医学教育
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37 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 浜田 久之, フリーマン リサ F., バティー ヘレン P., ブランケンシュタイン ハーベイ
    2006 年 37 巻 2 号 p. 67-76
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    成人教育の根幹をなす自己決定的な学習 (self-directedlearning, 以下SDL) は, 北米の医学教育で中心的な役割を担っている. SDLはプレ・クリニカル・クラークシップから, クリニカル・クラークシップ (以下, クラークシップ), 研修医教育, その後の生涯教育におけるカリキュラムに多用されている. 本論文はSDLの概要を文献的に考察し, SDLをクラークシップに応用したトロント大学医学部家庭地域医学科の地域立脚型学習の例を紹介し, 最後にわが国の臨床実習へ3つの提案 (1. 学生の学習計画と学習する責任, 指導医の役割を明記した学習契約書の活用, 2. Information technologyによるフィードバックツールの開発を推進し, 実習における迅速なフィードバックの習慣化, 3. SDLを多用した臨床実習と地域の医師の生涯学習を組み合わせた地域立脚型クラークシップの促進) を行った.
  • 研修医の視点より見つめた医療の安全への意識調査
    早野 恵子, 小川 久雄, 江上 寛, 本村 和久, 徳田 安春, 安次嶺 馨, 東 大弼, 東 理
    2006 年 37 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    2004年より卒後臨床研修必修化が始まり, 幅広い臨床研修が可能になるという利点がある一方, 研修医の医療事故への対策や教育病院の研修環境の整備が必要になってきた. 本稿では, 1. 医療の安全に関する研修環境の把握と分析, 2. 医療の安全に関する研修医の意識調査 (調査年度: 2003年) の結果および研修医からの提言を報告する. 方法は, 熊本大学附属病院, 沖縄県立中部病院, 熊本赤十字病院の研修医計76名に対して, 医療の安全に関するアンケート調査を実施・分析した. アンケートの回収率は全体で70.3%, その内85.5%の研修医がそれぞれとても忙しい, やや忙しいと感じており, 勤務時間の中央値 (98~105時間/週) の差は少ないものの, 忙しさの内容・質においては病院格差がみられた. 76.3%の研修医が医療事故への不安を感じていた. 医療の安全への提言 (自由記述) には, 個人の努力を強調する意見や互いの監査のシステム, 形骸的な医療事故対策の現状への批判, リスクマネジメントの本質などさまざまな意見が含まれていた. 3つの教育病院の研修医はいずれも長時間の労働と多忙とともに医療事故への不安を感じていた. 研修医の多くは潜在的医療事故や医療事故を体験・報告しており, 1. 研修環境の改善, 2. 研修医への支援システムの確立, 3. 診療録や医療器具の配置の統一を提言していた. 医療の安全の改善のためには病院の組織的あるいは研修プログラムの構築への取り組みに加えて, 研修医の視点からの自発的な問題提起が重要であると思われた.
  • 研修医の能力に対する非医療者の認識に関する探索的研究
    福士 元春, 高屋敷 明由美, 大野 毎子, 松村 真司, 大滝 純司
    2006 年 37 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    【目的】研修医が身につけている能力に対する非医療者の認識の一端を明らかにする.【方法】非医療者・医学生・研修医を対象とした個別インタビューおよび研修医を対象としたフォーカスグループインタビュー.【結果】身につけている能力として紹介の判断, 当直, レントゲン読影, 心肺蘇生, 虫垂炎の手術, 骨折・脱臼の処置などが非医療者から抽出された. 患者はできると認識し研修医はできないと認識していることとして, 病気・薬の全般的知識, 日常生活の指導, 身体診察, 治療方針の説明, 画像診断, 他医療職種の知識・技術が研修医から抽出された.【結論】研修医の能力に関する非医療者の認識には現状と大きな隔たりがあることが示唆された.
  • ダンディー大学Sue Roff女史による英国発の学習者の環境評価
    錦織 宏, 吉田 一郎
    2006 年 37 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 2006/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    医学生の学習環境や研修医の研修環境など, 学習者の学習環境は現在, 医学教育学における重要な研究テーマとなっている. このたび, ダンディー大学医学教育センターのSue Roff女史のご理解と許可を得て, 1997年に作成され既に英国・カナダ・タイ・中国・マレーシアなどで使用されているDREEMをはじめ, 彼女が作成した4種類の学習環境評価表を日本語に翻訳させていただいた. 多くの読者の皆様にご利用いただき, 学習環境の改善に役立つことを願ってやまない.
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