多くを占め136事例 (73.5%) であった一方で, システムや教員に問題があるものも含まれた. 医療系専門職養成機関において適切に難しい場面に対応するために, 教員, 事務職員の協働は欠かせないものである.
社会医療法人宏潤会大同病院は良い臨床研修病院を目指している. 勉強会の充実に加え, 大同病院単独で臨床研修指導医講習会を平成26年2月と平成27年11月に開催し, 平成26年12月に卒後臨床研修評価機構を受審した. 病院独自の研修医OSCE (客観的臨床能力試験) を平成27年3月と平成28年3月に実施し, 名古屋大学病院と合同で研修医OSCEを平成27年8月と平成28年6月に実施した. 研修評価は平成26年にEPOCを, 形成的評価と情報共有のため平成27年4月からCybozu®を導入した. 平成28年2月の基本的臨床能力評価試験は総合評価が全国平均以上で, 病院全体で臨床研修に取り組む姿勢の結果であった.
医学教育の研究論文には, 研究に用いた概念的枠組み (conceptual framework) が不可欠である. しかし, "概念的枠組み (conceptual framework) " と聞いて説明できる医療者は少ないのではないだろうか. 本誌への論文投稿後, 査読者から様々な指摘がなされるが, 研究計画段階でこの "概念的枠組み" が意識されていたら, クリアできたと思えるものが多い. 医学教育における概念的枠組み (conceptual framework) について, Georges Bordageの論文は分かりやすく解説している. そのポイントを以下に紹介する.